−52日
こんにちは。煙束 魚顕宿者です。
今日は施術場所やモチーフについて書こうと思います。
左手首に月と文字を入れようと思っています。
中学生から自傷癖があり、左腕に線状の白いケロイドがあります。これは例えば手を洗うときに袖を捲る程度では見えない位置にあります。腕の内側なので見せようとしない限り他人は気づきにくいです。私はこれをよく眺めています。もう忘れてしまいましたが、この線1本1本に私の気持ちがあったんだなと思うと感慨深いからです。もう全て白くなり新しい傷はここ数年ないのですが、ふとそういう衝動に駆られる日がごくたまにあります。息をするだけで精一杯なそんな日は、このケロイドから想起される過去の嫌だったときオールスターズが急に私全て終わらせようとしてきます。また切っちゃって死んじゃえばいいじゃん。それは駄目だと分かっているのでやらずに済むのですが、嫌だった過去から自我が連続している事実が私をそういう弱い気持ちにさせてきます。もう終わった事だから大丈夫だと思う反面、明確な終わりがなかったためまたあの地獄のような日々がいつ戻ってくるやも分からないという不安もあります。
それを終わらせようという意味があります。今まで散々傷つけてきた左腕を「これが最後」としてスカリフィケーションをする。これ以降は一切傷つけない。まだ傷のない手首に入れることで「これ以上切らない」と自分と約束する。アーティストにやって頂きアートとして完成した自分の体を自分で傷つけて台無しにするわけないという自負もある。今まで蔑ろにし続けた自分の左腕への謝罪と労いもある。かわいい模様でドレスアップしてあげて、無かった事にはせずこれからも一緒に生きていく。過去との決別と共生。明確な終わりを自分で作る。そんな思想があります。
モチーフは月です。昼間の白い月が好きなので、いつでも手首で見れたら嬉しいなと思いました。三日月と迷いましたが、逆向きの二十六夜月にしようと思います。もうすぐ消えてなくなるけれども、また新しく現れて太っていく月。いつか終わりが来るから大丈夫。また始まるから大丈夫。他人から見たときに三日月の向きなのもいいなと思いました。三日月は願いを叶える祈りの星。あなたに幸運がありますように。
月の周りの線はゴッホの糸杉や星月夜に描かれているぐるぐると渦巻く空の表現です。単にゴッホが好きなので、せっかくならエッセンスとして頂いておこうと思いました。とりあえずゴッホより早く死なないようにしようと決めているのでその事をいつでも思い出してつらい時も頑張れるようにしたい。
その下に、元々ある線状のケロイドに少し被せる形でR.I.P.と入れたいなぁと思っていますがこれはまだ迷ってます。 Rest in peace.安らかに眠れ。死にたいと思っていた自分の精神の墓です。ある日、私の魂って私の体の中で死ぬんだなと思ったら墓を建てなきゃと思いました。誰かが弔ってくれる気がしないので、予め用意しておけば多少安心かなと。全員看取って最後のひとりになっても安心だ。もう墓あるからね。ここでちゃんと生きてここで死んでいい。そんなメッセージを体に刻んでおきたい。
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