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徒然

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気に入った俳句、短歌、一言を集めてぼちぼち呟きます。
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2023年4月の記事一覧

【寝ころんで酔のさめたる卯月哉 子規】20230416
4月に入り春らしくなり、酒盃を傾けて夜を過ごしたのだが、横になっているうちに冷え込んできたようだ、ということか。それとも、春になり動物が目を覚ますように、自身の感性が鋭くなったことを直感したという句か。春の夜は気候が繊細だ。

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【落ちかかる石を抱えて藤の花 子規】20230423
天候の良い日であったので、久しぶりに自宅を出て散歩をしてみた。適当な道を選んで歩いていると、2軒ほど軒先に藤の花が垂れ下りている家があった。自身の生命をつなぎとめようとして、長く下がる藤の花に希望を委ねる春の執念か。

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【春の夜や暗がり走る小提灯 子規】0430
22時を回る時間に電車に乗っていると、いよいよ夜が走り出すという感覚が湧き上がってくる。小さな子ども連れのお母さんが一息ついている座席の前で、首から顔にかけて刺青を彫り込んだ男が大声で笑っている。電車を降りた人々はどこへ帰るのだろうか。

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