航跡

夢見た景色。

現実の景色。


二つの景色が交差して生まれる景色が、どんな景色か。


時間が経てば経つほど積層していく夢と、

時間とは関係なくいつかは訪れる現実と。


そもそもその時が来るかも分からないし、来たとして夢が叶うとも限らない。

その時自分がどうなってしまうのかもわからないまま、歩いてきた。


報われるかどうかじゃなくて、自分のために信じて歩いてきた。


手にした現実は、夢見た景色と全く同じ景色で。

まるで最初からそうだったかのように、いつも通りに。


願い続けてきたはずの夢なのに、嘘みたいで。

自分の思い通りにはならない、都合のいい世界なんて存在しないって。


それを偶然と捉えるか運命と捉えるか、わからないけれど。


そのために出会ったのかもしれない。

そのために苦しんできたのかもしれない。


でも、その苦しい時間を共に歩いて、支えてくれた声が、

今も隣で自分を支えてくれているから。


これが運命。


胸を張って言えます。

私は浅利七海の担当プロデューサーです。


これまでも、これからも、ずっと。

進み続けていきます。


この旅路は奇跡ではなく軌跡。

ここまでは歩いてきた。

やっと、やっと辿り着いた。

今こそ船出の時。

私と七海の航跡を、この広い広い海に。


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