第一稿 : 練習について。

まず、練習についての考え方、取り組み方について書いておきたいと思います。いくつかあるのですが、まず最初に言っておきたい事は、

長時間の練習が無意味である事を説明出来ない人が沢山いて、これは危険な状況だと感じています。

そもそも長時間の練習が出来ている、もしくは成立しているという事は、それに耐久出来る体力的に楽な練習をしているという事の裏返しであり、つまり質の高い練習が出来ていない事である事実を誰も議論しようとせず、通例化し、美徳化している事です。これをまず、経験則だろうが何だろうが、頭の中から消してこの問い掛けを聞いて下さい。

これは集中し、試合の為にやってると言える練習でしょうか?

最近、色んなトレーナーさんと話す機会が増え、一般的に思われている短時間だから楽な練習だという認識は大きな間違いであるように感じています。
本来、そんな長い時間人間は集中出来ないですし(15分を過ぎると低下していくとも言われていますね)、何より体力が継続出来る筈がないんです。 2時間程度が限界でしょう。
また試合の中でその練習をしていて全て出し切れるかという問題にもなります。


なので個人的に、チーム全体での練習、戦術練習などは、ある程度疲労した状態でスタートする事が理想的なのではないのか、と考えています。
短時間で内容の濃い練習をする事が目的なので、ウエイトトレーニングなどは、練習前にやっておくとより良いのではないかと思いますし、また練習後に15分間でいいので、ピラミッドランをするだけでもスタミナに関してだいぶ変化があるのではないかと考えています。

ピラミッドランに関しての内容説明をしますと、

ダッシュ(1分) → ジョグ(1分) → ダッシュ(2分) → ジョグ(1分) → ダッシュ(3分) → ジョグ(1分) → ダッシュ(1分) → ジョグ(2分) → ダッシュ(1分)

これだけの練習です。他にもタバタ式と言われるものなど、短時間で高負荷を掛けるトレーニングは、ラグビーと言う競技の特性上必要だと思っていますし、そして同時に、ラグビーはプレーが途切れる時間が長い。
その為、リカバリー能力を高める事が非常に重要になってきます。日本語で言えば回復力ですね。ピラミッドランなどで心肺機能を高める練習はもちろんですが、より重要になってくるのは、ジョグの60秒間でいかに体力を回復出来る体を作れるのかどうかという事です。さらに付け加えるならば、その間にサイン交換などのコミュニケーションを取らなければならないのがラグビーというスポーツでもあります。なのでジョグの間にその訓練も取り入れてみるのも面白いかも知れません。

そして、また多くのチームの練習の順番が、小さい範囲から大きな範囲へと進めていくのを良く見かけますが、実は逆から進めてく方が効果的な場合もある事も知っておいて欲しいです。
大きな枠組みの中でトレーニングした後、細かくフォーカスしてコーチングする事により、理解が深まるパターンもありえるからです。細かい練習を積み重ね、反復するのみで、大きなビジョン、目標が見えていない、もしくは持っていないのは、木だけを見て森を見ていないからです。
もちろんディテールに拘る事は、非常に重要です。ですが、全体的なビジョン、目標がチーム内で共有できているか、達成する為に今、しっかりと取り組めているのかを、もう一度確認する事が大事ではないかと思います。

例えが難しくなるかも知れませんが、織田信長は長篠の戦いで三弾撃ちという戦法を使いました。一般的には銃を扱う時は、まず操作方法を学び、そして狙撃という流れで練習をするかも知れませんが、ラグビーの場合は、プライオリティとして陣形、並びから練習に入り、操作、狙撃と言う銃の扱いは後から練習した方が上手くいく時があります。
どういう事かと言うと、キックを使った練習などはまさにそれに当てはまるからです。
まず、蹴りたい位置を決めて、蹴る練習から始めがちですが、それは違います。まず、プレイヤー全員で理想的な位置に落ちた時を考えながらプレスを掛けます。当然、最初はキックの精度が低く、ミスが増えるでしょう。しかし、それによって当然様々な修正点が出てきますので、改善策が生まれてくるようになります。つまり、

追う側もまたキッカーなのです。

最低限、この辺りのエリアにボール蹴ってくれれば、こういう形になる、ならばこのプレーの選択が出来るといった明確な思考の元、判断が見違えるように早くなってきます。もちろんそこに至るまでに、細かくフォーカスし、分解して説明していく事も必須ですが、先にビジョンを見せてあげる、しっかりとした目的、プランを持ちプレーを選択するように指導していく。
これを案外、忘れてる方が意外と多い様に感じます。

練習について、特に時間に関しては上手く調整できない問題もあるでしょう。中学生、高校生はグランドの使用時間も決まっているでしょうから、昼食前に、ウエイトトレーニングを行ってみるなど、限られた時間の中を如何にして有効活用していくかを考えるのもまた良き練習を行う為の要素だと思っています。
出来る練習は幾らでもあると思うので、まずは大きなビジョン、目標を決めて欲しいと思いますし、そこから逆算し、練習を積み重ねていった方が、意欲が湧き易いですし、より効果的に取り組めるのではないか、と考えています。
さらに付け加えるなら、チャレンジ精神。練習だからミスしてもいいんです。試合本番で上手くやる為に練習をやる訳ですから、何も恐れる必要などないのです。

パス練習などで、同じポジションばかりに入ってしまいませんか?

それでは絶対上達しません。様々なポジションに入り、どんどんとプレーの選択肢、幅を広げていきましょう。それが未来に繋がってくると思いますし、逆に、つまらないと思いがちな基礎練習の一つひとつが、大きなビジョンに繋がっている事を意識して練習すれば、メンタル的にも変わってくると思います。

その為には、頭の中でのラグビーも大事になってきます。将棋の棋譜並べや、感想戦などに近いものが出来れば、より理解が深まっていくのではないかと考えているので、そんな時に役に立つようなnoteになるような内容も書いていければと思います。

次回は、今日何度も書いている大きなビジョン、目標を持つ為に参考となるような、ラグビーとは?の部分を書いていこうと思っています。またどうかよろしくお願い致します。

著者 : DT
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編集者 : ダーマス(ラグビーシロウト)
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