chat GPT 活用について
敏感な方はすでに生成AI、chat GPTなどをご利用になっているかと思います。私はビジネスで有料のchat GPTo(オムニ)を利用しており、せっかくなので所感・フィードバックをここに記載します。
結論から
chat GPT が得意とする分野は、データが出回っている一般的な情報をまとめあげることには非常に優れていますが、データが出回っていないものやデザインそして高度なプログラミングに対してはまだ単体で利用するには値しないレベルであった、ということをお伝えしたいです。
chat GPT は確かにこれまでのAIよりもはるかに優れた言語処理をしてくれます。けれども、たびたび非常に残念な答えが返ってくることが多く、大企業レベルで取り組んだchat GPT を利用したプロジェクトには、プロセスにおいて自社開発されたプロンプト関連のテコ入れを組み込むが必要だということも分かりました。
これらに対するエビデンスをいくつかピックアップして行きますので最後までご覧いただければ幸いです。
企業の取り組み:NISSIN
NISSINがIRで提出している資料。このPDFはかなり参考になるのでぜひリンク先からPDFを参照いただきまして全内容をご覧頂くことを、強く推奨いたします。
まずは営業領域において生成AIを活用するという方針の中で、「顧客」と「その他」という大分類、さらにその作業内容も細かく分類することが大事なポイントです。つまりプロンプトを細かく切り分けていくことが必要です。
全体の改善効果はそれほど多くを期待できるものではありません。NISSINの取り組みでさえ現状の28%から理想の50%というところで。例えば稼働時間1に対してアウトプットが2倍になると言うようなところまでは不可能なわけれです。
営業部門を皮切りとして成功から横展開。
ポイントはプロインプトです。部門ごと>作業ごとに細かく分類しプロンプトを展開していく必要があります。
そして部署によってこの改善の結果数値が大きく変わってきます。営業BSでは25,120時間に対してHD財務経理部は20時間でした。
図をタップしてみていただきたいのですがchat GPT だけでの利用は不可能です、バックには問い合わせ系のデータベースが組み込まれていることがポイントになります.
業務システムの情報連携というところはさらに難しくなってきます。まずは指示文入力に日清の自社開発されたAIチャットが組み込まれGPT4に連携されさらにデータベースが後ろに組まれているものとなります。
小まとめ
以上のことからだから日清が大規模な取り組みをしておりますがやはりこういったプロンプトを大量に作らなければならないと言うところから
chat GPT の得意・不得意
一番得意なものは言語によるやり取り
哲学などの要約かなり助かりますが、最終チェック(正確性の担保)をどうやって効率化できるかがポイントになると思います。
投資家などは非常に助かると思うんですが、こういったデータをどこまで信じるかというのは非常に大事なところで、結局は自分で調べなきゃいけないので「参照元を書くように」というプロンプトが必要です。
一番苦手なものはデザイン
これはかなりレベルが低い。
マイケルジャクソンなどの有名人に関しては、そもそもリクエストを受け付けてくれませんでした。著作権に関してのコンプラはしっかりしているようです。
どちらともいえないものはデータ処理・グラフ作成
データ処理こそこういったAIがしっかりとやってほしい領域だと思うんですけれども意外にも不得意な部分があるのかなという所感です。
まずグラフですがレーダーチャートやバブルチャートは基本的にアウトプットできません。chat GPT に期待できるのは、表形式。
また、GPTの問題点として 上図の場合 06/01-06/30 までのすべての日を埋めて欲しいのに間を省略してしまうことです。このような中間の処理を省いてしまうアウトプットが多いため、大規模なデータを作成することが出来ません。プロンプトを改良する必要があり、そういった点をNISSINやPANASONICの自社開発AIプロンプトなどで補正しているのかと推測します。
おわりに
簡単ではありますが以上のことから(実験は上記以外も十分にしております)、chat GPT を単体で使い質の高いアウトプットを求めるにはまだテクノロジーは追いついていません。
そして、現在の段階で chat GPT サービスが必要な人たちは2つと結論付けます。そのため自分が普段扱っているビジネスにはあまり活用出来ないという結果でした。
活用の出来る領域
1.文章メイン、資料作成・市場調査・添削
情報がネットに出回っている膨大な規模のもの。
そして業種・部署が限定される
2.大企業のAI化におけるコアプログラム
プロンプト・DBは別途必要であり
自社開発が望ましい
とはいえ、テクノロジーの進化はかなり早いペースになっておりますので、これからより素晴らしいアップデートやサービスが出てくる時に、遅れを取らないように様々な知見をためておきたいと思います。
AIが社会にどのような影響を及ぼし、経済を変えていくかは別の記事で話して行く予定です。最後までご覧いただきありがとうございました。
2024.06.28 MURASE
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