誕生日

　27歳にもなると誕生日なんていうのはさほどめでたい日でもない。冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし、歳を取っても身体的に成長するわけでもなく緩やかな老化の最中にある。

　年齢なんて数字でしかないなんて言うが、若くて才能のある人は褒め称えられるし、歳のいっているクソはクソと呼ばれる。
年齢によって評価が変わる。
チビッ子は喋れば喋るほど褒められるのに、大人になると喋れば喋るほど嫌な顔されることもある。
その年齢らしさみたいなステレオタイプがあって、それにそぐわないとつまはじきというかのけ者みたいな空気感で扱われる。
大学は18歳で入るものだし、27歳は働き盛りだ、少し昔の言葉で言えば結婚適齢期みたいな扱いでもあるのだろう。

　そんな周りの目にも負けずに、昼過ぎまで寝たり、所持金150円の内の50円で駄菓子を買ったりして27歳の初日も過ごしている。
なんにも変わらない、年齢を重ねるだけだ勝手にアップデートされたい。