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BMOLegacy TOP4 赤単プリズン採用・不採用カード解説

◆はじめに

お疲れ様です。ルーデンです。
第12回BigMagicOpenLegacyでTOP4に入賞することができたので、せっかくなら記事でも書くかと思いましたが、赤単プリズンというデッキは古来から存在しており、解説記事も多く出ています。
なので今回は自分が今回赤単プリズンを使うにあたって、一般的なリストから変更した(と自分が勝手に思っている)部分を簡単に解説していくことにします。

◆デッキリスト比較

今回自分で使ったリスト
おそらく一般的なリスト

この2つのリストを基準に説明していきます。

◆採用カード編


《混沌の洞窟の冒険者》

統率者レジェンズ2からの新顔。
4マナと少々重いですが、イニシアチブ能力で「鍛冶場」→「罠だ!」と進むことで7点+5点+7点=19点ものクロックを戦場に出てから僅か2ターンで相手に与えることができます。これは1マナ軽い《ゴブリンの熟練先導者》の1点+6点+8点+10点=25点クロックには及ばないものの、初期ライフ20点を削るには十分な量であり、トランプルを持っているためチャンプブロックを許さず、イニシアチブと自身の衝動的ドロー効果によって長期戦にも強い、と至れり尽くせりです。
とはいえ4マナという重さは、3マナまでは用意できるがその後のマナ供給に不安がある赤単プリズンというデッキにとっては無視できないデメリットであるため、アドバンテージ獲得能力に優れていてクロックが大きい、具体的に言うと《再誕の刃、ラエリア》みたいなカードがもう1種類出てきたら《混沌の洞窟の冒険者》はお役御免となる可能性はあると感じています。

《再誕の刃、ラエリア》の4枚採用

《再誕の刃、ラエリア》は、サイズ、マナコスト、アドバンテージ獲得能力とどれをとっても文句のないカードであり、マナ加速から1ターン目に出したいクロックとしての性能は現状№1です。それなのに採用枚数は伝説のクリーチャーだからと3枚に抑えられています。
しかしちょっと待ってください。伝説のカードは被った時弱い、というのはよく言われていることですし大抵の場合事実でしょう。ですが《血染めの月》、《虚空の盃》といった被った時に使いづらい置物は4枚採用されるのが常です。これはなぜかというと早期に定着すればそれだけで勝ちうるカードだからです。《再誕の刃、ラエリア》も同じように定着すればそのクロックとアドバンテージ供給によりゲームの勝利をぐっと引き寄せます。
しかも《再誕の刃、ラエリア》はクリーチャーなのでアーティファクトやエンチャントといった置物よりはるかに除去される可能性が高く、そうなったときに被っていた分が役立ちます。一応《金属モックス》や《激情》のコストにもできますしね。
それなら《再誕の刃、ラエリア》を4枚採用し、安定して戦場に繰り出すことができるようにしておくことに大きなデメリットはないと感じたので、《再誕の刃、ラエリア》を4枚採用しました。

《三なる宝球》のメイン採用

サイドに採用されていることの多い《三なる宝球》ですが、まず《三なる宝球》が効かない相手=3マナ以上のカードによるフェアな戦いが想定されます。
今の環境でそういう戦いの時に赤単プリズンにとって癌になるのは《濁浪の執政》や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》といったカード…サイズの割に墓地リソースを消費することで実質的なマナコストが軽いカードが主でしょうか。
それなら《未認可霊柩車》で墓地対策を、というのも確かに有効でしょうが、そもそも軽いカードを連打することを妨害すれば墓地が貯まらず実質的に対策になっているという見方もできます。それなら《三なる宝球》を設置して窮屈な相手に3マナ以上のカードでクロックをかけていくという戦略はフェアなゲームでも有効です。
そしてご存じの通り《三なる宝球》はコンボデッキに対して無類の強さを誇ります。
それならメインに《三なる宝球》を採用するのは理にかなっていると思ったので、サイドからメインに移しました。
ただ赤いカードではないので、《再誕の刃、ラエリア》の項で説明した《激情》や《金属モックス》のコストにすることで被った分を有効に消費する手段に欠けることや枠の問題から2枚の採用にとどめました。

◆不採用カード編


《ゴブリンの熟練先導者》

赤単プリズンというデッキの顔といっても過言ではないくらい多くのリストで採用されてきたカードですが、ここにきて時代遅れ感が出てきました。
確かにクロックの跳ね上がり方こそ驚異的ですが、それはあくまで妨害がなかった時の話。除去は勿論、生成されるゴブリントークンを止められるクリーチャーが出てきただけでクロックの伸び率は大きく減少します。
軽いところだけでも《帳簿裂き》、《スレイベンの守護者、サリア》、《石鍛冶の神秘家》、《濁浪の執政》、《湖に潜むもの、エムリー》…枚挙に暇がありません。
兎角相手の体制が整う前にしか強くなく、不利場を跳ね返す力もほとんどありません。
その結果《再誕の刃、ラエリア》や《鏡割りの寓話》、《エインジーの荒廃者》といった単体で序盤から終盤まで強力なカード群に枠を譲ることになりました。自分の中ではおそらく2度と使うことはないと思っています。

《砕骨の巨人》

《虚空の盃》に引っかからない除去であり本体の4/3というサイズも優秀…という触れ込みですが、2点ダメージでは赤単プリズンが苦手とする《帳簿裂き》、《濁浪の執政》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》に対して無力で、4/3というサイズも上記のカード群に対して心もとなく、コンボデッキに対しても5ターンクロックとレガシーではそこまで早いわけでもなく、追加のマナやカードも供給してくれません。
《激情》という小型クリーチャーに対して非常に強力な戦力が現れたこと、アピールポイントであった《真の名の宿敵》を乗り越えられる点も《真の名の宿敵》の採用枚数の減少により失い、見かけの便利さでなんとなく入っているカードという印象が拭えなかったので不採用としました。
デス&タックスに対しては《石鍛冶の神秘家》を対処でき、軽いわりに大半のクロックと殴り合うことが可能な点で優秀であるため、デス&タックスが大きく勢力を拡大した場合は採用の余地があります。

◆終わりに

今回の記事は以上となります。
赤単プリズンに限らず、どのフォーマットでもあまり大衆的にプレイされないデッキは慣習によって採用カードが決められている節があり、まだまだ未開の鉱脈がたくさんあると思います。
正しい、正しくないに関わらず様々なカード、採用枚数、戦略を試すことは大きな価値があると思うので、ぜひ皆さんもチャレンジすることを恐れないでデッキを構築してみましょう(同時に客観的に評価を下し、その評価を刷新するのも大事ですよ!)。
大変短い記事ではありましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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