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10/26 DAY#42 Semi Final 1

今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
10:30 ホテル出発 キャプテンズラン@秩父宮
12:00 ランチ
16:00 スナック
18:00 FW & BK ミーティング
18:15 ディナー
21:00 スナック

今日はキャプテンズラン、場所は秩父宮。
それが終わればコーチ数人を連れて横浜スタジアムへ行く。
でも先ずはキャプテンズランの準備。
いつも通りシューちゃん、JRと一緒に用意する。
慣れたもので恐らく最初に比べて半分の時間で出来る様になっていると思う。
でもこれも今日を含めて後2回…
どこにも使えないスキルだし、多分二度とやる事はない。
なのに1年経った今でも完璧に手順を覚えてる(笑)

準備が終わればそのままアドバンスチームで秩父宮へ。
これもまた慣れた手つきでボールの空気圧確認やタックルバッグをピッチに整理していく。
終わればいつも通り最寄りのファミマへ買出し。
そして選手達が到着してキャプテンズランが始まる。

順調にキャプテンズランも終わり、このキッカー練習が終わればそのまま御徒町のマツヤさんへジャージを取りに行く。
これまたいつも通りJRと刺繍の確認をしていく。
事前にサンプルを作成してもらってるからほぼ間違い無いんだけど、念のため。
そして今回はもう一つ確認する事があった。
それはこれ。


そう、誕生日にもらったサイン入りジャージ。
先日ここに来た時にJRに頼んで刺繍を入れて貰った。
折角の記念だからと言ったら快諾してくれたので甘えました(笑)

ジャージを受け取ったら速攻でホテルに帰る!
横浜スタジアムへ行くのに遅れる訳にはいかない(笑)
ダッシュで帰ってもギリギリだった…
飯を食う時間も無かったのでチームのプロテインクッキーを拝借して、そのままハイエースに乗り込みいざ出発!

道はそんなに混んでなくスイスイとスタジアムまで進んでいく。
と思ってたらスタジアム近辺は大渋滞(笑)
だけど今日はアランは居ない。
温厚なルークは、大丈夫時間はあるからゆっくり!も言ってくれる(笑)
普通そうな筈なんやけどね…

そしてスタジアムに到着。
チケットを既に持っているコーチ陣は関係者車両入口で降ろして、試合修理後の待ち合わせ時間だけ打ち合わせて別れた。
問題はここから。
チケットを持ってない僕達は何とかスタジアムに入りマッチマネージャーに何とかしてもらわないといけない。
とりあえずチーム車両通行証でチーム入口を通過する…
果たして大丈夫なんだろうか…

実は我々のIDはQFからは毎試合毎のステッカーを貼っていないと無効となっている。
一部の内部の人間がこのIDを使って不正に試合会場に入ろうとして捕まり処分されているのを知っていた。
今日我々のIDにはこの試合のステッカーは無い…
アランいわく大丈夫。とりあえずマッチマネージャーに電話しろと。


スタジアム内部に車で進むと警備員さんにエスコートされる。
そしてイングランドチームの駐車スペースに案内されてしまった!
そらそうやな、イングランドチームが到着する時間やろうし(笑)
そしてその駐車スペースで昨日スタジアムに来た時にお会いした関係者の方を発見し声をかけた。

ラ「すいません、昨日はお世話になりました」
関「あら、ウェールズの方ですよね?どうされたんですか?」
ラ「いや、カクカクシカジカでチームの関係者をお連れしたんです。マッチマネージャーが理由を知っておられるとの事で、僕達は付き添いに来ただけなんです…」
関「そうなんですね…ではマッチマネージャーに確認しますね。とりあえずイングランドスペースには停めれないので、あちらの壁沿いに停めてもらえますか?」
ラ「わかりました、ありがとうございます」

それから関係者の方に連絡とってもらうも電話に出ないらしい。
僕達もマッチマネージャーに電話しているが出ない(笑)
そらそうやろな…試合の日はマッチマネージャーは色々忙しいのだ。
結局電話が繋がらないので、その方にエスコートしてもらい事務所に連れて行ってもらう事に。
*エスコートがなければステッカーの無い僕達はゲートを越えれない。

