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10/27 DAY#43 SF VS South Africa

今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
12:00 アドバンスチーム出発
13:00 キッカー練習@秩父宮
13:15 軽い筋トレ
13:55 ウォークスルー
14:20 試合前食事
15:30 チームホテル出発
18:00 南アフリカ戦 KO
22:15 ディナー

今日はいよいよ準決勝、サウスアフリカ戦。
これに勝てば夢の決勝戦。
チームにとっても歴史に挑む戦い。
いつも通りに見えても皆んな心の中では特別な想いを背負っているはず。
そんな彼らに期待しつつも邪魔にならない様にいつも通り裏方に尽くす。
僕はいつも通りアドバンスチームで先にスタジアムへ向かう。
準備をしていざ出発。

お昼の道は昨日までの2日間とは違い、全く渋滞無し。
昨日と同じルートでスタジアムへ入り、バンから荷物をガンガン下ろす。
昨日の関係者さんとマッチマネージャーに挨拶して昨日のお礼を再度伝える。
2人とも今日はウェールズの番だね、頑張ってと言ってくれた。
ロッカールームのデコレーションも最初に比べると早くなった。
僕は自分の仕事以外も手伝うようになっていた。
アシュビーのスペシャルドリンク作りを手伝いながら今日の試合の事を聞いてみた
アシュビーは試合内容については何も言わなかったけど、今日の試合がウェールズにとって歴史に残る試合になって欲しい。
その為に俺達は何年も前から準備して来た。
勿論今日だけが全てじゃ無い、これまでも、これからも何も変わらない。
だから今日も俺達は今までと同じ朝飯を食って、同じスケジュールでここへ来て、同じ様に準備してるんだ。
期待はみんなしてるけど、ウェールズらしく戦えば結果はついてくるだろうと締めた。
そう彼らにとってはRWC2019ですら、大きなルーティンの1つなのだ。
RWCが終われば直ぐにバーバリアンズとのゲームもあるし2月には6ネーションズが始まる。
それでも4年に一回のワールドカップはやはり特別ではあると思う。

今回のジャージで特別なのはSHのガレス・デービス。
今日で50cap目と言う事でジャージの刺繍はシルバー仕様。
幸運な事に僕は今大会で2回特別なジャージを手掛けることが出来た。

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準備が整ったらチーム到着を待つのみ!
スタンドは南アフリカファンが少し多いかな?
でも色んなジャージを着た人で溢れてる。
さすがセミファイナル!ラグビーファンばっかり(笑)
ピッチでスタンドを見上げてるとチーム到着の連絡あり。
いよいよ決戦が始まる…

選手達がアップしてる間に友達ヒデに会いに行く。
彼は台湾で知り合った日本人、ラグビーなんて全く接点が無かったのに、台湾に出張で来る度に僕と遊んでいた事でラグビーを一度見ただけなのに、ワールドカップ開幕の日に職場付近のファンゾーンに立ち寄った事でラグビーファンに魅了されこのワールドカップは20試合以上をTVと生観戦している(笑)
にわかファンという言葉が流行ったけど、彼は毎回試合の度に事前勉強するので、僕以上に選手の名前を知っている(笑)
この前も昼間にお茶した時もゲーム展開を選手の名前もいれて解説していて本当ビックリした。
ヒデの様に今回のワールドカップでラグビーにハマった人も多く居るだろう。
僕が好きなスポーツのラグビーを少しでも多くの人が知ってくれて本当嬉しい。

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そして今大会中に会おうと言い続けてたバクさんにもようやく会えた(笑)
最薄で有名になったのに今日は普通にジャージ着てた(笑)
彼が友達且つチームメイトだと言うとウェールズチームはみんな驚いてた。

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再会を楽しみ、戻ってくるといよいよ始まる!
拍子木の音が会場の注目を一点に集め、和太鼓の音が心拍音の様に鳴り響き両チームの入場。
そしてまずは南アのナショナルアンセム、そしてウェールズ。
アレックと肩を組みベンチ横で大声で歌う。
いつもより声は大きかったと思う。
そしていよいよカウントダウンが始まりKO!

