ジェフユナイテッド2023選手短評
今更ですが、簡単に。
愛ゆえの厳しい表現もあるかもしれません。ご自愛ください。
GK編
1 新井章太
前半戦は守護神、後半戦は第2GKという立ち位置。チームの状況にも左右され、後半戦は出番を失った。
小林サッカーにおいてビルドアップは大きな課題で拙さが露呈。尹サッカーでは欠かせなかったセービングも鳴りを潜めてしまった。(これは新井章太だけの問題とは言えないが)
ベンチでは上昇気流のチームを支え、契約更新の話もあったようだが王者神戸へ完全移籍となる。
23 鈴木椋大
前半戦は第2GK、後半戦は守護神となった。例年の如く緊急登板以外の出番はないかと思われたが、夏場以降は守護神定着。
足元が上手いイメージはなかったが、試合を重ねるごとに成長。ロングキックの精度を除けば及第点を越える活躍をしてくれた。
2019年加入の古株だがようやく個人チャントが完成。かっこいい。
契約更新。
31 松原颯汰
高卒3年目となるシーズン、出番はなし。経験豊富な2人を脅かす存在とはなれなかった。
来季はJ3長野へ武者修行。
33 近藤壱成
法政大から加入のルーキーも出番はなし。シーズン終盤に突如金髪坊主になっていた。
群馬への完全移籍が発表。
34 染谷奎
ジェフU-18所属で二種登録。出場はなく、現在昇格の知らせもなし。進学か。
DF編
6 新井一耀
昨季チーム得点王も今季は無得点。前半戦は3バックの真ん中、2CBの右とスタメン出場を続けたが、佐々木翔悟の台頭により出番を減らした。
最終的にはメンデスがベンチ入りし、4番手に。
怪我やコンディション不良もあり、少々不運な形でポジションを奪われてしまった。
対人守備はチーム1にも思えるが、足元やスピード面がチームのスタイルに合わなかった。
来季は長崎へ完全移籍。
11 米倉恒貴
再び覚醒したチーム最年長。
途中出場が主戦場ながら5得点を記録。どれも試合を決定する貴重な得点だった。
怪我がちなのは相変わらずだが、ようやく彼に合った起用法が明確になった印象。
右SHのジョーカーとしてフルスプリントをする姿は未だ健在である。
契約更新。
13 鈴木大輔
昨季は怪我で離脱する期間が長かったが、今季は出場停止の2試合を除き全試合スタメン出場。
キャプテンとしてチームを後ろから支えた。
佐々木翔悟の台頭後は本来のポジションである右CBで出場。ようやく本領発揮した印象である。
闘志溢れるキャプテンシーとピッチでの振る舞いは欠かせない存在。
JPFAアワードのJ2ベストイレブン受賞。
契約更新。
22 佐々木翔悟
大怪我からのカムバックを果たし、紆余曲折ありつつも左CBのレギュラーに定着。
矢のようなロングパスで終盤の快進撃を支えた。
守備面では課題があるが、差し引いても余りあるほど魅力的な左足を持っている。
日高不在時に左SBとして起用されるユーティリティ性も魅力。(出来はなんとも)
シーズン前の期待を最も裏切った1人と言っても過言ではないだろう。(いい意味で)
契約更新。
24 矢口駿太郎
ユースから昇格初年度ながらちばぎん、開幕戦と左WBでスタメン起用。
未来が見えたが日高の復帰後はスタメン出場0。途中出場を合わせても出場7試合にとどまった。
強度はまだまだ物足りないが、TGでは別のポジションで出場するなど技術の高さは魅力。
契約更新。
26 西久保駿介
末吉、松田と右WB(SB)が固定できなかった前半戦で西久保も定着とまではいかず。髙橋壱晟のコンバートにより出番は無くなった。
夏場以降、TGでは違うポジションで起用されていたりと明らかに序列が下がっていた。
高さやロングスローは魅力だが、ポジショニングの悪さや拙い守備を度々狙われるなど、本人としても悔しいシーズンに。
来季は磐田へ完全移籍。
36 松田陸
3バックの右、4バック時の右SBとして序盤戦は主力に。だが決定的なミスが目立つようになり中盤戦以降は控えにまわった。
日高不在時には左SBとして出場することもあったが攻撃参加は物足りなく、守備面も特別強度が高いわけではなかった。
ちばぎんカップでは光る活躍を見せていただけに尻すぼみのシーズンとなってしまった。
契約更新。
40 メンデス
シーズン開始後フリーで加入した。約半年試合に絡むことはなかったがチームの上昇気流に合わせてメンバー入り。出場は7試合にとどまったが来季に期待できるようなインパクトを残した。
