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10/29 DAY#45 忍者の末裔

今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
10:15 バス出発 AM練習
12:30 ランチ
13:00 メディアインタビュー
15:30 スナック
18:30 ディナー
21:00 スナック

今日は一部練習、午前だけだ。
昼からは時間が取れそうなので最後のプレゼント企画の当選者選びなどをしたい。

いつものルーティンで今日の予定を確認。
昼からはシューちゃんがアランを連れて組織委員会へ行くらしい。
午前中の練習はいつもより軽め。
ウェイトとユニット練習をしている。
マネージメントは今週の試合メンバーについて色々考えてるみたいだ。
世間でも色々言われていたがウェールズチームでも3位決定戦については消極的な意見ばかりだった。
ワールドカップ3位という成績は勿論素晴らしいのだが、優勝賞金も掛かってない、結果が次回RWCへ反映されるわけでは無い、選手の疲労度が高い、という理由でプレーする側としては余りメリットは感じない。
やはりモチベーションが問題。
先日決勝進出へ向けてピーキングを行いその試合に負けた後で、この試合へのモチベーションをあげられる要素が無い。
あえて挙げるとしたら日本や世界のファンに一試合でも多く見せれるくらいだろう。
なのでメンバーも若手や今回出場しなかったメンバーへと大幅に変更すると思われる。
しかし相手はオールブラックス。
ウェールズにとってなかなか対戦する相手ではないのでいい経験にはなるだろう。
果たしてどうなるのか?

朝練も終わりランチを済ませば後はフリータイム。
僕はプレゼント当選者選びなどの準備を進める。
夕方になりシューちゃんが組織委員会から帰ってきた。

ラ「お帰り」
シ「ただいま(笑)」
ラ「何で笑ってんの?」
シ「いや、さっきのやりとり思い出してて(笑)」
ラ「何があったん?」
シ「今日は残る4チームのチーマネージャーが皆んな組織委員会に来てたんやけどそのメンバーがおもしろかってん」
ラ「そなん?」
シ「他のチームは事前に申請してたからチームメンバーでもランドローバー乗れるみたいで、俺以外は全員外国人やってん」
ラ「ふんふん」
シ「ほんでドライバーが皆んな自国のセキュリティーとかコーチで体がめちゃくちゃデカいねん」
ラ「そうやろな」
シ「組織委員会について車停めてたらアランが南アのセキュリティーとチームマネージャーと話しだしてさ、車から出てきた俺を呼ぶわけ」
ラ「ふんふん」
シ「そしたらその奥に他のメンバーも到着しててそこまで行ったところで南アのチームマネージャーがこいつは誰だ?ってなってん」
ラ「1人だけちっちゃい日本人やしな(笑)」
シ「そうそう、ほんでアランがうちのセキュリティーやって皆んなに紹介してん。やから皆んなと握手して挨拶したんやけど、皆んなこいつがセキュリティー?って顔しててん」
ラ「うんうん」
シ「そしたらアランがコイツは今まで会ったどんなセキュリティーより信頼出来るとか言い出して(笑)」
ラ「え?(笑)」
シ「コイツは忍者の家系で今は大使館のセキュリティーしてる、南スーダンの内戦でコイツはゲリラから大使を何回も守ったって言い出して」
ラ「どんな噂や(笑)」
シ「そしたらその途端に皆んなの顔色が変わってやたら親切になってん(笑)」
ラ「え?信じたって事?特に忍者の部分!」
シ「わからんけど握手した時に虫が飛んできたから握手した後に振り払う動作してん、そしたらイングランドのセキュリティーがちょっと警戒してたわ(笑)」
ラ「どんなんやねん!(笑)」
シ「でもそんな話信じる位にアランは信用されてるんかも知れんで」
ラ「確かに。もしくはアランも頭おかしいと思われてるかやな(笑)」

とにかくシューちゃんのアランからの信頼はめちゃくちゃ高い(笑)
アレックの忍者と言う嘘から凄い伝わり様(笑)
一度冗談でチームルームにあるダーツボードにおもちゃの手裏剣を突き刺し、シューちゃんは毎日夜な夜なトレーニングに励んでいる。とやろうとしたけどドンキに手裏剣が売ってなくて諦めた(笑)
因みにアレックの前世は幕末あたりの侍と言いふらしておいた(笑)
ひょっとしたらまだウェールズチームは日本にはマジで忍者や侍が居ると思ってるかも知れない(笑)

そして夜になり僕はもう一つの用事へ。
今大会で僕は #ウェールズ応援企画 と銘打ち、自腹で約15万円ほどかけてラッパ水仙、ドラゴンの被り物、国旗、フェイスステッカーを毎週に渡りTwitterで応募してくれた人にプレゼントしていた。
これは本当ならば1観客として自分がワールドカップでやりたかったコスプレを、折角なんだから他の人にやって貰いたいと言う思いから、北九州市がTシャツプレゼントしていた事からインスピレーションを受けて実施した。
ワールドカップが始まってみたらこれが実は物凄く楽しい!
当選者に当選のDMをし発送するんだけど、その過程でスタジアムで他の当選者に手渡ししてくれる人が現れたり、ホテルに直接取りに来てくれたりで物凄く色んな人と知り合えた。
当選者さん達は僕の目論見通り、目一杯ワールドカップを楽しみその様子を写真で僕に見せてくれた。
まるで自分がそこにいた様に感じれて本当やって良かったと思ってる。

その企画においての重要人物がいた。
当時ロンドンで学生をしていたNao君だ。
この企画を思いついたのは8月中旬、日本で探せどウェールズ応援グッズは国旗以外見つからなかった。
そこでTwitterで以前からフォローしてたナオ君に、お金払うからグッズを代理購入して日本に送って欲しいといきなりDMしてみた(笑)
そしたら良いですよ!と返事(笑)
いきなり誰かもわからない奴から10万位買い物して日本に送ってくれ。との依頼に即答(笑)
今後も詐欺に遭うかも知れないと少し心配している(笑)
そんな彼も実は大会期間中に一時帰国しており、何かしら大会に貢献したいと組織委員会に直訴して事務職ではあるが組織委員会で働いていたのだ。
そしてその職場がANAインターコンチホテルと言うので飲みに行こうと誘った。
これが初対面(笑)
SNSの不思議である。
初対面でもそんな気がしない。
前から知ってた人の様。


先ずはグッズ購入時のお礼を改めてする。
ナオ君が居なければこの経験は無かった。
そしてチームから貰ったグッズをお土産にし、居酒屋で近況報告や今後について等話しまくった。
ナオ君は今後もロンドンに残り、スポーツビジネスの職を探すとの事。
ラグビー独特の楕円が繋ぐ縁でナオ君と一気に打ち解けあい友達になれた。
本当ラグビーとSNSの乗算は凄い(笑)
お互い必ず再会する事を誓いその日は別れた。

こんな人達と知り合えたのもワールドカップがあったから。
このワールドカップは本当に僕に色んな物や経験をさせてくれる夢の舞台だ!
それも後もう少し、終わりの事は終わってから考えよう。
今は目の前の事に集中しよう。

続く

因みにナオ君とは今年の2月に6ネーションズで再会し一緒にトゥイッケナムでウェールズを応援した。
その様子をWRUのカメラマン達に見つかり公式SNSで晒されてしまった(笑)

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