僕は人に生かされている。日本の歩き方#58 鳥取県鳥取市→松崎(湯梨浜町)
日本縦断徒歩の旅59日目
鳥取県鳥取市→松崎(湯梨浜町)
歩行距離 37km
総歩行距離 1883km
鳥取駅近くのゲストハウス、ワイパブ&ホステルで2泊した。
友達のフリースタイルバスケットボーラー、パフォキング(Jun)と鳥取を満喫するためだ。一部の区間一緒に歩いてくれるらしい。
わざわざ千葉からやってきてくれた。
『財布はいらないよ』
そんなことを言われ、宿泊費、メシ代その他諸々全部Junが奢ってくれた。
こんな男いますか?
彼は今、ステージ出演のため、世界中から呼ばれている売れっ子パフォーマーだ。
学生中は、彼とスマホ無し、金無しでヨーロッパ縦断したこともある。旅人×パフォーマーだ。フリーランスとしての今もなお、旅を続けている。
苦悩もあるだろうが、好きなことにこだわり続けて今も追いかけている僕にとって理想の男だ。
繰り返すようだが、そんな男が、わざわざこっちに来てくれて、一緒に歩き、大量にごっつぁんしてくれた。
『ありがとう』だけでは済まない恩を返すために大人になりたい。
ある人の言葉だが、『本当の自由とは、助けたい人を助けたい時に助けることだ』というものがある。助けたい時に助けるためには、時間的余裕と、そして金銭的な余裕がいるだろう。
それを手に入れる可能性を高めるために、自分は来年から一度、社会人になる。
自分の道を突き進んでいく友人にエールを送り続けるために、資産を築き、一流の社会人になるために、来年より、旅からひと段落つける。
丸一日、Junと鳥取市内を観光し、次の日に。
さあ、今日のルートだ。
アップダウンの少ない道のりを37km。
Junにもリヤカー体験をしてもらう
そして、鳥取大学へ
中国や韓国人留学生だけではなく、イスラム系の留学生が多いことに驚いた。
そして、Junは次の予定のためお別れ。
別れ際、こんなにもたくさんのメシをくれた。
最後の最後までありがとう。俺は本当の自由を手にして、Junが困った時に助けられる人間になるよ。ありふれた言葉でごめんね。でも、ありがとう。
こみ上げる寂しさを押し殺して次の街へ
いい天気。
海沿いの景色が背中を押してくれる。
歩道ギリギリにリヤカーがおさまるトンネルに
トンネルを抜けると覆面パトカーに捕まった。
リヤカーを引いた不審者がいると通報があったとのこと。家出少年と間違えられたのかな?
狭い道が続くから気をつけてね。そう言われて解放された。
歩き始めて8時間、松崎にあるゴールのゲストハウス『たみ』に到着。旧国鉄の寮だったという趣深い建物を改装してゲストハウスにしたらしい。
チェックインの時間までまだあるので、周辺を散歩することにした。
すると、東郷池沿いに佇む不思議な古本屋を発見。ご夫婦で営んでいるらしい。しかも店は手作り建築だ。
『汽水空港』
本屋なのに空港?
名前の由来を店主に聞くと、『東郷湖は、淡水と海水が混じり合った汽水なの。淡水と海水が混じり合う「汽水」のように多様な人がここに集まる空間にしたかったからこの名前にしたの。空港も色んな人種の人が集まって、飛び立っていくでしょ?そんな空港のような場所でもありたいと願いを込めて、汽水航空。』
なんて素敵な由来なんだ。
置いてある本も個性豊かなものが多い。お客さんが「ここに置きたいから置かせてくれ!」というものもあるらしい。
松崎に店を構えたのは、今日泊まることになるゲストハウス『たみ』の店主が『うちに住まないか?』と誘ってくれて、それがきっかけで埼玉から移住してきたらしい。松崎には、他にもゲストハウス『たみ』の影響で移住してきた人がたくさんいるらしい。
松崎自体が『汽水空港』のようなものなのかもしれない。そう思った。
最後に店主から、旅のお供にと、一冊いただいた。
またひとつ、大切な思い出が積み重なっていく。
今日は、前日のゲストハウスで出会った元青年海外協力隊で元商社マン、今は『たみ』と系列のゲストハウス『ワイパブ&ホステル』で働く、30代の宙さんと飲む。どんな話に花が咲くのかな。
寒くなってきた日本海側を温めてくれるのは、いつも、そこに住む人たち。もっとゆっくり、地元の人たちと触れ合える旅を続けていきたい。
日本縦断徒歩の旅59日目
鳥取県鳥取市→松崎(湯梨浜町)
歩行距離 37km
総歩行距離 1883km
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