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【サイト分析】ファンの心を掴む養命酒のキャンペーン

薬用養命酒が高頻度で、ツッコミどころの多い「養命酒グッズ」を賞品としたキャンペーンを展開している。今回はそんな養命酒が発信するキャンペーン施策の魅力について考察してみた。

ファンのためのキャンペーン

まず、養命酒は、養命酒ボトルをそのまま公式キャラクターにした通称「ビンくん」をプロモーションの主役に置いている。そしてたまに、養命酒が入った真っ赤な箱のキャラクター「ハコさん」も登場する。見た目の渋さに安直なネーミングが効いている。

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SNSを見ると、こうしたビンくんの存在や養命酒のシュールさに親しみを持つファンが一定数いるようで、養命酒のキャンペーンはそんなファンたちの期待を裏切らないことに力を注いでいるように見える。

養命酒大喜利は「何をしてもスベらない領域」に突入している

養命酒はこれまで、養命酒ぬいぐるみ、養命酒抱き枕、養命酒腹巻き、養命酒モバイルバッテリーなど、老舗メーカーあるあるなプレゼントグッズを生み出してきた。

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しかし最近、第二形態のグッズが目立つようになってきている。
例えば、毛だらけの冬仕様ビンくんや、しっぽ付きの毛だらけビンくん、「養命酒の皮(ガワ)」などである。

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養命酒の皮に関しては、スマートスピーカー機能を搭載した「AI養命酒初号機」の中身を抜いただけの代物となっている。しかし、これまでに培ってきた「養命酒大喜利」の歴史が、こうした意味のわからない賞品さえもユーモアに変換してくれ、さらなるブランドへの愛着醸成へと繋がっているように思える。

「くだらなさ」へのこだわり

「養命酒の皮」は、「養命酒ポーチ」と表現しても間違いではない。というかその方が商品としてはわかりやすいが、キャンペーンのプレゼントはあくまでも「商品」ではなく「賞品」。養命酒に関しては、いかに大喜利するか?くだらない感じを出すか?が勝負であり、敢えての「皮(ガワ)」という曖昧でありながら親しみのあるネーミングがその効果を発揮している。

参考にならない使用方法

「養命酒の皮」のサイトでは、そんなくだらなさを追求したコンテンツがいくつも見られる。その中のひとつに、「養命酒の皮の使用方法」がある。例えば、手にはめて遊ぶパペットとして、マイ養命酒ボトルに被せる目印として、キャップ部分を使った隙間のお掃除グッズとして、ドアノブカバーとして・・・などなど、むしろ不便な方向へと盛り上がっていく参考にならない使用方法がクセになる。

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そんな「使用方法」の顔をした大喜利解答を紹介してから、「皆さんの使い方も大募集!」とSNSでのシェアに繋げる流れもうまいなと感じた。

まとめ

キャンペーンは、一時的なフォロワー稼ぎや購買促進だけではなく、「性格」を一貫させることで、ファンの育成に繋げられる力を持つと考える。
最近は、「おもしろを追求してるのは分かるけどなんか愛せない」という感じのプロモーションも目立ってきている。そんな中でも、養命酒のキャンペーンはちゃんと公式感を保ちつつ、おふざけに踏み切っている良い例だなと感じた。


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