あばば、あばば、およよ、


声が前に出ません。

手前に落ちます。

大きい声は、とても前に出ます。遠くまで行きます。

ただ、普通の声が、手前に落ちるのです。



髪を切りました。

髪を切っているときは、メガネを外しているので

いくらか不安です。

と同時に、いくらか気が大きくなっている自分に気がつきます。

人の顔が見えない不安と、人の顔が見えない安心感。

メガネ、視力矯正の是非について考えました。



電子ピアノを弾きました。

あれは、キーボードなのかもしれません。

はたまた、シンセサイザーなのかもしれない。

よく分かりません。

白と黒の鍵盤を叩きました。

チェンバロではないことは確かです。

ちなみに、チェンバロは、その構造上、音の強弱が付けれません。



死んだ土竜を見ました。

死んだ鯉を見ました。

死んだ猫を見ました。

悲しい気持ちになりました。

でも、すぐ忘れました。



女の子とチューする夢を見ました。



「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり」

それ名言だ、それいい歌詞だ、と騒ぐ人間に

僕はなりたくありません。

でも、この言葉は、やはりいい。

ベタって時に恥ずかしいけれど、これはいい。恥ずかしいとかじゃない。

それ名言だ、と騒ぎたくなります。



スマホをいじりながら、眠りにつきました。

顔面に、スマホが落ちてきました。

代替器のスマホです。始めは慣れず、気に食わねーと思っていましたが

1週間をすぎたあたりか、愛着が湧いてきました。

明日でお別れです。さようなら。



かりそめの恋。

刈り上げの極意。

もち米の存在感。

高架橋下の君。

何の意味もない。

言葉の羅列。

朝鮮人参は蜜の味。

あばば、あばば、およよ。

何の意味もない。

言葉の羅列。



何の意味もない君の声。

不気味な匂い。



声なき声を遠くまで届ける

何にも矯正されることのない

チェンバロの音色は、ヴェルサイユの香り。

死にゆく魂に、豊潤な接吻を捧げ

過ぎ去りし日々に、別れを告げる。

何の意味もない。

言葉の羅列。



人はこの文章を読み、何を想うのか。

何の意味もない、何の統一性もない、この言葉の羅列に

何を感じるのか。



あなたが今想う、そのすべて

あなたが今感じる、そのすべて

それらすべてに、是はない。



意味はない。

しかし、嘘ではない。



何の意味もない。

言葉の羅列。



薔薇はバッハが好きらしい。



そして、また明日が来る。

何の意味もない。

何の意味もない。

励みになります。