10/23 DAY#39 万事休す…
今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
09:45 バス出発 AM練習
12:30 ランチ
13:00 メディアインタビュー
14:15 バス出発 PM練習
16:30 スナック
18:30 ディナー
21:00 スナック
今日は二部練で忙しい1日になりそう…
なのに今夜はとんでもなくヤバい事態に陥りそう。
と言うのも昨日の天皇陛下即位の礼を受け、本日我々の泊まっているホテルで内閣総理大臣夫妻主催晩餐会が開かれるのだ…
ホテルの人から伝えられたスケジュールでは、夕方から秒刻みで各国の主賓が続々とホテルにやってくる…
この予定をかわして選手の出入りを行わなければならない…
はぁ…嫌な予感しかしない…
いつものルーティンでリエゾン予定を3人でシェアしたら1日の始まり。
先ずは朝の練習へアドバンスチームで出発。
いつものように先に秩父宮へ行き、練習道具の用意をしたらJRを連れて最寄りのファミマへお菓子を買いに行く。
いい加減1人で行けるようになって欲しい…
けど僕のジュースもWRUの予算で買ってもらうから良いや(笑)
そうこうしてるとチーム到着。
FWとBKで分かれて、ウェイトトレーニングとユニット練習を交互に実施。
しかし練習内容がハード!
ここまでの激戦でダメージや疲れが有ると思われるけど、ガンガン当たるし走る。
他のチームの練習は見てないけど、恐らくトップクラスの練習量じゃないかな?
そしてキッカー練習。
最初の頃は僕しかボールをキッカーに返せなかったけど、教えた甲斐もあって今となってはサッカー少年だったシューちゃんはゴロパントキックをマスターして、ちゃんと選手の近くまでボールを返せる様になった。
努力と練習は嘘をつかない。
ただし気をつけないとアレックの様になってしまう。
実は大分でアレックもキックでボールを返していたのだが、何もせずにいきなり蹴り出したので肉離れになってしまった(笑)
幸い我々が就いているのはラグビー国代表チーム。
チームドクターのプラブに処置とケアをしてもらい今ではだいぶ回復した(笑)
練習も終わり、バスとDHLバンでホテルに帰る途中、青山通りから外堀通りの紀尾井坂へ曲がる手前でまさかの通行止め!
道路にバリケードを張り機動隊が配備されている!
え?話聞いてないけど…
どうやら今日は定期的に通行止めにしてるらしい…
しかしこちらは大型バスで通行止めされてもUターンすら出来ない!
更に後ろからどんどん車が突っ込んできて大渋滞!
慌てて車から降りて機動隊員と話す。
ラ「すんませーん、これっていつまで通行止めなんですか?」
機「いやーわからないんです」
ラ「マジすか?私達あそこのホテルに宿泊してるRWC のウェールズチームでして何とか帰りたいんですけど?」
機「いやー自分ではわからないです」
ラ「じゃわかる人いらっしゃいます?」
機「いやーわからないです」
ラ「は?あなたが何言うてるかわかんないですけど?」
機「とりあえず命令があるまで封鎖なんです」
ラ「…わかりました、じゃ歩いては通れますか?」
機「それもわからないです」
*ここでアレックがキレる
ア「あんた!さっきから無責任な事ばっか言うて、自分の上長もわからんと兵隊やってんのか!?」
…確かにその通り(笑)
ア「とりあえず上の人探してきて!話がしたい!」
上「はい、私がお伺いします」
ア「カクカクシカジカなんですけど、どうやったら選手達はホテルに帰れるんですか?」
上「ここから歩いてなら行けます」
ア「それが聞きたかったんです!」
ラ「じゃバスはどうしたら良いですか?Uターンも無理そうですけど…」
上「すいません、そんなに長く閉鎖しないので暫くここで待ってもらいたいです…」
ラ「わかりました…」
選手達に事情を説明して歩いてもらう。
選手は快諾してくれたがアランはマジ切れしてて、組織委員会に大声で電話しながら歩いて行った…
そんなこんなでホテルに帰るとすぐランチ。
そしてコーヒー飲んだら直ぐに昼練のアドバンスチームでとんぼ返り。
またグランドで準備してファミマに行く(笑)
そして選手達を迎え入れ練習のお手伝い。
いつもと変わらない二部練。
マネージメントとお喋りしながら練習のお手伝いをしていたその時。
事件は起こる…
午前と変わらず激しいコンタクト練習だった。
5人グループでコンタクトバッグやコンタクトスーツを着たディフェンスに、走りながら当たってオフロードパスやラックを作ったりして行く試合形式の練習中に、リーアムが叫び声をあげた。
タックルされラック形成された時だった。
ボールはリーアムから転げ落ち前方に転がって行く。
叫び声でプレーは即中断されたもののリーアムは悶絶の表情で足首を押さえのたうち回っている…
誰が見ても明らかに大事。
すぐさまプラブが駆け寄る。
ドクターチーム数人でリーアムをピッチの外に担ぎ出す。
スパイクを脱がして診断しようとするも余りの激痛にスパイクを脱がせられない…
慎重にスパイクとソックスを脱がして見ると、明らかに変形してる足首が…
重傷である事は見て明らかだった…
シューちゃんが車でプラブとリーアムをホテルへ連れて行くが、リーアムが途中で吐き気を訴えた為にそのまま病院へ直行。
レントゲンを撮った結果くるぶし部分の骨折と判明。
*豆知識だが骨折していると吐き気をもよおす事が多い。
4日後にセミファイナルを迎えるチームはリーアムの離脱後も激しい練習を続けた…
そんなハプニングもあり予定より練習時間が押してしまった…
ヤバい…最悪の事態になるのでは…
ホテルからは予定時間を過ぎるとバスはホテルには入れなくなる。
バスの運転手さんに事情を説明してダッシュで帰ってもらう。
でも僕は後片付けがあるのでもう絶対に間に合わない(笑)
DHLバンは秩父宮に置いてJRとタクシーで帰ることにした。
片付けながらもバスの心配をする…
リミットは16時。後5分!間に合うか!
16時を少し過ぎた頃、アレックから間に合ったとの報告!
なんでもバスの運転手さんがいつもと違う道を選んでくれたらしくファインプレー!
本当どこの街でも地元の人には敵わない。感謝である。
何とかリミットには間に合って帰れたものの、ホテルはものすごい事に…
本当秒刻みで黒塗りの高級車が何台も白バイに先導されて入ってくる。
ホテル内部もSPだらけ(笑)
各フロアのエレベーター前には絶対人が立ってるし、二階以下はどこ見てもSP(笑)
これはホテルに居ては気不味い!という事でマネージメントはさっさと街に飲みに行き、チームルームは選手がちらほら居るだけ。
しかしリーアムの容体が気になる…
大丈夫なんだろうか…
セミファイナル前に物凄い痛手。
本当ウェールズはケガに泣かされている…
続く
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