ハイライトはこちら

▪️どちらもエリアを取るキック中心の出足でお互い様子を見る
▪️14分、ポラードのPGで南アが先制
▪️17分、ダンビカーのPGで同点
▪️20分、ポラードがPGを決め勝ち越し
▪️34分、再びポラードのPGが決まる
▪️38分、ジョージノースがハムストリングを痛め交代
▪️39分、ダンビカーがPGを決め、6 - 9 でハーフタイム
▪️45分、ダンビカーがPGを決め同点
▪️56分、ダミアンデアレンデがスルスルとギャップを突き本日初トライ、CGも決まる
▪️64分、21フェーズ重ねた攻撃からPKでスクラムを獲得するとブラインドを攻めジョシュのトライ、ハーフペニーが難しい角度の大事なCGを決め同点
▪️75分、ポラードがPGを決め3点差
そのまま南アが守り切り 16 - 19 でノーサイド

ほんの少しの差だった。
たった3点差。
与えたPKの位置が少しでも違ったら結果も違ってただろう。
でも負けは負け。
ノンプレーヤー席も静まり返っている…

ピッチに降りてフィールドから帰ってくる選手達を出迎える。
初めての負け試合。やはり雰囲気は今までとは大違い。
握手はするし声も掛け合う、笑顔だけど心の底から笑っていない…
ロッカールームに戻ってもその雰囲気はそのまま。
ロッカーに座り、地面を見つめ動かない選手が多い。
選手達にどう声をかけたら良いのかわからなかった。
やっぱり、勝ちたかったな…
気付いたら泣いていた…
泣くつもり無かったのに、知らない内に涙が頬を伝ってた。
拭っても拭ってもどんどん出てくる。
誰にも見られたく無かったけど仕事がある。
見られないように、ただひたすら下を向きながら作業に没頭した…
廊下で道具を運んでいる時にアランに呼ばれた。
はい。と返事をしてアランに顔を向けた。
アランは僕の目を見つめ何も言わずにハグをして来た。
しかも恐ろしい程の強さで。
5秒ほどし、ハグしたまま
「負けてしまったけど、まだもう1試合ある。
俺の最後のチーム目標は達成出来なかったけど、有終の花道はまだ続くんだ、最後までしっかり俺達と一緒に戦ってくれ」と言った。
ハッとした。確かに負けてしまったけど、大会はまだ終わっていない。
その一言で僕はこのチームの一員だったから優勝を夢見て、負けて泣いて、アランにそう言われて気持ちを切り替える事が出来た。

道具を全てバンに積み、ロッカールームの掃除をして、最後の忘れ物チェックをしにロッカールームに入った時、選手が1人バスルームの鏡の前に立っている。
ジョナサン・デービスだった。
一目で泣いているのがわかった…
ワールドカップもチームにとっては大きなルーティンの一つ。
でも選手にとっては最高でも4回しか経験出来ない。
そんな大会で母国の記録を更新するチャンスだったこの試合、負けて悔しく無いはずがない…
僕はそのまま部屋を出た、声なんて掛けれるはずが無かった…
ロビンがまだ選手は居るか?と聞いて来たのでフォキシーが1人残ってます。とだけ答えた。
スタジアム出口付近の通路で待ってると、ロビンに肩を抱かれながら号泣してるフォキシーが出てきた。
たぶん彼にとって人生での大一番だったんだろうな。

それからホテルに帰るまで正直記憶がない。
いや、ホテルに帰ってからも。
その日、その後どうしたのか全く覚えてない。
きっとショック過ぎたんだろう。
ただ携帯に残ってる、チームがホテルに到着した時のムービーの事だけはハッキリ覚えてる。
負けて暗い雰囲気の選手達を、家族や友人達が沢山の拍手で迎え、口々に素晴らしく試合だったと賛美していた。
特に印象的なのはジェイクとケンの子供達。
今日もカッコ良かったよ!好き!と言ってハグをする。
これで彼らも気持ちを切り替える事が出来たんじゃないかな?
この光景を見てホッコリしたのだけを覚えている。

続く

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Diolch
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ラグビーワールドカップ🏉日本大会でウェールズチームのアシスタントリエゾンとして期間中チームに帯同。 このnoteではRugbyに関するハックや、RWC2019でTVや新聞などでは伝えられなかった 僕しかわからない大会中の出来事などを綴りたいと思います。

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