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テレビCMの逆襲@土井健さん

元テレシーCEOの土井さん著書の「テレビCMの逆襲」についてインプット。
運用型CMで売上50億円を2年で実現したテレシーCEOの実践広告論が書かれている。印象的な部分をいくつかピックアップ。

テレシーが設立当初注力していたこと

・テレシーは設立当初、SEO対策に注力していた
・先行企業は注力していなかったため、強化して2〜3ヶ月でSEOでトップを獲得


CASE 「グラムス」

・5、6社コンペをしてテレシーが選ばれた理由として「ターゲティング」が優れていたことが挙げられている
・ゲーム層に対して効果のある枠取りだけではなく、Bishが過去に出た番組を入れたプランニングはテレシーのみだった
(ファン行動まで想定したプランニングが評価された)


BtB企業には鉄板のタクシー広告

・テレシーが運用型テレビCMに参入した2020年12月ごろ、マスマーケティングとして実施したのがタクシー広告
・2500万円投資をして3週間放映
・2~3ヶ月で投資分回収して黒字に
・タクシー広告経由の役職者が占める割合として「代表取締役30%」「執行役員・部長33%」「経営層に近い役職者が65%」


意外にもCPAが一番安かったアドトラック

・2021年10月からテスト出稿し一番CPAが安かった
・成功要因としては、テレビCMやタクシー広告などである程度認知度が高まったタイミングだったからと考察している


TVCMのポテンシャル

・TVCMに出稿すると、それと比例してネット広告の効果が上がる
・TVCMを見て指名検索数、サイトセッション数は顕著に上がる
・放映中はネット広告のCTR、CVRともに1.3倍にまで増加
・直接効果だけでなく、ネット広告や他メディアの広告を後押しする効果もわかった

TVCMの副次的な効果

・テレビCMを放映していることで信頼性や公共性が増す
・CMをきっかけに他社との協業や新規事業が立ち上がりやすくなることも
・人材募集の際にも応募者数が顕著に増えることがわかっている
・既存社員のモチベーションアップにも繋がる


運用型TVCMがもたらす近未来とは

・運用型TVCMの市場は今後拡大していく見通し
・将来を見据えた業界の課題として、出稿の流れがネット広告のようにシームレスに進まないことが挙げられる
・TVCMの場合はCM考査と呼ばれる放送基準に見合った内容かどうか確認する作業が必ず挟まる
・完全に人手を挟まずにオートマティックに放映までできない
・何らかの形で放送基準のチェックを担保した上でシームレスに放映できるようにならない限りネット広告のような自動配信は実現しない
・15秒CMを1本単位で購入できるSAS(スマート・アド・セールス)のような「第三のテレビ」にちゅもくが集まり、放送局各社が次々とSASをスタートさせているように、やり方次第で実現可能かもしれない

感想

「テレビCMの逆襲」を読んで、興味深い視点が多く得られた。土井さんの経験に基づく実践的な広告論は、特に運用型CMの可能性についての洞察が深いと感じました。

特に印象に残ったのは、テレシーがSEO対策に注力し、短期間でトップを獲得した部分。これにより、テレビCMだけでなくデジタル戦略も組み合わせることで、相乗効果が生まれることが実証されている。タクシー広告やアドトラックのケーススタディも具体的で、どのようにターゲティングを工夫し、効果を最大化しているかが分かりやすかったです。

さらに、TVCMの放映がネット広告に与える影響や、ブランドの信頼性向上に寄与する点も特に共感しました。企業のブランディングや採用活動においても、テレビCMが重要な役割を果たすことが示されています。

今後、運用型TVCMの市場がどのように拡大していくのか、そしてネット広告とのシームレスな連携が実現するのかに注目。


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