そして事務所に行く通路でアップの為にピッチに向かうイングランドとニュージーランドの選手達とすれ違う。
通路を進んでいくと前からアーロン・スミスが歩いて来た。
そしてすれ違う直前に僕の顔をみて
「ヘイ!ヤーマン!何してんの?」と声をかけてくれた!
僕はリエゾンのトレーニングとして、4月に秩父宮で開催されたサンウルブズゲームのハリケーンズとハイランダーズの付き添いをしていたので、アーロンとは顔見知り程度であった(笑)
まさか覚えてるとは思って無かったので嬉しかった!
ラ「ウェールズのコーチを今日の試合に連れて来たんだよ」
ア「あ、ウェールズに付くって言ってたな!また会えて嬉しいよ!」
ラ「僕も覚えてくれててとても嬉しかった!ありがとう、今日のゲーム頑張って!決勝でウェールズと対戦になれば最高だよ」
ア「ありがとう!頑張ってくるわ!じゃ」
と言ってピッチへと去っていった。

アーロンは本当に明るい性格で良い奴!
4月のトレーニングの時も顔を見るたびにヤーマン!と言って笑顔で声を掛けてくれた。
まさかの再会で隣にいたシューちゃんは、アーロン・スミスとも知り合いなん!?ってビックリしてた(笑)

通路上でもセキュリティーは色々あって、メディア関係者は入れないエリア、選手レベルが入れるエリアと細かく分かれている。
その度にエスコートを確認してもらい通過していく。
そしていよいよ事務所に到着。
しかしここにもマッチマネージャーは居ない(笑)
聞くと今はピッチにいる筈、という事でまたしてもエスコートでピッチへ。

そしてついに発見!
エスコートして貰いながらマッチマネージャーの元へ

ラ「すいません、ウェールズのリエゾンです」
マ「おお、よく来たね。何度も電話くれてて出れなくて申し訳ない。とりあえず忙しくてずっと電話が鳴ってるよ(笑)」
ラ「いえいえ、ここまでエスコートして貰えたので大丈夫です。車はXXに停車しました」
マ「そこに停めるように指示されたなら問題ないよ」
ラ「スタッフはチケットを持ってるんですが、僕達2人はチケットが無くて…」
マ「それもアランから聞いてるよ!大丈夫。ところでアランは面倒臭い奴だろ?(笑)」
ラ「いや、口は悪いけど良い人でお世話になってます(笑)」
マ「本当その通りだ(笑)」
ラ「で、どこで待ってれば良いですか?」
マ「ああ、そこから上がったその辺の席でメディアと張り紙してある所ならどこでも良いよ」
ラ「え?メインど真ん中のかなり前ですけど…」
マ「うん、我々が抑えられる席はその辺りしか無い(笑)そうだろ?」
ラ「確かに。関係者は皆さんここですね」
マ「席を離れる時はこのステッカーを貼ったIDを見せれば良い」
と言ってステッカーをくれる。
マ「折角だから試合楽しんで行けよ!ゆっくり観れるのは今日だけだろ?」
ラ「はい、ありがとうございます!」
マ「アランに宜しく言っておいてくれよ」

そう言って去っていった。
何かよくわからないが、最高の席で観れる事になった…
確かに彼の言う通りで、僕達が落ち着いて純粋に試合を生で観れるのは今日だけだ。
しっかり楽しませてもらおう。

観客席に居ると「コージュ!」と誰かに呼ばれる。
高校の先輩だった。この人とスタジアムで会うのはもう既に3回目(笑)
どんだけ観に来てるねん!えーな(笑)

そしてイングランドのリエゾンさんと会ってご挨拶。
彼女は実はRWC2015のジャパンリエゾンさん。
イングランドに長く住まれてる方で今回はエディーさんから御指名でイングランドリエゾンに!
そして2015で僕の高校の先輩でカンタベリーの担当者さんとずっと一緒に行動してたらしく、一年前のトレーニングの時から仲良くしてもらっている。
実は先週大分でもイングランドホテルに彼女と会う為コーヒーを飲みに行ったほどである。
*2月の6ネーションズを観に行った時も一緒にディナーしました。

