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さまよう国内メタバース市場

MM総研から発表されたVRゴーグルの普及状況と今後の予測について、これまで2000名以上の方にVRゴーグルを被ってもらい、【どこでもドア®】を体験してもらってきた経験(※ギネス非公認)から少し掘り下げてみる。
この記事いわく「VR元年」の2016年以降、合計してもまだ100万台を少し超えた程度。スマホが2010年頃に国内保有率が約10%だったこと、2022年にVRゴーグルの利用率が10%なことがいろいろな意味で近い存在だと思う。(ただし、保有率で言うとまだ5.6%)

「持ってないが利用したことがある」4.3%、「所有している」5.6%

スマホの場合は、ガラケーという1ステップを経て保有した方が多いので、VRゴーグルのようにハードルは高くない。「利用したことがない」「ほしいと思わない」方の多くは、そのハードルに引っかかっているわけだ。これは本当に日々、感じている。固定電話や公衆電話という更に前のステップから何段もの階段を登りながら進んできたスマホとは、同じ土俵で論じること自体がナンセンスだったりする。とにかく、VRゴーグルは(私のように使い倒している人以外にとっては)利用・購入のハードルが非常に高い存在であることは間違いない。(電話・通話のような)これまでの生活習慣において触れてきた存在とは違って、存在しなかったライフスタイルなのだから。


歴史になぞらえるならば、ビデオデッキが参考になる。既に語り尽くされたことではあるが、ビデオデッキが市場に現れ、ベータとVHSという2つの方式で激しい戦争が行なわれた。ベータ(ソニー)が敗退し、VHS(ビクター他)が勝利することになるのだが、その背景にあるのがアダルト需要だったことは記憶に新しい(「係長島耕作」や「全裸監督」をご参照下さい)。
アダルトの需要で精密機器を売るなど言語道断!という考えはごもっともだが、それまでのライフスタイルに存在しなかった存在を普及させるには、なにかしら強烈な「フック」が必要なことは確かだと思う。

※ちなみに弊社【どこでもドア®】がアダルトに乗り出すことはない。これは、プラットフォームというYOUTUBEのような、ビデオデッキ時代には無かったビジネスモデルだから。

私の経験値から言うと、VRゴーグルの利用・所有の10%のうち、9%はゲームだ。VRchatやfortniteなどのCG空間内で楽しむゲーム。交流の要素もあり、ゲーム利用としては楽しめる。残りの1%はアダルトだ。日本の人口が1.3億人と考えると130万人。それなりの人数だ。私が住む福岡市の人口が150万人とすると1.5万人。会社(の男性社員)が200人なら2人。それぐらいの割合で、実はVRゴーグルをアダルトで「しか」使ってない人が多い。

ビデオデッキも当初はそうだった。「これからの時代は必要になるぞ~」とお父さんが買ってきたが、実はお父さんがアダルトビデオを見たいだけだったのが最初の動機。でも、普及していくと、映画などのコンテンツも増え始め、録画することが当たり前になり、いつの間にかアダルトビデオはOne of Themになった。これは世の中に新しい市場が誕生するときの鉄板なのかも知れない。VRゴーグルは、それが始まったばかりだということだ。1%。

※アダルトのVRはホントにひどい。超低画質の180度。早く、このまま廃れて消えるか、まともな高精度のコンテンツを出してくれ。。

このように、VRゴーグルの利用・所有がまだまだ始まったばかりの日本国内。でも既に世界では、そこにプラスしてMRの機能を持たせる動きが盛んになっている。Quest3、VisionPro。要するに、VRの世界観を体感することがないまま、MRということ。白米の美味しさを知ることが無いまま、ふりかけを掛けたご飯をデフォルトにされてしまった子供のように思える。もう、ふりかけ無しには戻れないのではないだろうか、ちょっと心配。

Quest3はMR機能に振り切るために、実は、Quest2やQuestProよりも機能を落とした部分がいくつかある。焦り過ぎと言うか、日本市場がそのスピードについていけてないと言うか、とにかく微妙な端末がQuest3だ。。

私個人では、Quest2が提供する素晴らしい世界をまだまだ知らない人が圧倒的に多いのを感じているので、とにかくこれを知ってもらいたいだけだ。コンテンツ提供者は【どこでもドア®】(のメタバーサー)だ。ありとあらゆる360度高画質映像の中に入ることができ、その没入感と臨場感に初めての人の多くが感動するし、ビックリする。これをすっ飛ばして、MRは残念すぎる。ゲーム感覚ではあるけれど、、、

(実際には見えないけど)ゴーグルを被って驚いてるイメージ

アダルトがもっと頑張って、VRゴーグル市場を劇的に伸ばしてほしいと思う反面、(インターネットの普及に伴って)アダルト市場にかつてのようなパワーがないことも十分に理解しているので、やっぱり地道に「被ってもらって驚いてもらう」のが遠回りだけど王道なのかなと改めて再認識。

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