2023年中山記念の回顧
1 全体の総評
ハナを切ったのは武豊騎乗のドーブネ。前半1000mは60秒と比較的スローの展開になる。
前半600mは36秒4、そこから11.8−11.8−11.7−11.6−11.4と絶妙なペース配分で後続に脚を使わせたドーブネの逃げにより、追いかける形の馬はあと一歩のところ止まってしまい後方から末脚を繰り出した外枠2頭の追い比べとなる。
最後はヒシイグアスがラーグルフの追撃を振り切り優勝。
最後の最後まで頑張ったドーブネは3着を死守。
このレースで光ったのはドーブネの走りだ。
2 ヒシイグアスについて
終わってみれば前走宝塚記念においてタイトルホルダーに0.3秒差に迫る競馬をしたヒシイグアスが優勝経験のある中山記念で実力どおり勝ち切った形になった。
ただ今年の中山記念と一昨年優勝した中山記念は全く違うレース展開。
一昨年の中山記念はバビットが1000m57秒8の今年より2秒2速いペースで逃げる展開を4番手追走したヒシイグアスが上がり34秒2の末脚を繰り出しての優勝だった(勝ちタイム1分44秒9は今年の1分47秒1よりちょうど1000m通過タイムと同じく2秒2速い)。
ここから見えてくるのはヒシイグアスはペースに関わらず安定した上がりをマークできるタイプで瞬発力勝負より持続力勝負に優れているのではないか、ということ。
今回はドーブネが追いかけてくる馬に脚を使わせる逃げを打ったので何とか差し切ることができたが、純粋な上がりの競馬になっていたら、どうだったか。
これは2着のラーグルフにも言えそう。