ハイボールの競り合いに関してはチーム1。足元に関しても一定の評価は与えられる。
試合終盤のパワープレー要員での起用も見てみたかった。
契約更新。
48 谷田壮志朗
ジェフU-18所属で二種登録。トップチームでは出場なしも来季昇格内定。ユースチームをプリンスリーグ昇格に導き、U-18日本代表に追加招集された。
52 久保庭良太
立教大在学中に二種登録。途中出場1試合となった。来季加入内定。
30 田邉秀斗
川崎から育成型期限付き移籍延長。今季は開幕からジェフの一員となるはずが、保有元の都合で早々にレンタルバックとなった。
MF編
2 髙橋壱晟
今季より2番を背負い期待がかかるシーズンも序盤戦は控えに。ボランチ2枚の牙城は崩せなかったが、固定できなかった右SBにコンバート。その後は出場停止を除きフル出場を続けた。
SBとしての守備力や攻撃参加は物足りなさがあるものの、後方からの配給役として後半戦の快進撃を支えた。
尖った特徴がなく、器用さゆえに自分のポジションがなかなか定まらなかった彼にとって飛躍のシーズンになった。
契約更新。
4 田口泰士
今季もキングとして中盤の底に君臨。9月の月間MVPとJ2ベストイレブンを受賞した。
怪我で離脱した5月と出場停止を除き全試合にスタメン出場。衰えを感じさせないプレーを披露した。
攻撃守備面両方での貢献は計り知れず、不在時には指針を失うほど。絶対的キングをチームMVPに推す声も多い。
契約更新。
5 小林祐介
卓越したボールハント能力で前半戦MVP級の活躍。ハイプレスとリトリートの間で定まらなかったチーム状況の中、相手の攻撃を1人で食い止めていた。
後半戦は見木がボランチに定着したことで控えに。チームとしてより前がかりになることに伴い、見木との差が開いてしまった。やはり攻撃面では物足りない印象であった。
とはいえ数字的にはキャリアハイ。
契約更新。
8 風間宏矢
OHを置くシステムでレギュラーに定着。後方と前線のリンクマンとしてスタメン出場を続けた。
相手の嫌がる位置で積極的にボールに絡み、チームの攻撃の中心に。
戦術的かもしれないが90分もたないのが難点ではあり、彼の交代後にどう構築するか迷う時期が長かった。
夏場に得点力を発揮したがそれ以外の時期でもう少しゴールに向かう姿勢が欲しかった。
契約更新。
10 見木友哉
個人的に今季MVPは見木。出場停止を除き全試合スタメン出場。今季も大車輪の活躍だった。
シーズン序盤は左SH、後半戦の主戦場はボランチ、風間交代後はOHをこなしたりとポリバレント。
前半戦は決定力に苦しんだが、ボランチに定着してからは盤石の活躍。相変わらず魅力的な選手だった。
エルゴラJ2ベストイレブンに選出。
東京Vに完全移籍が決定し、遂にJ1挑戦となる。
14 椿直起
序盤戦は主にジョーカー起用、スタメンに名を連ねた時期もあったがその後は怪我もあり出番を減らした。しかし終盤戦は再びジョーカー起用で台頭し来季に希望を残した。
チーム1のドリブルセンスを持ち、左SHで違いを見せるもその後の精度には課題あり。
チームが上昇している最中に怪我で離脱してしまい悔しいシーズンとなった。
契約更新。
17 福満隆貴
年々出番を失いつつあり今季もスタメン出場は3試合のみ。国立清水戦を境にOH風間のサブとして地位を確立したが、脅かすまでには至らなかった。
闘志の見えるプレーと技術の高さ、そして人柄で多くのサポーターから愛された。
涙の契約満了。来季は古巣のJFLヴェルスパ大分でのプレーとなる。
18 熊谷アンドリュー
開幕当初こそ田口と2ボランチを組んだが、今季は怪我が重なり加入後最低の稼働率となった。
チームのサッカーも変化し、怪我がなくとも起用されたかは疑問。という印象を持たざるを得ないくらいに姿を現さなかった。
契約更新。
28 篠原友哉
今季は出場0。TGでも出番はなく、人知れず闘っていたことをのちに知ることになる。
現役引退。君の未来に大いなる幸あれ。
47 東胡次郎
ジェフU-18所属、終盤戦に二種登録。トップチームでは出場なし。昇格のリリースはないため進学か。
65 西堂久俊
夏にFC東京から期限付き加入。左利きの右SHが欲しいところにピンポイント補強ではあったが、強度不足。
