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ロウドウジンVol.2 巻頭言

2011年6月12日発行 ロウドウジンVol.2 所収

 かの有名ミュージカル映画『チキ・チキ・バン・バン』のメロディにあわせて「しゅらばんばん♪ しゅらしゅらばんばん♪」と口ずさみながら両手の親指と人差指で架空の拳銃をつくり交互にその引き金を引いている現代人の皆さま、お久しぶりです。反社会人サークルです。

 前回の「ロウドウジン」第1号から半年、ふたたび皆さまのお目々を汚すことができて嬉しく思っています。まずは復習にもなりますが、本誌は「反社会人」という摩訶不思議なタームをでっちあげてこれと戯れてみようというコンセプトの総合誌になります。反社会人の定義には諸説存在しますが、そもそもわれわれがでっち上げた概念ですので、いわば「勝てば官軍」的なところも少なくありません。現代社会の知の巨人ことGoogle先生に訊ねてみても、当サークルのブログがヒットするばかり。それどころかサジェスト(キーワードを途中まで入力すると候補を出してくれる機能)に「反社会人サークル」が出てくるあまり。われわれの地道な活動が実を結んだ輝かしい栄光の一瞬! 乾きに乾ききった日々の生活の中で出逢った一輪の花!

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【証拠】 みんなもどんどん検索し(ぐぐっ)てみよう!

 ……ついにわれわれが社会の木鐸として認められたということです。

 しかし、そうは問屋が卸しません。しかし×2、「問屋」の一般的な定義からすると問屋=卸売業者です。すなわち、卸さない問屋はもはや問屋ではない、ということになります。ではいったい何なのでしょう。はっ! もうひとつの可能性がありました。そうです……「反社会人」。これが反社会人のひとつの具体例なのです。

 世界は無数の矛盾で満ち溢れています。そのひとつひとつからは確実に反社会人の要素を抽出することができるでしょう。たとえば、エントロピー増大の法則(熱力学第2法則)という法則があります。詩的に言い換えれば、すべての生物は必ず死ぬ、という法則です。日常の話に引きつければ、水は高いところから低いところに流れるし、熱いものは冷めます。自然の摂理というやつですね。だけどまわりを見渡せばおわかりになるように、みんな平々凡々と生きています。これは奇跡的な矛盾のかたまりなのです。ここからも反社会人の馨しき香りが漂ってきませんか? ……漂ってきませんか、そうですか。鼻が詰まってるんじゃないですか? えっ? 「つまらない」だって?!

 とまれ、反社会人サークルです。この半年のあいだには東日本大震災を中心にこれまで当たり前のように共有されていた価値観が大きく揺らいできています。逆説的にタコツボうんぬん、大きな物語うんぬんといった社会傾向の中にも、まだ一定の価値観が共有されていたことが浮かび上がってきてもいます。しかしまあ、ここは「巻頭言」なのですからキャッチィでキッチュでポップな言葉を並べてユーのハートをゲッチュ! すれば良いのですが、なんだかんだで大真面目にやっているのです、はい。……以上、反社会人サークルでした。まる。

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