イングランドの雰囲気を聞いたら今日は何かを起こすと言ってた。との事。
これが始まって直ぐに起きたあの事だと後で気付いた。

さて今日の試合はどうなるのか…
本当に楽しみな試合を幸運にも観れるのは本当にラッキー。
アップを少しみてスタンドの雰囲気を楽しみに行く。
これが夢に見たワールドカップ。
皆さんには見慣れたスタンドや通路の雰囲気も僕達には超新鮮(笑)
いつもロッカールームかピッチに居るから、こんなにゆっくり見れたのは初めてだった。
車だからビールは飲めないけどジュースで我慢(笑)
そして座席に戻り暫くするといよいよはじまりの時間。

いつもの拍子木から和太鼓の音。
それを大きな歓声が掻き消す。
両選手がゆっくりとピッチに流れ込みナショナルアンセム。
スタンドはイングランドの方が歌声が多い!
しかし凄い熱狂の渦!いよいよ始まるセミファイナルに日本中が熱狂してる!
そしてNZのハカの陣形をとりペレナラのリードが始まる。
とそこでジョー・マーラーが惚けた顔してハーフラインを超えていくのが見えた。
ほぼ真横からのアングルだったので一瞬何が起こっているかわからなかった。
よく見るときちんと整列したイングランド。
これは明らかに意図的にハーフウェイを超えている!
これって良いんかな?とその場では判断出来なかった。
恐らく罰金は間違いない。

そしていつものPieces of dreams のダーダラダッダ、ダーダダラッダ、ダンダンダンが流れてカウントダウン開始。
今でもこの曲聞くとドキドキする。

運命のキックオフ。
このどちらかとウェールズは戦う。
NZの無難なファーストプレイからのタッチキック、イングランドマイボールラインアウトからワトソンが大きくゲインを切った後、トゥイランギが飛び込みいきなりのトライ!

とんでもない試合だった…
個人的にはブレイクダウンとCTBへの圧力でイングランドが物にしたと言ったところ。
80分のホーンが鳴った所で席を立ち車まで戻る。
ピッチサイドを通過する時、ABsのベンチは静まり返ってたのが印象的だった…
関係者にお礼を言い、車をゲートの直ぐ外で停めルーク達を待つ。
その間アレックに電話した。
アレックはNZ人。ABsの敗戦はNZ人全員に落胆を与えると言っていた。
またホテルでは選手達も試合を観ていた様で、60分を超えたあたりからイングランドが勝ちそうなのを見て、ワールドカップ優勝出来ると言い出したらしい。
ここだけの話、ABsには勝てないと思ってたみたい。でもイングランドなら可能性は高いと言ってたようだ。

明日のこの時間はどんな状況でスタジアムを後にするんだろう…
そんな事を思いながら車をホテルへ走らせる。
ホテルに着いたらそのままマネージメントディナーで近くのフランス料理 オテル・ドゥ・ミクニ さんへ。
とんでもなく上品なレストランでコースをいただきアレックとまた試合について話す。
やはりショックだったらしくいつにも増して酒を飲みまくる(笑)
その勢いは止まらず、ホテルでも飲むぞーと張り切ってホテルへ(笑)

ホテルのバーへ行き、ガッツと今日の試合について少し話した。
ガッツは今の状態だとイングランドは20回やって1回しか勝てない、その1回を今日このタイミングで引き寄せたと言っていた。
ハカのV字陣形はその為の布石だったと。
エディーさんは策士だと笑ってたのが印象的。
心を乱す。この事にアレックは自分の武士道についてガッツに永遠と話してた。
ただの酔っ払い(笑)
でもガッツは真剣に聞いてた。
何か通づるものがあったんだろう。

いよいよ明日は僕達ウェールズの番。
泣くか笑うか。
それは神のみぞ知る。

続く

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