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劇団鯱公演『真夏の祭典~宴UTAGE~』が真夏の夜の夢だった話

2024/8/24・25と大衆演劇 劇団鯱さんの公演に行ってきた!
6月に篠原演芸場に観に行ったBRATS版大江戸喧嘩花に劇団鯱の朝陽政次座長と兜獅子丸若座長、兜蛇々丸さんがご出演されていて気になってた劇団鯱さん。2日間めちゃくちゃ楽しかったー!!
例に漏れず記憶飛びがちだけど、自分の色々な備忘録
語彙力の無いオタクの叫びの記録です
※毎度の事ながらレポにはなってません!

⇓6月の篠原演芸場の時のお話はこちら⇓


■大衆演劇劇場 浅草木馬館

今回は東京にある主な大衆演劇の劇場の一つである「浅草木馬館」さんでの公演。名前の通り浅草にある劇場さん。各路線の浅草駅から徒歩10~15分程のところにある。
土地柄もあって何かこう日本の文化に触れてるって感じで良い

座席数は200席ほど
篠原演芸場はほとんどが座椅子席だったけど、木馬館は劇場でよくあるタイプの椅子席(幅は狭め。結構狭いので大きい荷物を持って座るのは難しい)
私が行った日は3公演とも大入りだったので、丸椅子での自由席(椅子の配置場所は決まってるけど空いていればどこに座ってもいい席)も出てた。

選べるタイミングでチケットを買うなら自由席普通にあり(ただしお尻の屈強さに自信があれば…笑)数を出さない時は前方壁側の席しか出てなかったから見たい距離感次第といったところ
あと篠原演芸場との違いは花道が無いことと、6列目からは通路挟んで段差がある。前5列はA~E列とアルファベット表記で6列目からはいろは表記になっていて、段差がつくからかいろは列は2階席と言われてた。

今回私はアルファベット席には座らなかったけど、非常に舞台と近く、また舞台がちょっと高めなので座った方からは首が痛いというお話も聞いたので、全体を観たい方はいろは列がおすすめかも。

劇場の入り口は1階券売機がある方ですぐに階段があり、客席内への入り口は2階にあります。
階段あがると左手に売店があり、おにぎりやお菓子・飲み物の他、DVDや木馬館さんのみで買える劇団さんのグッズ等を買うことができました。
売店の横で予約台帳のようなものが置いてありスタッフさんがいらっしゃり別日のチケットの予約もできるよう。
お芝居を観て、また観たいと思ったら幕間にすぐチケットが予約できるのはありがたい…!

座席以外は通路のみしかないという感じで、お手洗いも和式・洋式合わせて数個しかない為、人が並んでると他に場所は無いので待ち合わせ等は劇場外が良さそう

普段小さくても500~1300キャパくらいの会場に行く事が多いからこの近さもやっぱり魅力のひとつ
案内してくださるスタッフさん方も明るく活気があり、とても雰囲気がいい劇場でした!今後通わせていただきます…!

■チケット入手方法

通常チケットの場合は電話かLINEで予約する事ができる
まだ篠原演芸場と雷鳴座、木馬館しか劇場行ってないけど、LINE予約があるのは木馬館だけだったと思う
私は今回電話で予約。予約したい旨をお伝えすると、
・希望の公演日
・昼公演か夜公演か
・何人分の予約を取りたいか聞かれます。
その後空いている席を見ていただけて座席番号で予約するので初めての場合はWEBにある座席表を見ながら予約するとわかりやすいと思います◎
名前を伝えて座席番号を聞いたら完了
当日1階で予約した名前と座席番号を言い、お支払いしてチケットを受け取ります。

25日は特別公演だったので、ローチケでの事前販売があり段階を踏んで様々な方法で販売がありました。
・早乙女友貴さんFC先行抽選(ローチケ)
・ローチケ一般(先着)
・安田桃太郎さん先行抽選(通称桃チケ(と言うらしい):メール受付)
・劇場抽選(指定席/自由席)
・劇場販売(指定席/自由席)
・当日券(自由席)

