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第20話 干される鮮魚

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第20話 干される鮮魚


4号機末期、【朝確台】を用意する店が多くあった


当時通っていた店も朝確台があって、朝からアンコウ札が刺さってる台は【設定6確定】。この店は小規模店舗だったため朝からアンコウ札が刺さるのはほぼ1台だった


※当時は海物語のキャラに見立てサメ(設定4)・エビ(設定5)・アンコウ(設定6)を示唆していた


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並び順のこの店は朝早くから並んでも前に一人でもいたらアウト…というわけでもなく、どの島のどの機種にレインボー札が刺さっているか分からない。先頭に並んでも台を取れる保証はなかった


それもアンコウ札は台と台の間に刺さっていて慣れてないとどちらの台が対象なのかも良く分からない。徹夜で並んでいた先頭客がテンパって対象台の隣を確保してくれたおかげでおこぼれに預かれたことも


常連が先頭に並んでるときは朝確台を確保するまで二人目の入場をさせなかったり、店側も常連には融通を効かせてくれた


良くも悪くも「昔ながら」といったところだろうか


とある冬の日、朝確札がある日だったのでまだ外も暗い時間から店に向かう


近くのコンビニでコンポタと肉まんを買って店に到着すると専業Sが既に並んでいた。この常連専業Sはマナーは悪いわトラブルは起こすわで店からも客からもとにかく嫌われていた


コンビニ寄らなければ先頭だったかも…まぁ朝確台じゃなくても狙える機種もあるしとりあえず並ぶか


F1の曲と共に開店を迎え、専業Sはすごい勢いで店内に駆け込んで行く。そして俺は専業Sが入った島とは別の島からダメ元で札を探す


あぁやっぱこっちの島にはなかったかと思った矢先、鬼の形相で専業Sがこっちの島に回り込んできた


どうやらアンコウ札がなかったらしい


今日は朝確がある日なのにおかしいな…


突如、怒鳴り声が聞こえ振り返ってみると専業Sが顔を真っ赤にしながら店長に詰め寄っていた

そして一通りどなり散らしたあと何も打たずに帰宅して行った


この専業Sは朝確以外はほぼ打たない乞食、そりゃ店から嫌われるわ


どうしたもんかと店内をふらふらしていると店長が満面の笑みでアンコウ札を手に島に入ってきた。そして俺の方をチラッと一瞥し俺に打てとばかりに南国育ちに札を差す

 
アンコウ札の刺さった南国育ちを確保して打ち始めると店長がニコニコしながら寄って来た


「閉店後にあいつが並んでるの確認したんでアンコウ札差しておくのやめたんですよ。別に開店直後に差そうが朝確には変わりないですからねw」


この日以来、専業Sが先頭に並んでる日は専業Sが店長に一通りキレて帰った後に朝確札を刺し、専業Sがいない日は開店前から朝確札が刺さるようになった


いつの時代も勘違いしてるイキり専業から干されてく…専業は食ってるんじゃなくてただ生かされて食わせてもらってるだけなんだよな

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