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Voice Link MIX解説

かりを

8月24日、声優楽曲DJイベント「Voice Link」に出演させて頂きました。
48名もの参加者が集まった公募企画で大変ありがたいことに選出して頂き、イベント自体も盛り上がって、最高の思い出と経験になりました。
改めて、本当にありがとうございました。

本番のDJについてやイベントに関して自分が考えていたことなど、色々と書き留めておきたいことが出てきたのでnoteにでも残しておこうと思いました。

では、早速解説に入ります。
いつも基本方針とやりたいことから考えます。

基本方針

「Voice Link」というイベントは今回が初開催で、過去のセトリやイベントの雰囲気といったヒントがありません。公募に寄せられたMIXの選曲群、主催と集まった出演者が手がかりでした。
あとは出演者繋がりで来場するお客さんについてや、他のイベントに参加していた人から集めた情報を元に予想し、現場的なノリの良さと音圧強めな楽曲が一番ウケると考えていました。

しかし、自分の得意なやり方ではないし「Juke Vox」に出演させてもらった経験も買ってもらっているような気がしていたので、基本は今まで通りにやりつつ、盛り上がりそうなラインも突いていくことにしました。タイアップなどのわかりやすい選曲も心がけてます。

つまり、基本方針は「全部やる」です。


参考に引用しますが、公募で通ったもう一人、とうふくんのツイート。

実は似たようなことを考えていました。

声優楽曲イベントには「現場のファンに近い雰囲気で思い出や興奮を喚起させる」という面と「声優楽曲ならではの音楽性や特定の側面にスポットを当てる」という面があり、それらの楽しみ方のバランスでイベントの色が決まってくるような気がしていました。
個人的には、自分はあまり現場に足を運ばない人間なので後者寄りな気がしますが、相反する要素ではないので両方できる方もいるんじゃないかと思います。

今回の Voice Link はどうだったかというと、絶妙なバランスでした。
どちら側の出演者もいて、「Voice Link」の名に違わない、面白い繋がりができるイベントになっていたんじゃないかと思います。(えらそう)

やりたいこと

優先順位で並べると、

・SUMMER VACATION / 藤村鼓乃美 をかける
・テンポ変えながらのロングミックス
・Re:ステージ！の曲をかける

冬にも使ったんですが、夏にDJする機会があれば絶対かけたいと思っていた、SUMMER VACATION です。(元は取りたい…)
Re:ステージ！のキャラソンも、前情報でイベントに間に合うとわかった段階で研究を始めていました。
テンポチェンジについては後々詳しく。様々なジャンルの曲をかける為、使えるギミックは出来るだけ詰め込みました。

MIX解説

具体的な解説に入っていきます。
再現MIXを録ったので、聴きながら読んでもらえると嬉しいです。

1. トップランナー / 入野自由

前提として、私は転換がほとんど出来ません。
MIX録り屋さんであってDJではないので、そういう準備と訓練をしていないんですね。(できるようになりたいとは思ってます)

そこで、無音の状態から流す説得力のある曲として、入野自由さんのトップランナーを最初に据えました。トラックの頭からテープの音、呼吸音、そして曲に入っていくので最適です。なにより、最高に良い曲。

2. アンビバレンス / 水樹奈々
3. 土曜のルール / 伊藤美来

最初の3曲はハーモナイズで、R&Bやジャジーなアレンジの曲をナチュラルに繋ぎ、頭からブラスが入って盛り上がる土曜のルールへ。
前の2曲はここから逆算しました。

1番の “Please don't touch my heart” から2番に飛ばし、サビをおあずけするEditを用意しました。間奏で自己紹介のMCをするつもりでしたが、忘れてましたね。

4. アカトキ / 楠木ともり
5. 空言の海 〜咲子edition〜 / 春日咲子 (山口愛)

ハネるリズムは残しつつ、ギターメインのサウンドにするためアカトキへ。
先月のライブで発売された新譜で、一番気に入った曲でした。楠木ともりさん本人が作詞作曲しています。編曲が素晴らしいとはいえ、とんでもないですね。

