不器用なおじさまたちへ
50代のおじさまが、
「嫁が、子供を1人産むごとに”鬼”になってくんですよ」
と曰った。
はん?
”鬼”にさせたのはあなたではないですか?
出会った時、奥様に鬼の要素はありました?
「いや、だから、子供産んで鬼になっていったんですよ。
私は何も変わらないのに、嫁はどんどん変わってしまって鬼になったんです」
ねぇ。おじさん。(私もおばさんですけど)
よく聞け。(暴言失礼)
私は何も変わらないのに?(は?)
変わらないことを堂々と言うんじゃない。(ふざけるな)
変わらない方がおかしいんだよ!
女はね、自分の体の中にもう一つの命を宿して、
自分の血や肉を分けて10ヶ月間も自分の中で育てるの。
その間、ありえないくらいの体の変化、精神的なストレスもあるの。
もちろん、幸福感も愛情も男性よりも感じてるかもしれない。
でも、それ以上の心身ともに負担を抱えるの。
そして、例えではなく本当に命懸けで出産するの。
生まれたら、片時も目を離せない、注意を逸らせない、
ちょっと目を離したら死んじゃうかもしれない命と四六時中向き合っていく。夜も眠れない。昼間だって眠れない。
その合間を縫って、家事をする。
なんなら、”旦那”っていう、もう1人の大きな子供の世話も必要かもしれない。
心も体もギリギリになるよね。
いい意味でしっかりもしてくる。
強くなる。頼もしくなる。
母になるってそういうこと。
そういう母からあなたも生まれて育ててもらったよね。
そういう母だったから、あなたにとっては優しくて強いお母さんだったよね。
そういう変化をさ、”かまってちゃん”な旦那に、
「鬼になった」なんて言われたら・・・
私は、目の前のおじさんを抹殺したくなった(さらに暴言注意)
そういうこと言ってると本当にヤバいですよ。最低です。
って言ったら、
「私たちの時代はそういうもんだったんですよ。みんなそうだったし、そういう風潮だったしそうやって社会で育てられてきた」とな。
社会のせいにすんじゃない。
自分で考えろ。
本当にそれでよかったの?それがあなたの家族に対する愛情だった?
今はそういう時代じゃないっていう意味でもない。
昔でも今でも同じ。
それに気づかない人は気づかないし、すぐに何かを言い訳にする。
勝手に楽な方へ流れておいて、何かのせいにする。
まだ50代現役でしょう。本当に社会がそうだとしたら、
あなたたちが変わらなくて、変えなくてどうするの?
後に続く人たちにかっこいい背中、生き方見せなよ。
誰かや時代や社会のせいにしないで、自分の愛情は自分で表現して、示して、大切なものは自分の手で守ろうよ。
まぁね。
本当は、ただ”愛されたいだけ”のおじさんもかわいそうだとは思ったんですけどね。
でも、寂しいなら寂しいって言えばいい。
(言えない可愛さも不器用さも理解してるよ)
本当は大切に思ってるくせに、”鬼”だなんて表現するのは違うよ。
わかるけどね。わかるけど、それは許せないのだ。
愛情の裏返しだとしてもね。
そんなこと言ってて、明日いなくなっちゃったらどうするの?
不器用でもいい。「愛してる」って言えなくてもいい(言えた方がいいけど)。
乱暴な言葉で大切な人を傷つけないで。
それだけは言っておきたい。
世の不器用なおじさまたちへ。
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