見出し画像

ときに優しさは逆手のナイフ

(プライベートの会話をご飯炊きながら思い出して)

素晴らしくあろうとした優しい人が、闇の向こうに消えてしまった。

全力で優しさが貫かれても、急にとり残されてしまったら凄くかなしいから、そんなの少しでもサボって、だめでも居て欲しかった、そう思うけど、優しいひとはずっと苦しいんだよね、など。

そう話をしていたら、その相手から、言ってなかったんですが、実は自分は、からはじまる、失った過去についての打ち明け話。まず、話してくれて嬉しかった。

知らなかった真実に少し泣いた。

びっくりしただけで、後から悲しくなって泣きません、って言い、ティッシュで鼻をかむ。

普段の会話で、言おうかどうしようかー?って迷い、いろいろ自由に話したいから言ってしまっただけだから、気にしないでって。

だけどきっと、知らなかったわたしがつい言っていた言葉は、わずかだけど、あなたの気持ちをキュッと摘んでいた。

自分の話すときの視野はどうなんだろう、あなたがまとう環境は、あなたそのものじゃないんだ、わたしの見つめる先が、あなたそのものだけであれば、そんなことにならなかったのか。だれがわるい、となる話じゃないかもしれないけれど考えてしまう。

あなたが席を外して、また少し、優しさに涙がこぼれてしまった。だからしばらく、わたしにナイショにしていたのだとわかる。心配をかけないほどにつよくありたい。

ふとナイフを逆手で握りしめるイメージ。

優しいひとが、優しさでさらに苦しくならなければいいのに。

(ご飯が炊けたからおしまい)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?