ローチケはその他のチケットと流れは同じなので割愛
劇場抽選は抽選日時に劇場へ足を運んで整理券をもらい抽選するもの
自由席は劇場抽選から選べるようになってました。
抽選後座席がまだあれば当日まで劇場販売と当日券が出るという流れ

■当日の流れ

大衆演劇は三部構成(顔見せミニショー/お芝居/舞踊ショー)の場合が多いようなのですが、今回観た3公演はいずれもゲストが複数いらっしゃり、舞踊ショーを長めにとのことで全て二部構成になってました。舞踊ショー大好きだからありがたかった
一部がお芝居、口上・物販を含めた幕間の休憩時間があり二部舞踊ショーという流れ

 ▶お芝居【24日:金太初旅】

金太初旅は朱雀公演のものを見ていたのでストーリーは知ってたけど
役者さんが変わるとやっぱり雰囲気がかわるねーーー!
劇団さんまたぎでWキャストならぬ無限キャスト(無限キャストとは)とか沼すぎる…!!好きな外題とかできちゃったら大変なことになるよ(もう遅いかも)

金太役:恋瀬川翔炎さんと七之助役:朝陽政次座長という配役
とにかくアドリブの繰り出される量がすごいすごい…!
どれくらいすごいかというと40分ほどのお芝居が70分になるほどすごかった(笑)(時間は口上での獅子丸さん談)
ベテランお二人の息の合った怒涛の掛け合い
実際のお二人の関係は存じ上げないが、お芝居から見えるのも良かったし、関係性が土台にありつつお芝居の中で身内ネタにならずにしっかり笑いをおこすというのは喜劇のアドリブでは難しいところだと思っているのですごいなと!
途中金太からおなつへ演技指導が入った時はどうしようかと思った(笑)(どうもしない)演者さんがいきいきと楽しそうな喜劇って最高!
ちょっと今のご時世では(下ネタ的な意味で)コンプラスレスレでは?wというのもありましたが(私は嫌いではない)、めちゃくちゃ笑わせていただきました!

 

 ▶お芝居【25日昼:獅子丸版人生劇場/夜:桃太郎版人生劇場】

人生劇場は初めましての外題で事前情報入れずに行ったけど、めちゃめちゃ良かった…!

人生劇場は尾崎士郎の自伝的大河小説。愛知県幡豆郡横須賀村(現・西尾市吉良町)から上京し、早稲田大学に入学した青成瓢吉の青春とその後を描いた長編シリーズ。「愛慾篇」「残侠篇」「風雲篇」「離愁篇」「夢幻篇」「望郷篇」「蕩子篇」「新人生劇場 星河篇」「狂瀾編」が出版された。作品は自伝要素を混じえ創作されたが、「残侠篇」は完全な創作である。

Wikipediaより

大衆演劇で上演されるのは「飛車角」や「吉良常」が登場する仁侠ものの「残侠編」だそう。

主な配役
主人公 飛車角:獅子丸版▶兜獅子丸さん / 桃太郎版▶安田桃太郎さん
奈良平:朝陽政次座長
宮川:松川翔也さん
吉良常:早乙女友貴さん

※ここから長いです

始まりはこの物語の発端となる男女が殺されるシーンから
台詞無しで静かに始まる物語は視覚に集中させてその世界にぐっと観客を引き込む感じが好き、、、良いよね
そこに客席側から登場吉良常ゆっくん。初見えっっ地毛…!ってなった(そこ?)さらにグレーの着流しに黒のハットと黒の外套というビジュアル、最高すぎた
最初ストーリーテラーなの??って感じだったけど、これがラストのどんでん返しの既に布石のような脚本やばすぎませんか…?!
だって結局始まりから終わりまで立っているのが……さ。。
これ、よくよく考えたら衣装も一人だけ異質、、
他の人は着流しだけなのに吉良常だけ黒いハットと黒い外套
他の人生劇場の吉良常って衣装の構成一緒なんだろうか?
これも布石の表現だったらどうしよーーーーーひーーーーーー

一幕は角さんがおとよさんの元を離れる(刑務所に入る)までの経緯
角さんがカチコミ(表現合ってる…?)に行く支度をするシーン
舞台上で着替えるのめっっっっちゃ良かった!
照明暗めに落とされた中でおとよさんが帯を持ちながら緊張感のある空気
後に同じシーンがあるんだけど、二人の関係性の対比を見せる場面にもなっていて演出が最高だった
お二人とも色気すごかったなー……


