地元の郷土史を伝えたい 【遠州天狗屋さんの見つめる窓を覗いてみたら】

浜松市で、てんぐちゃんと共に、天狗を主とした郷土史、土着文化を伝えるため、遠州天狗屋で張り子作家として活動している坂田吉章さん。 この度、私たちは坂田さんにインタビューを行い、その目が見つめる窓をのぞいてきました!!

軒先にて

僕が伝えるよりもてんぐちゃんに

ーーどうして天狗と張り子を選んだのでしょうか。

坂田さん
これにしよう!と選んだ、というよりも、そこに張り子と天狗があったからというのが強いですね。

浜松にはたくさんの天狗の話があるんですよ。郷土史をもっと伝えたい!というのが僕の活動の目標なので、天狗をモチーフにするのはぴったりだなと思って選びました。僕が伝えるよりも可愛いキャラクターが伝えた方が…と思って、てんぐちゃんというキャラクターが生まれました。それに、何百年も昔からある天狗伝説が、この先何百年経っても浜松の土地を辿れるきっかけになるというところに面白さを感じているので。僕の生きてる数十年に、横に鼻が生えてる天狗の作品をいっぱい残しといたら、先の未来で、なんかウケるかなって思ってやってます。笑
そのキャラクターをグッズ化したい!ってなった時に、こちらもまた浜松の民芸品の張り子でやってみようと思いました。

好きなことはやめられないタイプ

ーーこの張り子作家の活動を始めるきっかけとなったことは何ですか。

以前は京都で活動していました。元々、お寺とか神社が好きで、そういう日本らしさのあるものって京都に行けばたくさんあると思い込んでいた部分があったんですよ。その当時、京都に住みながら、地元浜松に帰ったときに撮影した写真でウェブメディアを更新していました。「てんぐちゃん下界で遊ぶ」っていうサイトで、今もやってるんですけど、それが楽しくて、続けたいなと思ったのがきっかけです。好きなことはやめられないタイプなんで。笑
浜松にも郷土史、土着文化って沢山あるんだなと分かってからは、地元で活動をしています。

インタビュー風景

ーー張り子については以前から知っていたのですか。

知らなかったんですよ!大学生の時は、ダルマとかがそういうものだってことは知ってたんですけど、それが「張り子」という名前で認識していたかと言われると、してなかったですね。張り子っていう民芸があることを知って、YouTubeで調べてやってみたら、意外と行けそうだなって。もちろん失敗はめっちゃしました!
最初は京都で作ってたんですけど、浜松で作ってみたら乾くのが早くて作りやすくて…!湿度の高い京都よりも、日照時間が長くて風のある浜松の風土が張り子作りには適していました。浜松の郷土玩具である張り子の制作過程からも、その土地の姿が見えるっていうところに僕はすごいロマンを感じました。

健康第一の生活

ーー創作をする日の1日のスケジュールを教えてください。

1日のスケジュール聞いておもしろいですか?笑
スケジュール的にはこんな感じです。

1日のスケジュール


こういう仕事をしていると、日光に当たることが少ないので、朝は散歩に行くとか、バランスのいい食事を摂るとか、とにかく健康に気を遣っています。
あとは、15時からお昼寝をします。「攻めの昼寝」って呼んでるんですけど。笑 どれだけ元気があっても、20分くらいそこで寝ておくことで後半戦も頑張れます。それから最近すごく頑張ったのは、23時になったらスマホやパソコンを全部寝室から出すようにしました。

ーーそれはすごいですね。

そうなんです。マジで頑張って寝るんですよ。そうすると、朝起きた時に達成感が得られます。

ーー制作時にアイデアが出ない時はどうしていましたか。またリフレッシュの方法などはありますか。

張り子を作る以外にも、ありがたいことに色んなお仕事をもらっているので、アイデアが出ない時はそのお仕事を進めるようにしていますね。これが上手くいかない、と思ったら違うことをやる。それの繰り返しです。それが気分転換にもなっていますね。

天狗張子の制作風景

ーーこれからの目標とかはありますか?

あんまり明確には決めてないんですけど、昨年、海外で日本の張り子の文化を伝えるという仕事をいただいて。それがすごく面白かったので、そういう仕事をもっとやっていきたいですね。
あとは、漫画!てんぐちゃんの漫画をかきたいです。長期的な話で言うと、生涯現役ですね!そのために健康的な生活をしているわけです。

ーーなるほど!そこに繋がるんですね。

ーー今回のクリエイターズフェスのような地域に根付いた活動に参加される思いを教えてください。

会場であるクリエート浜松は、浜松市のクリエイティブ活動にずっと関わっている場所なので、浜松生まれの僕がそこで仕事をできること、それから、近い熱量でものづくりをされている他のクリエーターさんと一緒にやれることがとても嬉しいです。基本一人で制作しているのでね。他の方の刺激をもらえて、それが自分の創作意欲にも繋がっています。偶然の出会いって、僕はすごく好きなので。

図工の延長線上

ーー参加者の方へ何か伝えたいことはありますか。

そもそも僕の活動は、敷居が高いと思われやすい郷土史に興味を持つ入り口にしてもらいたいと思ってやっているんですよ。郷土史に興味のある人って少ないと思うんです。それと似ていて、クリエーターズフェスは、アートとかの、ちょっと入りにくい世界をすごくポップにしてくれる、入り口としてのイベントなので、図工の延長線上だと思って楽しんで欲しいです。綺麗とか可愛いとか面白いとか、気軽にアートで心を潤してもらって…。そこからハマる人は、よりコアなところに行けばいいと思います。

色鮮やかなメインギャラリー

ハママツクリエターズフェスが7月の19(金)〜21(日)日にあります!!
今回インタビューさせていただいた坂田吉章さんも参加します。20日、21日にはてんぐちゃんの絵付け体験もありますので、ぜひ遊びに来てください!

私たち静岡文化芸術大学生もお手伝いさせていただきます!当日みんなで楽しめることを心待ちにしています!!

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