続けてアコギのリフとピアノからシューゲイザーに展開する空言の海へ。
むなごとのうみ、です。
弾き語る女の子という文脈でした。

6. 祝福 / 早見沙織

空言の海 → 祝福 の繋ぎは、最近よく遊んでくれるぽこくんの “summer_mellow” というMIXから貰ったものでした。
全体を通して夏らしいウェット感に包まれ、メロウなグルーヴに吸い込まれるナイスなポップスMIXです。

中でもこの繋ぎはBPMを92から80まで落としつつ、不協和音で不穏さと神聖さを醸し出すのが衝撃的で、ハーモナイズとニアテンポのミックスに拘っていた自分にとってはブレイクスルーでした。
Voice Link の公募も含めて、あまりにもMIXが良すぎてMOGRAで初めて会ったときに一生その話をしてしまったんですよね。

空言の海、元のMIXでは原曲を使っているのですが (そっちの方が本当は良い)、今回使ったのは山口愛さんが歌うショートバージョンで、アウトロが短いため、イントロのリフが最後にもう一度流れるEditを用意しました。

7. Visionary / 熊谷絵里 (瀬戸麻沙美)

Visionary にハイパスとリバーブかけつつ、BPM80から128 (64解釈) に落としながらロングミックスしています。祝福もリバーブかけつつローから切っていきます。

祝福のシューゲイザーらしく深く歪んだギターの音をノイズと捉え、Visionaryのエレクトロニカのようなイントロに溶け込ませるイメージでMIXしました。
ここは前述した繋ぎに対する自分なりのアンサーみたいなつもりです。

8. ラズベリー・パーク / 山崎エリイ

トラップビートのキックが鳴る Visionary のアウトロに、妙にリズムの合うピアノで入ってくるラズベリー・パーク。ブレイクコアの要素もあったりする曲で、繰り返し使われているリフだからだと思います。多分。
ハーモナイズも出来ていてとても親和性が高く、実は Juke Vox の時からセカンドプランとして温めていました。

この曲のサビにはシューゲイザーの要素もあり、前の2曲両方の雰囲気を受けているような感じです。

9. 2:00 a.m. / 豊永利行

前の繋ぎと同じようにビートを意識しながらの選曲です。2stepの要素がある曲なのでこれも親和性が高いですね。
豊永利行さんを聴くようになったのはここ最近なんですが、本当に表現力豊かなボーカルに魅了されてしまいました。この曲が入っている「光へ」というアルバムはレンタルに出回っていないのですが、是非聴いてほしい名盤です。

この辺り、2step garageを膨らますプランもあって「スープにスパイス (スロウスタート)」「piece of cake (ミリオン)」などが候補になっていました。

10. 太陽と月 / 反ノ塚連勝 (細谷佳正) & 雪小路野ばら (日笠陽子)

ハーモナイズと近い曲調で繋ぎます。キックは変わってますね。
Visionary から 太陽と月 まではサビだけ4つ打ち、イントロやA, Bメロはトラップや2stepみたいな展開で踊らせつつスローダウンしつつ、やってきました。

11. Sync / RO-KYU-BU! starring 花澤香菜, 小倉唯
12. SUMMER VACATION / 藤村鼓乃美
13. サマ☆トリ ～Summer trip～ / 北上麗花 (平山笑美)
14. 夏を忘れたら / 茅原実里

そして、説明不要の「夏・4つ打ち・爆踊り」タイムです。
SUMMER VACATION を頂点に、残り2曲で若干落とすイメージでした。
夏を忘れたら だけ次の展開のために近似キーの曲を使ってません。
ハウスっぽい雰囲気になって4つ打ちに馴染むか飽きてきたところで…

15. idc / 南條愛乃

前曲のアウトロに、2番後の "I am no angel, so what?" からハーモナイズでMIXし、"Bad girl? idc!!" の口上でズバッと前曲カットアウト、そこから曲の頭に飛ぶという感じでEditを使用しました。
曲調もエレクトロロックな感じにガラッと変わります。

