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病院寝具が院内感染を左右する(1)

院内感染の話

この記事の前に、前号の「薬剤耐性菌の本当の恐さ」をお読みください。

リネンサプライ業を知っていますか?

 リネンサプライとは、ホテルやレストラン、病院等の事業所で使用される繊維製品(バスタオル、浴衣、テーブルクロス、白衣、作業衣、おしぼり、布団、毛布等)を、業者が貸し出し、回収してクリーニングとメンテナンスをしてまた貸し出す、というサイクルを有料で行うことを言います。

病院寝具のリネンサプライ

 昭和30年代に、国は病院の寝具について外注委託を認めるようになりました。それまでは入院患者が布団を家から持参するのが普通でした。
 シガドライもおよそ20年前に、病院寝具のリネンサプライ事業に参入するようになりました。

先進医療の一方で、どうしても汚染される病院寝具

 病院というのは怪我や病気を治してくれるところです。全てにおいて、当たり前の清潔が守られているものと私たちは思い込んでいます。
 しかし、健康な我々の感覚で “洗ってある” というだけのシーツは、じつは入院患者さんにとっては十分とは言えないという事実が、リネンサプライ事業に参入して徐々にわかってきました。

入院で新たな危険に晒されるという矛盾

 20年前はまだ、薬剤耐性菌の代表とも言えるMRSAという言葉も一般には殆ど知られていませんでしたが、最初の入院の理由と全く関係ない感染症で入院が長引いたり、予定にはなかった治療や手術を受けることになったりすることがあります。

現場だけの責任なのか?

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 院内感染。時々、全国のニュースや新聞の一面で大きく報じられます。院内感染は発覚するとこのような新聞記事や訴訟に発展するため、本人や家族に真実が知らされずうやむやにされることも多くあります。

 しかしこの院内感染、原因や責任の所在は必ずしも、現場の医師や看護師の方々がいい加減な処置をしたからではないのです。

原因は汚染された病院寝具

 残念ながら、菌を根絶することは不可能です。何故なら私たちは皆、口や鼻や毛穴からいつも菌を出すからです。看護師さんは酷い手荒れに苦しみながら、何か作業をするたびに、アルコールを擦りこんで手指消毒をされています。患者さんを感染から守ろうと必死なのです。

 院内感染が無くならないのは、患者さんの寝床が清潔ではないからです。日本のリネンの衛生環境は、実は先進国ではダントツに遅れているのです。患者さんのベッドのシーツを毎日、最低でも週に2回洗うのが当たり前の現代で、日本は未だに週に1回で良いとされているのです。医療費や人出不足の問題もあり、なかなか解決されません。

次号は圧倒的な感染予防のための病院寝具(2)リネンサプライ業界のあるべき姿 に続きます。


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