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第10話 ロイニー、殴ってみた

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第10話 ロイニー、殴ってみた


この頃とある小型店でジグマをしていた。エヴァまご(7台)で毎日設定6が2台、入る場所はローテである程度決まっていた。ライバルもほぼおらずバイト君と二人で2台ツモれる毎日


そんな安定した毎日が一本の電話で一変する

H先輩からの着信だった

H先輩「最近、勝ってるらしいじゃん。どこの店行ってるの?」
ロイニー「毎日パーラーチンポロ(仮)でエヴァまご打ってますよ。」

H先輩は会社員だったから特に隠すこともなく店名を教えた

H先輩「俺仕事辞めたんだよね。明日行くわ、それじゃまた!」
ロイニー「…。」


まぁ俺らは2人で入るクセも掴んでるし、H先輩は一人で趣味打ちレベルだから気にすることもないか


次の日の開店前、H先輩がやってきた。軽く挨拶したもののクセのことは黙っていた。俺らは狙い台を抑え、H先輩は適当に俺の隣に座る。結果、俺らの二台が6でH先輩は昼過ぎには帰宅していった


なんとなく胸騒ぎがする


翌日、開店10分前に到着するとH先輩は既に並んでいた。友達を一人連れて…。悪い予感は的中する。その日は先輩たちが一台、俺らが一台ツモって引き分けで終了

そこから一ヶ月、先輩たち二人と俺ら二人の静かな争いが始まる。ローテのパターンもなんとなくバレて読みの精度もドングリの背比べ状態

モヤモヤしつつも、H先輩の態度が日に日に大きくなっていることが引っかかっていた



読みがドンピシャで2台ツモっていたある日の閉店後、H先輩に呼び止められた

H先輩「悪いんだけどさぁ、お前らもう来ないでくれるかな?」
ロイニー「えっ?!」
H先輩「お前ら邪魔なんだよね。こっちも生活かかってるからさ。」
ロイニー「いや、ここ俺が教えた店ですよね?一人で来るならまだしも勝手に人数まで増やしておいてそれはおかしいだろ。」
H先輩「いや、お前より先輩だよ?」


頭の中で何かが切れた音がした

気付いた時にはH先輩をフルスイングでぶん殴っていた


生まれて初めて人を殴った…拳が痛い

このときT先輩に言われた言葉を思い出していた

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