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ロウドウジンVol.1 巻頭言

2010年12月5日発行 ロウドウジンVol.1 所収

はじめに

「反社会人サークル」などというのはきわめて触れ合いたくないタイプのサークルの名称のように思える。それもそのはず、「反社会」という言葉の持つイリーガルな印象がそうさせるのだろう。しかしそれは誤りである。本サークルは「反=社会」的な行動、すなわち国家転覆などを願う団体ではない。正確には「反=社会人」にして「反=社会人サークル」なサークルなのだ。本誌ではそんな反社会人サークルの日常というか非日常というか、そもそも実在しているんだか非実在なんだか、そんなリアリティを切りだしてお届けすることが出来れば幸いである。というか、本誌の製作によってはじめて反社会人サークルがサークルとして活動を開始したのだ。しかし事実はそうではなかった。ニートはニートのまま社会には出ることができない(語義矛盾)ように、反社会人サークルも社会人サークル的には振る舞えないのだ。そんなジレンマもまた、本誌から感じ取れるのではないだろうか。


2011年11月3日発行 ロウドウジンVol.1新装版 所収

新装版に向けて

 おかげさまでご好評いただいており、ありがとうございます。反社会人サークルです。わけもわからず反社会人サークルという名前の響きだけで同人誌を作り始めてから、なんだかんだで1年半近く経ちました。いまだに反社会人とは何か? 反社会人サークルとは何か? 等々、疑問にはことかきませんが、ミステリアスな方がモテると小耳に挟みましたので、このままミステリアスなままで進行させていただきたいと思います。

 というわけで新装版なのですが……とここでミステリアスだけに「真相」版を、みたいな駄洒落を挟みたくなるのはわたくしことnoir_kが駄洒落貧乏だからにほかないわけでして、このVol.1にはそんな駄洒落文章(しかも無駄に長い!)ががつんと入っております。オリジナル版では天下のMicrosoftの総力を結集して作られたWordというワープロソフト(ご存知ですか?!)によるシンプルなフォーマットに落としこまれた駄洒落文章が10ページにわたって続くという、ぱらっとチラ見したひとを(悪い意味で)困惑させつつ、タウンページだろうが何だろうがむさぼり読む活字中毒者のこころをがしっと掴む体裁になっておりましたので、せっかく再販するならば……と勢い込んでみたものの、意外と作業に難航し、その裏では新刊も作らなければいけないむむむ……といった感じになりつつも、このような形とあいなりました。

 最近は反社会人サークルも方向性がやっと決まってきて、なにを間違ったか「反=社畜」的な方向に舵をとりつつあり、ときおり中の人としても悩んだりするわけですが、初心忘るべからずというわけで、本誌をお手に取っていただけた喜びに感謝感激雨霰でございます。少々荒削りですが、ぜひお楽しみいただければ幸いです。

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