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カレー屋を巡る

先週末はサウナとカレー屋をめぐる3日間だった。特別そうしようと決めていたわけではないのだけれど、結果的にそうなった。京都の森林食堂、大阪のコロンビアエイト、ボタニカリーに行った。いちばん好きな感じだったのは森林食堂かなと思う。コロンビアエイトはちょっと接客が鼻につくというか、初めての人はこのメニューにしてねとか、唐辛子はこうやって食べてねとか、僕は言われなかったけど次はこれを試してねとか、店側からのリクエストが多すぎる感じがちょっとなと思った。もうちょっと放っておいてほしい。カレー自体はけっこう辛くて、汗が吹き出て大変だった。僕は汗かきな方なので一般的なカレーからいうと大したことないのかもしれないけれど。味をあんまり覚えていないな…。

ボタニカリーはよかった。今あげた3つは例外なく行列ができる店なのだけれど、整理番号を渡してくれて、時間が近づけば再来店したらいいというシステムで、なんとうかお客さん思いだなと思った(実際には並ばれると周りに迷惑がかかるとかそういう事情があるのだろうと思うけど)。開店が11時で、20分前の10:40くらいに行ったのだけれど渡された整理券は13:30。「もうけっこう整理券出ちゃって…」と申し訳なさそうに語る店員さんもなんだか印象がよかった。僕としてはもっと遅くなることも覚悟していたし、一人で来ていたので近くのコメダで時間つぶせばいいやと思っていたのであまりストレスなくカレーにありつくことができた。あいがけのカレーを頼んだのだけれど、まず見た目に色彩が鮮やかで楽しいのと、食べ始めるとスパイスの刺激の応酬がすごいことになっていた。この数日後に「人間の悩みはたいてい過去の後悔か未来への不安なので、今に集中すると良い」みたいな話を読んだのだけれど、スパイスカレーの魅力はこれなんではないかと思う。辛さの刺激で頭がいっぱいになって、「今」に集中せざるを得ない。そういう意味ではサウナの「ととのう」感じにも似ているなと思う。脳内麻薬をドバドバ発生させて、汗をかいて、身体を「今」に集中させる。そうか、サウナもスパイスカレーもすごくフィジカルな嗜みなのではないか、みたいなことを思いついてひとりテンションが上がった。酒とかタバコとかも血流が変わったりするので似たところがあるような気がするけど、後の行動が制限されてしまう感じがある。酒を飲んだら運転できないし、その後はもう「社会的にちゃんとしなきゃいけない」用事を入れられない。タバコはタバコで匂いがついてしまうしなと思う。

森林食堂の方もけっこう待ったのだけれどこちらも店員さんがとても感じがよくて、2人でやるには広すぎるだろうという感じの店内も雰囲気がよかった。ラストオーダーギリギリに店に入る感じだったので、並んでいる時点では「入れないのでは…」とヒヤヒヤしていた。このアンバランスな精神状態を吹き飛ばすにはよほど美味いカレーでないと釣り合いがとれないぞ…と思ってメニューを見ると「カレーに合います!」と謳われたオリジナルのクラフトビールが目に入って、思わず注文してしまった。カレーより先に運ばれてきたのだけどこれが美味くて、カレーも美味しかった。味を詳細には覚えていないのだけれど、いたずらに辛くなく、普段から食べたくなる感じの味だった。歩いて行ける距離にあったらなあと思ったけれど、自宅からはちょっと遠い。あとやっぱり店主のお二人がいい雰囲気だった。旦那さんは朴訥とした雰囲気で、女性のほうは明るくてエネルギー溢れている感じだけどそれにこちらが気圧される感じがないというか。また行きたいなと思う。

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