見出し画像

もしも…彼女が僕のオタクだったら…




みなさん。
突然ですが、朝はどう起きてますか?

携帯のアラーム、目覚まし時計…。
もしくは鳥のさえずりでしょうか?


僕の場合は…


カシャッ


スマホのシャッター音です。

〇〇:ん…

??:ふへっ、ふへへへへ…

カシャッ、カシャッ

??:はぁ〜朝から尊い顔!
くぅ〜!!!

〇〇:おはよう…美青。

美青:はぁ〜朝から推しに
名前を呼ばれるなんて…
テンション爆上げだわ〜!!

〇〇:彼氏のこと推しって言うの
そろそろやめない?💧

僕の事を推しと呼び、
僕の撮影会を始めたのは
彼女の的野美青。
大学の頃に出会い一緒にいて
居心地が良かった。

そう思ってた頃に美青の方から
告白され付き合い始めた。

その時も…

美青:やった〜推しと付き合えた!!
こんな神スペイベあっていいのかー!!


…と言っていた。


どうも付き合う前から
僕のオタクになっていたらしく
抑えきれず、付き合いたくなった…らしい。


--

今日は2人とも休日。

僕的にはデートなんだけど…

美青:えへへ〜推しとリアルミーグリ…

美青はオタク丸出しだった。

〇〇:今日も写真撮るの?

美青:もちろん!仕事のためでもあるもん!

美青の首からは一眼レフカメラが
かかっている。

美青は現在カメラマンの助手として
修行中である。

カメラマンを目指した理由は
推しと一緒に仕事がしたいから。

あ、ちなみにこの場合の推しは
僕じゃないですよ?

??:お、〇〇と美青ちゃんじゃん。

〇〇:あ、姉ちゃん。

美青:はわわわわ、ゆ、ゆ、由依さん!

由依:仲良くデート中だったかな?笑

美青が一緒に仕事したい推しとは
この小林由依。
僕の…姉である。

姉ちゃんはモデルの仕事をしている。
美青は僕と付き合う以前から
大ファンだったらしい。

付き合った後に姉ちゃんのことを伝えたら
立ったまま1時間は気絶していた。



由依:どう?〇〇との生活は順調?

美青:はいっ!
順調に推し活させて頂いてます!🫡

〇〇:同棲を推し活っていうかね💧

由依:まぁ仲が良さそうでなによりよ笑
今日もカメラの練習?

美青:はいっ!

由依:また被写体になってあげよっか?

美青:え、いいんですか!?

姉ちゃんはたまに会った時はこうして
美青のカメラの練習に付き合ってくれる。

由依:もちろん!早く一人前になって
一緒に仕事したいもん。

美青:是非撮らせてください!

由依:そうだ!
今日は〇〇も一緒に写ろうよ!

〇〇:えっ!?

由依:実際の現場だと
2人以上の撮影なんていっぱいあるんだし。
美青ちゃんの為でしょ?

〇〇:まぁそういうことなら…

美青:これは…推しと推しのコラボ!!
ふへっ、ふへへへへへ…

〇〇:大丈夫かな…

--

僕の心配とは裏腹に撮影会?は
順調に進んでいった。

カシャッ、カシャッ

美青:いいですよ!
由依さんもうちょっと右向いてください!

由依:こう?

カシャッ、カシャッ

美青:はいっ!バッチリです!
〇〇ももうちょっとカメラの方見て!

〇〇:こ、こうかな…

カシャッ、カシャッ

美青:ん〜最高!
こりゃSDカード5枚持ってきて正解だったわ!

あれ1枚につき32GBだよな?

カシャッ、カシャッ

--

美青:はいっ!オッケーです!

結局姉ちゃん単体と俺単体、ツーショットを
SDカード5枚分を撮り終え、
撮影会は終了した。

由依:どうどう?

美青:はいっ!こんな感じですっ!

美青は撮った写真を姉ちゃんに見せた。

由依:…うん!いい感じ!
また上手くなったね!

美青:ありがとうございます!

由依:この写真送って!
ブログとかインスタに載せる!

美青:い、いいんですか!?

由依:よく撮れてるもん!

美青:ありがとうございます!

由依:でも〇〇の写真の方が
よく撮れてるね笑

美青:ふぇっ!?あぁ…いや//

由依:それほど好きでいてくれてるんでしょ?笑

美青:うぅ//

由依:じゃ帰るね。

〇〇:ん。今日もありがとね。

美青:ありがとうございました!

由依:またね〜。

姉ちゃんは帰って行った。

〇〇:さて、僕らも帰ろっか。

美青:うん!

ギュッ🤝

美青:やばい!
緊急の握手会だぁ!!

〇〇:あはは笑 帰ろっ!

美青:うん!

--

家に帰り晩御飯を食べ、
リビングでまったりしていた。 


美青:ねぇ…〇〇?

そんな時、
美青が深刻な顔して話しかけてきた。

〇〇:ん?どしたの?

美青:私の事…好き?

〇〇:急にどうしたの?

美青:私ってさ…
〇〇のこと彼氏じゃなくて
推しって言ったりさ…
普通じゃないかなって…


まぁ…言われればな。

美青が初めて出来た彼女で
付き合った時からそんな感じだったから
気にしたことはなかったな…。

美青:私ってすごいオタク気質でさ…。
〇〇の何気ない行動も
全てが愛しいと思っちゃうの…。

まぁ…アイドルファンもそんな感情だろうな。

美青:そんな瞬間を押さえたくて
いっぱい写真撮っちゃうの…。
すでにこないだ買った
ハードディスクはいっぱいになりそうだし…。


こないだ買ってたのって1TBだよね?


美青:いっつも私が愛をぶつけて…
〇〇からいろんな活力みたいなのもらって…
これって一方通行の恋なのかなって…。


〇〇:…。


ギュッ

美青:え…。

僕はたまらず美青をそっと抱きしめた。

〇〇:ごめんな…不安にさせて…。
僕から発信することも少なかったもんね…。

美青:…。

〇〇:僕の事を愛おしいと思ってくれる…。
写真をいっぱい撮ってくれるのも
僕の事を好きでいてくれてるって思うから
すごい嬉しんだよ?

チュッ

美青:え…。

〇〇:改めていうよ…。
僕も美青の事が大好きだ。
だからこうしてずっと一緒にいる。
そしてこれから先も…

美青:えへ、えへへへへへ…
スペイベだぁ//

〇〇:これからもよろしくね?

美青:うん!!


この日から1年後。

美青はプロのカメラマンになった。
そのタイミングでプロポーズをし、
結婚した。

子供が生まれたら、僕の時と同じように
写真を撮りまくっていた。

美青:えへへ〜
可愛い、可愛い!!

カシャッ、カシャッ


美青の推しがまた増えたようです。



美青:推しのいる生活…最高!!!


Fin


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?