一幕が終わり5年後設定になった二幕、ゆっくん全然出てくる気配がなかったから、あれ…?もしかしてまた冒頭だけ?(そんなわけない)と大江戸喧嘩花がよぎって油断してて、いきなり番傘さして出てきた瞬間リアルにびっくりしてひとりでビクッとなってたの多分隣の方と後ろの方にはバレてたと思う(恥)

角さんが出所してきたところを狙われてて、それを角さんに気付かれないよう無言で背後に立って無言で追いやる
この後パッと纏う空気を変えて角さんに親しげに話しかける(この男なんかあるぞ…感)ゆっくんのこの2面性のお芝居、この後の豹変後も含めて好きすぎるんだよなーーーー

角さんと常さんが2人で飲むシーンは獅子丸版と桃太郎版で空気感が違うのがまーーた良いよね!
初っ端からお酒(として飲むもの)を「常温の水」って言っちゃう獅子丸さんと自分で差し込んだアドリブでどこまで進めたかわからなくなったゆっくんに全てを説明してくれる桃さん
持ってこなきゃいけなかった小道具のたばこを忘れるゆっくん
繰り広げられる常温のお水(w)の飲ませ合い
全体的に重めのお話の中でちょっと一息つける明るさがあって、メタ的なエモさもあってそれも個人的には良かったな

この後の角さん一人のシーンさ、めーーーーーーっちゃ好き
獅子丸さん前回見た時みせ方が上手い方だなと思ったんだけど、台詞無しの表現から感じるものがすごく多い(が言葉にできるとは限らない)
角さんのここまでの年月と思いが、、、、
お友だちと話していて「人生感じた」ってまさにそう
桃さんからはすごくリアルを感じた。今、まさに、目の前にいる角さんの苦悩とかやるせなさとか複雑な心境をありありと感じて胸がギュッとなる
桃さんのこういうお芝居好き

余談だけど獅子丸版の角さん2回目のカチコミ(?)シーンで桃さんが若い衆に交じってたけど、全然子分感がなくてすごい見ちゃった(笑)滲み出る強者の風格
様々な場面で配役の違いで変わる空気がダブルキャストの醍醐味だよね

そして何といってもこの人生劇場の最高な部分はやっぱりラストシーンですよね!!!
後に知ったけど、人生劇場は上演する劇団などによってラストが変わるらしい(沼要素すぎる)
今回のはさぁ!まさかのさぁ!吉良常裏切り展開…!!

奈良平と飛車角の一騎打ちが終わって観客も一息ついたところでいきなり響く銃声とスッと姿を現す吉良常、もうここで頭抱えた

ここまで紳士然として姿勢よく綺麗な佇まいだった常さんが
表情も歩き方もガラッと変わって
こめかみに銃あてながら「ヤクザはここ(頭)使わねぇとな?」
ってアーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

角さん撃った後静かに雪が降る中で全てが自分の描いた通りになった男の笑い、、、最高すぎでは????
座り方もタバコの扱いも最後に返して見せた裏の顔全部が良すぎた
台詞が無くただただ吉良常の笑いだけのラストシーンが好きすぎてもう……

最初も最後も台詞が無い、とか色々な場面の演出が良かった
気づけば始まりから終わりまでそこに残っているのは吉良常だけってね、、

ありがとうございました!!!!
円盤化を!何卒!何卒!!よろしくお願いいたします!!!(たぶん無理)

人生劇場他の劇団のも観てみたい
けど吉良常味方エンドだと満足できない身体になってるかもしれない……


▶舞踊ショー

劇団鯱さん層が厚い…!!層が!層が…!!層が厚い!!!(ごく一部にしか伝わらないネタやめな)

以下個人舞踊。例に漏れず楽しすぎて記憶飛ばしてるから叫んでるだけだし全員分書ききれなかっ………たっ…………陳謝。
皆さん本当に素敵だったので是非現地で観て欲しい!