米倉の離脱によりチャンスは少なからず貰えていたが、持ち味は殆ど出せなかった。
期限付き満了、来季は新天地鹿児島で引き続きレンタルとなる。
67 日高大
J2屈指の左SBとしてフルシーズンを戦い抜いた。
非常にフィジカルレベルが高く、スプリント能力と上下動のタフネスさはピカイチだった。
鋭い左足で田口の一強だったキッカーを任されることも。
小林サッカーの可変システムにおいて、左サイドの軸として必要不可欠な存在に。
エルゴラJ2ベストイレブンに選出。
契約更新。
25 末吉塁
2022年は欠かせない左WBのレギュラーであったが、4バック移行と日高の台頭によりポジションを失った。
そもそも今季は右で使われることが多く、プレーに迷いが感じられることもしばしば。走力はとても魅力的だが、田中の台頭で薄れてしまったか。
夏に岡山へローン移籍。今オフに完全移籍に移行となった。
FW編
9 呉屋大翔
ちばぎんで早速2ゴールを決め、エース誕生を確信したがシーズンでは大苦戦。
前半戦ではわずか1ゴールと期待外れの結果に。
終盤戦ではスタメンに返り咲いたが結果は5得点。
スピードを緩めないハイプレスや降りてきて組み立てに参加と良い面も見えたが、後方からのボールは収まらず決定機逸。
慣れないタスクを背負わされたとはいえ、やはり結果が欲しかった。
契約更新。
16 田中和樹
京都からローン移籍、オフシーズンで最も遅く発表された加入であった。
開幕戦こそ途中出場→退場とほろ苦いデビューとなったが、その後はコンスタントに出場。
右SHとして異次元のスピードを披露。サポーターの心を鷲掴みにした。
試合を重ねるごとにタフさも増していき、65分あたりが交代の目安だったところから最終的にはほぼフル出場するまでに成長。
唯一ゴールから遠い(遠すぎる)ところが懸念ではあったが終盤戦でようやくゴールを記録。ここは伸び代か。
シーズン終了後最も早く京都から完全移籍となった。
20 高木俊幸
序盤はほぼ試合に絡むことができず、一度出場機会を掴みかけていたところにドゥドゥが加入して出番を失った。
シーズン通したジェフの課題として、スタメン交代後のクオリティの低下が挙げられたが、この課題を克服するようなパフォーマンスは見せられなかった。
クロス精度が高いので、そこを期待され投入された試合ではクロスまで持っていけず。自分の強みをなかなか見せられず悔しいシーズンとなった。
契約更新。
39 新明龍太
ジェフユースから昇格初年度。ホーム甲府戦では劇的な勝ち越しゴールをあげ、明るい未来を予感させた。
やはりプロとして強度不足は否めないが、独特なリズムのドリブルと意外性のあるプレーは光るものを感じた。
契約更新。
41 小森飛絢
結局のところ飛絢が1番のビッグサプライズだろう。
新潟医療福祉大卒のルーキーながら13得点を記録、チーム得点王に。
前半戦はほとんど飛絢の得点じゃないかと思うほどに決めまくった。
怪我やコンディション不良がなければもっと取っていただろうと思うと末恐ろしい。
シュート技術が非常に高く決定力があり、収まりが良くポストプレーも可能でチームのために走れる選手。贔屓目なく将来日本代表に選ばれるような逸材であると言える。
J2ベストイレブン受賞。
契約更新。
77 ドゥドゥ
個人的後半戦MVP。夏に今治より加入後すぐに結果を出した。
前半戦は固定できなかった左SHに定着。16試合の出場ながら7得点を記録した。
個で打開できる選手がいないジェフにとってドゥドゥの個性は強烈であった。
基本的に65分前後の出場に限定していたが、その分前線の守備にも汗をかく。
2023のジェフはなぜ開幕当初からドゥドゥを獲得しなかったのだろう。未だに疑問が残るほど素晴らしい活躍だった。
契約更新。
37 ブワニカ啓太
勝負の3年目。呉屋の不調や小森の怪我で巡ってきたチャンスもイマイチ活かせず。
戦術理解度が低いのか前線でフラフラと孤立しまうことが散見され頼りない印象。
高いポテンシャルに期待はするものの、チームのサッカーには馴染めなかった。
夏に水戸へ期限付き移籍。来季はいわきに完全移籍となった。
以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。