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ロウドウジンVol.4 巻頭言

2012年5月6日発行 ロウドウジンVol.4 所収

 半年ぶりのご無沙汰になります。反社会人サークルです。いかがお過ごしでしたでしょうか? 前回の特集「死」は、いっけんネガティヴな問題設定ながらも、思いの外好評に受け入れられたようでとても嬉しく思っています。内容やメッセージは真摯かつポジティヴでしたからね。まあ、せっかくの「死」なんてテーマだったら、今回すなわち第4号でやればよかったな、などと反省もしているのですが。「シ」だけに、ね……。ふふふ。

 さて、あの東日本大震災から1年以上が経ちました。早いものです。喉元すぎれば熱さもなんちゃらとばかりに油断しまくっているひとも少なくないのではないでしょうか。まさか、自分だけは死なないだなんて思ってないでしょうね? それは傲慢です。前号のキャッチフレーズをあらためてご紹介しましょう。「社畜もいつか死ぬ」。震災のことを忘却し、毎日へらへらと笑っている愚かなる君には、毎朝鏡に向かって「社畜もいつか死ぬ」と呟く罰を与えましょう。最初は苦痛かもしれませんが、そのうち楽しくなってくること請け合いです。わたしが保証します。

 確かに、震災による死のイメージは希薄になってきています。かわりに最近は高速バスだったり、通行中に歩道に飛び込んでくる自動車だったりと、自動車がらみの死のにおいがぷんぷんします。そういう時はファブリーズで一蹴(臭)してしまいましょう。会社に引きこもる社畜にとっては、安全な時代といえるかもしれません。しかし、社畜は悪です。死を意識できない生物に、生きている価値はあるのでしょうか。社畜もいつか死ぬ。だから、われわれは生きなければならないのです。……このあたりの流れが良く分からないひとは第3号「死」をお買い上げくださいませ。ちなみにこれをステルスマーケティングと呼びます。

 とまれ、強引にマーケティングの話を出しましたが、今回の特集テーマは「メディア」になります。デヴィッド・フィンチャーによる映画『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)の公開や震災時にSNSの果たした安全確認システムあるいは一時情報ネットワークとしての役割、はたまた震災復興期の「絆」といったテーマ性からも、いまメディア(特にソーシャルメディア)に対する関心が非常に高まっています。同時にわれわれ反社会人サークルも、主に社畜プロモーションと呼ばれる分野(註:反社会人サークルによる造語です)におけるメディアの使われ方に変化の波がきていることを感じ取っていました。ということで、これはやらねばとばかりに立ち上がったのです(すっく)。ちょいとばかし敵が大きくやっかいなテーマではありますが、最終的にかなりプラグマティックな解決を提示しています。ご期待ください。必ずや読者諸君の反社会人ライフを手助けできると信じています。にこにこ。

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