語りたいオタクの語れない話

この記事は「富士葵ちゃんと振り返る Advent Calendar 2021」に寄稿したものです。皆さんの記事はこちら

こんにちは。ルースです。いつもお世話になっております。

アドカレ、今まで皆さんの記事がすごくてとても手を出せなかったんですけど、今年はちょっと書きたいことがあったのでよろしくお願いします。

なんでだっけ

先日、小規模な「同窓会」があった。そこでの話である。
もう10年の付き合いになるSくんに、ふとこんなことを聞かれた。

「なぜ星の数ほどいるVのなかで富士葵さんを?」

私にとってその質問に答えるのは容易かった。デビューしてすぐの思い出。クラウドファンディングを経て「羽化」していった推しの姿。初めての生放送、初めてのリアルイベント、初めてのライブ。連れて行ってもらったたくさんの場所。そこで出会ったたくさんの仲間たち。ずっと成長と飛躍を見せてくれた「推し」と、その姿を見て少しずつ前向きになっていった自分。推しの「これまで」と自分の「これまで」をどこか重ね合わせて、一晩中でも話せる気がした。

ジョッキに残っていた少量のスーパードライを飲み干し、わざと音がするように机に戻す。まずは出会いからだろうか。なんでもないやはよかった。そんな話をしようとして、ふと、自分を見つめ直した。

オタクとオタクを語るのは楽しい。同じモノにハマっているオタクと、出会いやこれまでを振り返るのは楽しい。時には「分かり手」になり、時には戯れに相手を「素人」呼ばわりしてみたり。いつかしたエコーチェンバー診断で上位4%の数字を出したTwitterアカウントをもった私にとって、「推し」について話す語り口は、もはや「そういう語り口」でしかなかったのだ。
私はその「同窓会」の場にいる誰よりも熱心に推し活をしていたつもりだった。しかし、彼らが推しを語るように饒舌には語れなかった。悔しかった。私は「富士葵」を知っているようで、何も知らない。そんなことを叩きつけられている気がした。

語りたかった。いや、ちゃんと布教したかった。

たとえば「歌」が好きで

「歌が好きなんだ」とは、辛うじて言えたかもしれない。一般的にも、「富士葵は歌がすごい」というのはよく言われていることである。今のようにバーチャル・シンガーなんて概念がほとんどなかった(と記憶している)2017年12月、その先駆けとしてとてつもない存在感を見せつけたのが「なんでもないや」だ。翌年2018年11月には「はじまりの音」でメジャーデビューを果たし、その実力をもって「バーチャル」に無限の可能性を示したのが私の最愛の推し、「富士葵」だ。

以上がオタク(一人称単数)の認識である。

これをそのまま話しても、というところだと思う。昔はいなかったとか、3年前のメジャーデビューの頃の思い出というのは、現在布教したい目の前の相手にとって重要な情報ではないのが現実なのだ。

そう考えると、歌を勧めるというのはなかなかに難しいものがある。相手の好みもあるし、そもそも普段どんな曲を聞くのかもわからない。オリジナル曲でなくカバー動画から・・・とするにしても、単に相手が好きな曲のカバーを聞かせても「原曲でいい」となりかねないし、正直とても、入りにくいところである。

では、私に「布教」はできないのか。否。可能である。

すなわち、歌がいいということを相手に「伝える」方法の正解はこうだ。

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貸せばいい。渡せばいい。あげてしまってもいい。

場合によっては歌劇団を一人増やすことができ、お金は推しに入る。こんなに良いお金の使い所はないだろう。

あげてしまってもいいと思えるくらいに、布教用に多めに買っておくことだ。私はシンビジウムはサシトークのこともあって5枚買ったが、手元にはちゃんと1枚しか残っていない。

有機的パレットシンドロームはシンビジウム以前の曲が「君のミライ」以降すべて入っているし、カバー曲も「声~Cover ch~」の収録曲を収載しているため歌を紹介するにはもってこいだと思う。

家にあるのはそのまま大切にするとして、布教用は常に持ち運ぶというのが今回の私の教訓だ

「生放送」が好きで

私は #葵の生放送 が好きだ。毎回リアタイ出来ているかといわれればそうではないかもしれない。それでもアーカイブは見るようにしているし、火曜日はなるべく残業はしないようにしている。

きゅうりを切っている推しが好きだ。料理を作っている推しが好きだ。ウクレレを弾いている推しが好きだ。ではどれが一番好きで、どれを人に勧めたいか。やはり、どうにもうまく語ることが出来ない。どれも好きだといえばそうだ。でも私には、それを語ることが出来ない。

でも例えば、1時間以上の生放送を1分程度で見せられたら。面白いシーンを"切り抜いた"ものを見せられたら。「こんな生放送してるよ」という話に話を繋げやすいかもしれない。実際のところ、生放送をメインで行っているVの方を多くの方は切り抜きで認知している、そんな気もしている。

切り抜きがあれば。いや、それを私自身が作っていたら。

「この切り抜き動画僕が作ったんだけど見てよ」

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口下手な「語れない」私でも、こんなやり方なら、人に推しの魅力を伝えられるかもしれない。

実際こんなやり方で推しを紹介したことがある。臆病だし、頭も悪い。そんな私ができた、私なりの「布教」だ。

コンスタントに作り続けていれば、Sくんと話していてもすぐにこういうことが思いついたかもしれない。来年は、来年こそは切り抜き動画をいっぱい作ろう。

そんな事も思った。

語れないなりに

語ることが出来なくても、「布教」には色んな手段がある。

友だちをライブに連れて行ったこともあった。ファンブックは4冊買った。レコチョクにある「うたギフト」という機能をみつけ、シンビジウムのアルバムをTwitterで繋がった別界隈の友だちに送ったりもした。

「めっちゃいいから!なんならチャンネル登録だけでも!」と後輩に登録させてこともあった。

確かにTwitterやコメント欄で彼らの名前を見ることはない。

しかし私をきっかけに葵ちゃんを知ってくれて、気が向いたときに動画を見てくれたり、生放送を見てくれたり、少しでも「好き」と思ってくれたり、なんならチャンネル登録だけでもしてくれたり。それだけで、私にとっては願ってもないことだ。

親しいフォロワーが、「好きと思ってくれたらもう歌劇団」ということを話してくれたことがあった。

私は口下手だし、うまく語れない。音楽は詳しくないし、声のことなんかもわからない。最近の流行りもわからないし、Vの情勢にも詳しくない。技術のこともわからない。そんな私が少しでも、私のやり方で、少しでも「歌劇団」を増やせたら。そんなことを夢見てしまうのは、高望みだろうか。

来年はもっと、リアルで葵ちゃんのことを話せたらいいな。
















とは思うも。

正直、めちゃくちゃに愛を語りたい。沼に引き摺り込みたい。なんならそいつがTwitterとか始めてほしい。Twitterでリプライとかしたい。

歌劇団のリア友とか欲しい。私に勧められてチャンネル登録したくせに私より限生でコメント読まれてる友だちとかみて嫉妬とかしたい。

語りたい。語りたい。語りたい…。誰か沼に引き摺り込んだエピソードとかあれば聞かせてもらえませんか…。DMは開放していますので。

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