Overwatch/観戦コンテンツとしての設計/スナイパー

▼ 構成
 - 観戦コンテンツとしてみた時の「スナイパー」の役割
 - スポーツ観戦に必要な、観戦者との「予兆の共有」
 - ウィドウメイカーに見る「予兆の共有」を意識したキャラクター性能

▼ 観戦コンテンツとしてみた時の「スナイパー」の役割とは?
 - スナイパー自身が持つ「フィジカル」だけで、チームの戦略や戦術を凌駕してしまう存在。サッカーに例えるとクリスチアーノ・ロナウドが一人で試合を破壊してしまうようなもの。

「フィジカル」=身体能力だが、ゲームにおいてはAimの上手さや反応速度など瞬間瞬間のプレイスキルの高さを意味することが多い

 - これは観戦してる側からしても、いわゆる「超人」的なプレイヤーとして捉えることが出来る。「こいつすげぇ!」という分かりやすい存在。観客を惹きつける存在としての役割がある

▼ スポーツ観戦に必要な、観戦者との「予兆の共有」
 - esportsに限らず、観戦者がそのスポーツで感動するには「予兆の共有」が重要だと考える。

例)サッカーでゴール前にクロスボールが上がる。
→ 軌道の先に味方がフリーでいる
→ これはめっちゃチャンス‼(「予兆の共有」が完了し、ここでテンションが上がる)
 →シュートが決まった‼(直前の状態から勢いよくテンションが上昇!)
 →シュート決まらなかった‼(直前の状態でテンションが上がってる分、ガックシ…)
例)野球で満塁一打逆転の状況
例)バスケで3ポイントシュートを放った時

▼ウィドウメイカーに見る「予兆の共有」を意識したキャラクター性能
 - これらの「予兆の共有」を、シューターコンテンツの花形となるスナイパーヒーローにも適用しよう、という工夫がウィドウメイカーの性能に見られる。
 - 通常のFPSにおいて、スナイパーは「クイックショット」と呼ばれるテクニックがある。これは画面の中心に敵キャラが来るタイミングでスコープを覗く→撃つを瞬間的に行うテクニック
 - しかし、この「クイックショット」が観戦コンテンツとしてみた時に決定的に問題と感じるのは「予兆の共有」が全くないこと。(画的には一瞬スコープ画面になったと思ったら撃ち終わっていて、かつ、敵が倒されている)これでは初めて見る、ないし初級者程度の視聴者には感動が提供されない
  - そこでOverwatch/ウィドウメイカーのスナイパーライフルはというと「最大ダメージを出すには、スコープを覗いてから1秒弱チャージする必要がある」という性能になっている
 - この「スコープを覗いてから1秒弱」という時間があることによって、視聴者側が「凄腕スナイパー」プレイヤーのプレイ画面を見た時に「今この人あいつを狙ってる・・・」という「予兆の共有」があり、それによって、狙撃が決まった時に感動するし、決まらなかった時も悔しかったり、焦る気持ちになったりできる


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