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ひとり旅じゃない。大名行列だ。日本の歩き方#51敦賀市→若狭町

僕がしているのはひとり旅だが、ひとり旅ではない。

福井に入り、色んな人が自分のひとり旅をサポートしてくれた。ある人は、差し入れをくれたり、ある人は宿を用意してくれた。またある人は、晩御飯を用意してくれてご自宅に泊めさせてくれた。

ただ、歩いて旅をしている。僕がしてるのはたったそれだけ。意味があるのかないのかで言われたら意味はないだろう。

助けてくれる彼らに何ができるのか。僕なりに出した答えは、「一緒に旅を味わってもらうこと」くらいだ。

SNSを通じて、僕が見た景色を共有して、見てもらったり、こうして文章を読んでもらうことでともに旅をしている。

そう思ってくれたら幸いだ。

僕が歩く理由は、いつのまにか、自分一人のためでなく、見てくれている人と旅をするためという理由も増えた。

だから歩くことを辞めたりはしない。歩くことを辞めたくなる時がたまにあるけど、それでも、一人で歩いてるんじゃなくて、みんなと一緒に旅路をゆき、僕が感動した景色を見てもらいたいから旅をしている。

僕からすれば、ひとりで歩いてきた道のりは、ひとりのお遍路ではなく、出会った人を引き連れた大名行列のようなものになってきた。

ぼくの今の生きがいは、応援してくれる人と景色を分かち合うこと。

だからこそ、こうして動向を追ってくれたら、僕は飛び跳ねて喜びます。

これからも一緒に旅をしていきましょう。

前置きが長くなりましたが、51日目を振り返っていきたいと思います!!

昨日の夕方、東京で行きつけのホイッスルカフェのママさんから連絡があった。

「私の友達が、あなたの泊まり先を探して見つけてくれた!だから今日はそこに泊まってね!」

泊まり先を探してくれた、よんさんという方の知り合いの河瀬さんという方が、快く引き受けてくださったのだ。

屋根と壁があるところで眠れる。本当にありがたい。

実は、夏の旅と打って変わって、この時期の日本海側は、凍えるほど寒い。

だからこそ、野営しなくて済むのは、天にも昇る心地がする。

今日泊めてくださる河瀬さんは、お花屋さんを代々経営している方だ。

河瀬さんのお店。

早速、夕飯をご馳走になり、

色んなお話をした。水泳の先生をやっていたこと、今は3人のお孫さんとビデオ通話をしていること、お花屋さんをしている中で、たくさんの幸せに立ち会えること、息子さんが水中カメラマンをやってらっしゃること、色んなお話を聞かせてくれた。

息子さんの写真より。

河瀬さんの全てを包み込んでくれるような優しさと、とびきり素敵な笑顔のお母さんと過ごした温かい食卓を忘れることはないだろう。

旅の大切な思い出の一ページがまた積もった。

朝が来て、家の近くの気比の松原を散歩する。日本三大松原と言われる所以がわかる。

河瀬さんとお別れして

次の街へ。

今日はなんと、早大生の行きつけの店、早稲田の名門中の名門のカフェ、ホイッスルカフェのママさんの招待で、ママさんのご実家に泊まらせていただくことになっている(いやどういうことやねん。)

昼は、河瀬さんを紹介してくださったヨンさんの経営するカフェで昼食の予定だ。

先を急ぐ。

あっという間に美浜町まで歩いていると、今は農家をしている。日本百名山制覇の元旅人と出会った。国会図書館に著書が置いてあるとのこと。僕の知らない景色をたくさん観てきたんだろうな。羨ましい。ちょっと嫉妬。

さらに歩くと、脱サラしてラーメン屋を経営しているという若いお兄さんが声をかけてくれた。

「うちのお店寄っていってよ!ご馳走するよ!」

仲の良い友人は知ってるとは思うが、塚本はラーメンに目がない。久しぶりにラーメンが食べれるという喜びが心拍数を急上昇させる。

やがてラーメンのせいで脳汁はドバドバになり、歩くスピードが急上昇

頭の中ではRAMEN rock the worldしてる。

ラーメンのことで頭がいっぱいで、ラーメンが僕の世界をロックしているのだ。

こうして、目指しているラーメン屋『らーめん虹』までの12kmを2時間で駆け抜け、ラーメンとご対面。

美味い。一見博多ラーメンかと思いきや、独特なクリーミーな味わいの醤油豚骨ラーメン。ラーメン年間100杯食べる自分ですら出会ったことのない逸品だ。

炙りチャーシュー、味玉もこだわっており、スープは店主が一杯一杯味見をする。ブレのない職人魂が、垣間見られた。プロの技だ。

東京にあったら間違いなく常連になっている。東京進出してほしい...

でも、なかなか食べれないからこそ、またこっちに来る理由がまた一つできた。

最後に店主とお別れをし、

次の目的地、カフェ縞へ。

1時間近く歩いて到着。さっきラーメンを食べたばかりなのに。お腹がグゥグゥ鳴っている。

事前のリサーチによると梅カレーが名物らしい。カレーに梅の風味を加えた独特なカレーだ。

到着する直前には、梅カレーのことで頭がいっぱいだった。

梅カレー f○ck whole my body

梅カレーの存在が全身をf○ckしにかかってる。それくらい身体が求めていた。

さっきラーメンを食べたばかりなのに。である。

美味すぎる。洗練されまくったカレーだ。食材のひとつひとつに店主のこだわりを感じた。

そしてデザートの梨チーズケーキ。

ジューシーな梨と、ふわっふわのチーズケーキがたまらん。

そして最後、縞コーヒー。

カレーもデザートもそうだが、このカフェは、食器に関する拘りがハンパじゃない。

コーヒーカップは、縞をイメージしていて、職人の方に特注して作ったとのこと。

あらゆる部分にぬかりがなく、洗練されたカフェ。またまた常連になりたい店が地方に...

こりゃ旅が終わっても旅が終わらないな。だってまたここに来てしまうもん。

縞博物館にも招待してくださった。(この博物館に関しては書くことが多すぎるので割愛。ただ、一つ、ここだけは立ち寄ったほうがいい。大袈裟だが、価値観が揺らぐ。)

さあ、ママさんの実家に向かおう。

この先の道は本当に険しく、気づけばあたりが真っ暗になってしまった。

山の中から猿の鳴き声がキーキー聞こえる。猿からリンチされないように、鈴を鳴らしながら歩く。

斜度9%の峠を越え、なんとか、到着。

これからご家族の方と飲み会だ。

こうしてまた新たに出会う人が増えていく。

大名行列の軍団はこうして増えていくんだろうなぁ。

福井県敦賀市→若狭町
歩行距離 37km
総歩行距離 1619km

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