やってる人いそうなアイデアだけど、やってみたかったんですよね。
ここから現場受けしそうな展開を目指します。

16. シマエバイイ / 夏川椎菜

めちゃくちゃウケそうと思って、実際めちゃくちゃウケました。
ミューレ本当に人気でしたよね。

アウトロでコールがあるのを知らなくて普通にMIXしてしまったので、お客さんがコールするのを聴いて焦って次の曲を抑えたんですよね。
こういうこともあるんだなと思いました。再現MIXでは混ぜる場所変えてます。

17. アンチテーゼ・エスケイプ / 上坂すみれ

早い曲もやりたかったので、EDMの曲調でテンポを変えられるこの曲へ。
BPM133のイントロ〜Bメロから180のサビになり、そのまま最後のアウトロに飛んで帰ってこないEditを使いました。

私はマトリでchefobaさんがやってるのを見て知りました。

18. Pon De Beach (M@STER VERSION) / 我那覇響 (沼倉愛美)

インスト2番のドラムン地帯から始まり、 “挨拶はそうさ、ヤーマンアロハ！” から声が入って曲の頭に飛ぶ、というちょっとだけ凝ったEditを使いました。

アンチテーゼ・エスケイプのアウトロがドラムンベースなので、そこのビートを入れ替えるようにローを切ってMIXしています。
ガチャガチャしてしまったし最適解ではないと思っているので、もっと合う曲が見つかったらまた挑戦するかもしれません。

19. スイーツはとまらない♪ / 日向美ビタースイーツ♪ (日高里菜, 山口愛)
20. グッドラック ライラック / GATALIS (本渡楓, 千本木彩花, 東城日沙子)

Pon De Beach からはハーモナイズとトロピカルなアレンジで。
BPM190前後で渋谷系っぽいアレンジの繋ぎです。
スイーツはとまらない♪は200以上あるのですが、元々早回しみたいな曲なので違和感がほぼありません。
テンポ早いのでリバーブ使いつつもほぼカットインで。

21. エンジェルナンバー / 小松未可子

唯一、自分が現場で聴いたことのある曲です。
去年行った Personal Terminal のライブ、ビール片手にスナックつまんで階段の踊り場で踊り狂って見てたんですけど、本当に最高だった……。

曲に関してはスカっぽくてとにかく明るくて好きです。

22. PUPPY LOVE!! / ゆいかおり

私は結構やるのですが、私信です。
期待通り主催のCanaryくんがブース上がってきてくれて嬉しかったですね。

本当に楽しい曲！
次の曲の布石でもありました。

23. ガジェットはプリンセス / 柊かえ (立花芽恵夢)

同じキーで繋いでます。
ガジェプリは最初のボーカルが入った後、間奏32拍をループして PUPPY LOVE!! のセリフパートを重ねました。遊び心です。

結構長く応援しているコンテンツなので、改めてこんな良い曲を出されると感極まって泣いちゃいます。めちゃくちゃささくれサウンド。
他のキャラソンも凄いことになってるので是非流行ってほしい！

24. ヨナカジカル / たまきとゆみね (長縄まりあ, 前川涼子)

ガジェプリの怒涛のアウトロからヨナカジカルのドロップでズドンとハーフテンポへ。トラップの要素がある曲で繋ぎました。

本番はここまで。少しクールダウンして次のDJへパスという感じです。
ろーるすこーさんが花澤香菜さんのプールに繋いでいて、隣で馬鹿でかい声出ました。一番好きな曲です。

25. さよならアンドロメダ / 渋谷凛 (福原綾香), 森久保乃々 (高橋花林), 大和亜季 (村中知)

再現MIXではおまけとして最後に入れました。
ヨナカジカルの間奏半分から転調して合わせに行ってます。
最後切るとこでミスして録り直すことになって笑った。(泣いた)

以上です！
コツコツ書き溜めてたら長くなってしまいました。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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