◇松川翔也さん
女形のお姿がどちゃくそかわいい…!!24日のおろし髪に赤いお着物も、25日の藤のお衣装もとっても素敵だったけど、25日夜の水色のドレス(で合ってる?)が一番ささった、、、
客席から「ほぅ……」って感嘆のため息がいっぱい聞こえた。本当に実際「ほぅ…」ってため息でた。表情としぐさがパーフェクトすぎた!
私女ですが勝てる要素ひとつも無いですわ

◇兜蛇々丸さん
個人舞踊初めて拝見したんだけど、剣舞すごすぎたー!
めちゃくちゃ目が釘付けになった!迫力ある動きとめちゃめちゃ繊細な手元
沸いた沸いた、めっちゃ沸いた!
そして6月に続き和太鼓が素敵だった!かっこいい!力持ち!

◇兜獅子丸さん
いや、めちゃくちゃ好きです。6月に初めて拝見したときも魅せ方が上手くて華がある方だなと思ったけど、観客をぐっと自分に惹き付けるのがとにかくうまい。表情の作り方も視線の使い方ももう本当に最高で…!立ち役はかっこいいのに女形になるとマジでかわいいマジで何事(真顔)
今回花魁が観たいよーと叫んでいたら、拝見できて感無量!ありがとうございました!

◇朝陽政次座長
本当に素敵だったー!あの、私の語彙力で伝わるかわからないんですが、踊りが本当に素敵。扇舞での扇がふわふわ自ら舞っているかのような軽やかな捌き。おかめ面での舞踊は楽し気で、手元・足元の動きや体幹や軸から研鑽が積み重ねられた技術がすごい。軽くやられているように見えることがめちゃくちゃハイクオリティなパフォーマンスってめっちゃめろい。

◇安田桃太郎さん
桃さんの個人舞踊がまた見れて本当に嬉しかった!棒舞本当にかっこいい…!!6月拝見した時よりさらに表情・視線やキレが増しましで!漢らしさに色気がーーーーー!桃さんが作る雰囲気というか空気感がとても好きです
2度あることは3度ある、ということでまた見れる機会があることを願って!

◇早乙女友貴さん
今回プチサプライズがあるとおっしゃっていたけど、全然プチじゃなかった!!!プチじゃ!!なかった!!!
新参者の私にとってみる事は叶わないと思ってたゆっくんの女形
幕が開いてお顔が見えた瞬間に息をのんだ。美し…………衝撃過ぎてもはやほぼ記憶飛んでる(ぇ)しかも夜お仕度変わってるの、、、
夢かと思う事だったけど、夢じゃなかったよ…!!
視線ゼロズレ位置の座席でしんじゃった……
夜の2曲目、黒の舟唄イントロドンで声でちゃった…6月の黒の舟唄がすごい好きだったから……昼夜共に女形お化粧の立ち役姿で牛若ちゃんとか天魔王を彷彿とさせる鬘にこれまた天魔王を彷彿とさせる半面、、、まって情報過多!!ほんまに!!(後で鬘マジで牛若ちゃんだったのわかってほんとに)
黒の舟唄からのMonsterは一瞬置いて行かれそうだった私
剣舞がーーーーーーーーーー!語彙力ーーーーーーーーーーーー!!!(呼んでも来ない)

そして群舞は終始どれも楽しかったー!!
ベビー翔とお祭り友貴は楽しすぎてベビー翔のソロ部分まで踊っちゃうお祭り友貴とそれをツッコむベビー翔の図が最高だったな
今回昼夜ともにハンドスプリング失敗して尻もちついてたのも意外で
でもその後の表情とか空気感も好きでありがとうございますって感じだった

▶最後

2日間とも大入りの一本締めがあり、劇団鯱の方々がお一人ずつ舞台を降りてお見送り準備へ
氣志團の「One Night Carnival」がかかって「俺んとここないか?」でキメて降りてくの良すぎ
階段降りたすぐのところに政次座長がいらっしゃって、本当に1人1人を見送ってらしてその対応と笑顔にキュンとした……めろ……
獅子丸さんもとても気さくに対応してくださって
最後の最後まで魅力大爆発の鯱さん公演だった!


また行きますーーーーーーーーーーーーー!!





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