Start over!
とある駅前…
夏鈴:はぁ〜…なんでこんなことに…
ーー
一ヶ月前…
夏鈴:はぁ!?温泉旅行!?
〇〇:くじ引きで当たっちゃって…
夏鈴:な、なんで私と?
〇〇:いや〜恥ずかしい話…
夏鈴:誘う人がいないんでしょ?
〇〇:あはは…
こいつは幼馴染の〇〇。
家も近くで小中高、そして大学も一緒だ。
夏鈴:全く…大学入ったら速攻で
彼女作るって言ったのはどこの誰でしたっけ?
その発言で誰かが傷ついてるとも知らずに…
私は〇〇の事が好き。
でもその事を伝えてしまったらこの関係性すら
やり直せなくなってしまいそう。
だからずっと伝えずにいた。
〇〇:なぁ頼む!夏鈴しか頼める人居なくて…
ーー
あのまま断り切れなくて結局行く事に
なってしまった。
きっと〇〇は私の事ただの幼馴染としか
思っていない。
だから必要以上に関わらないようにした。
なのに…2人で旅行なんて…
夏鈴:てかあいつ遅いな…
待ち合わせの時間は過ぎている。
そこから少し待つと…
〇〇:夏鈴〜!
〇〇が走ってやってきた。
夏鈴:遅い!!
〇〇:ごめん!反対のバスに乗っちゃって…
〇〇は少し抜けているところがある。
まぁそこも可愛いんだけど。
夏鈴:全く…ほら!早く行くよ!
ーー
夏鈴:はぁ…予想はしてたけど…結構遠いね…。
〇〇:まぁ秘湯って言われてるらしいからね…
私達は山奥にある旅館に向かっていた。
正直、疲れた。
夏鈴:はぁ…
〇〇:夏鈴?
夏鈴:なに?
〇〇:大丈夫か?
夏鈴:べ、別にこれくらい…
〇〇:いいから無理すんな。
夏鈴:えっ、あ…
〇〇は私の荷物を持った。
〇〇:俺が連れてきたんだからこれくらいするよ。
夏鈴:あ、ありがと…
昔から〇〇は優しい…。
でもそれは私だけではなく周りの人全員に。
ちょっと嫉妬しちゃうな…
ーー
〇〇:着いた〜!
旅館に着いた私達はチェックインを
済ませ部屋に向かった…
のはいいんだけど…。
夏鈴:…なんで相部屋なわけ?
〇〇:多分ペアチケットだからだと思う…。
夏鈴:はぁ…。
〇〇:ちょっと部屋分けれないか聞いてくる!
夏鈴:いいよ。多分厳しいだろうから。
〇〇:そ、そうか…
年頃の男女が部屋2人きり。
この状況に少し喜んでいる私がいる。
〇〇:あ、大浴場もう入れるみたいだよ?
夏鈴:そう…疲れたし、もう入ろっかな。
〇〇:そうしよっか。
ーー
〇〇:じゃ、また後で。
夏鈴:覗かないでよ!!
〇〇:はいはい笑
ーー
夏鈴:ふぅ〜
さすがに秘湯と言われるだけあっていい気持ち。
少し早い時間なのか他に誰もいない。
夏鈴:あ、露天風呂行こうかな。
外に行くと広い露天風呂があった。
夏鈴:奥の方いこ。
奥の方に行くと…
夏鈴:は?
〇〇:は?
夏鈴:なななな、なんでいるの!?
覗きどころか侵入よ侵入!!
〇〇:いや、それお前の方だろ!!
夏鈴:え!?もしかしてここ…
〇〇:混浴?
夏鈴:みたいだね…
〇〇:ごめん!今出るから!
夏鈴:だ、大丈夫だよ!
〇〇:え?
夏鈴:せっかく来たんだから、背中合わせに入れば…
〇〇:お、おう…
夏鈴:でもこっちみたら怒るからね!
〇〇:わかってるって。
私と〇〇はお互い外の方向いて温泉に浸かっていた。
あんな提案をしたのは自分でもびっくりしている。
夏鈴:にしてもあんたと旅行って幼稚園以来だね。
〇〇:そういやそうだな。
夏鈴:あの頃は楽しかったな〜
〇〇:今はつまんないの?
夏鈴:別にそういう意味で言ったんじゃないの。
あの頃は素直だったなって…ボソッ
〇〇:え?なんて?
夏鈴:なんでもない!
やっぱり素直になれない…
もっと前から素直だったら今後ろにいるのは
幼馴染じゃなくて…彼氏だったのかな…
はぁ…やり直せないかな…
そんなこと考えてたらのぼせてきたのか、
ぼーっとしてきた…
夏鈴:ねぇ〇〇?
〇〇:ん?
夏鈴:私達…付き合わない?
〇〇:え?
夏鈴:え?
〇〇:今…
夏鈴:今、私なんて言った!?
〇〇:その〜間違いじゃなければ…
付き合わないって…
夏鈴:ち、違うの!
ちょっとのぼせてぼーっとしてて…
〇〇:う、嬉しいよ!
夏鈴:へ?
〇〇:その…夏鈴って俺のこと異性として
見てないのかなって。
だから半ば諦めてたんだ…
夏鈴:本当に?
〇〇:本当だよ。
夏鈴:本当の本当の本当に本当に本当に本当!?
〇〇:だから本当だよ!
夏鈴:嬉しい…
〇〇:だからこれからは恋人として…
よろしくお願いします!
夏鈴:うん!
ーー
温泉を出た私達は部屋でご飯を食べて、
あとは寝るだけだ。
夏鈴:そ、それじゃ…おやすみ。
〇〇:おやすみ。
布団を2つ並べ、それぞれの布団に入る。
だけど…全然寝れる気がしない…
夏鈴:ねぇまだ起きてる?
〇〇:うん。
夏鈴:今私ね?あんたといる時の中で
今までにないくらいドキドキしてる…
〇〇:そっか…
夏鈴:ねぇ…そっちの布団入っていい?
〇〇:あぁ…
夏鈴:それじゃ…
私は〇〇の布団に入った。
夏鈴:なんか落ち着く。
ギュッ
〇〇:え?
夏鈴:なんか幸せ。
〇〇:そうだね//
夏鈴:これからは彼氏として、よろしくね!
〇〇:うん!
昔諦めてた恋。
その分をやり直す為、もっと素直になろう!
Fin
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?