自前でFESをやった話(2)

2.TSUJI ROCK FES予行演習に至るまで

〇これまでのお話
同じ大学出身の5人が、卒業後に再会し野外FESを計画。チーム名「R.O.S. SANTOSH」を掲げ、目玉はテントサウナに決定。各人の得意分野でチームに貢献していく。
〇メンバー
TSUJI ：テントサウナ(福井在住)
TODDY ：写真家　（以下愛知勢）
KEVIN ：DJ、Pick-up artist
善ちゃん ：デザイン、怪魚ハンター、RAP
ヤス　　 ：カレー、Zine、この文章の筆者

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7月末のある日、愛知支部の4人はTODDYのヤサで腕相撲大会をしていた。（TSUJIは福井で、残りの4人は愛知。ここで名古屋と言わないところがミソである。）TODDYは"ARM WRESTLING PARTY"なるものをゲリラ的に開催し、栄だろうが地元のバーだろうが、職場だろうがご自慢の筋力で相手をねじ伏せていく。KEVINもDJとして時折参加し、バトルフィールドに華を添えているようだ。

筋肉自慢と腕力比べ、それからみな武道を心得ているので各々の基本動作の教え合い（空手、柔道、相撲など意外にも武闘派である）FESとは全く関係ないことをしながら思った。

これでは何も進んでいない。体育会系の集いではないのだ。脳筋の'92年組を差し置き、'94年組の善ちゃんと私は気づいている。
「FESの予行演習必要じゃね？」
何事も準備が8割、本番2割である。パワー系の方は当日合わせでゴリゴリやるのかもしれないが、何事もトライアンドエラー、予習復習が肝心なのだ。

筋肉自慢はおいといて、地元のチャイニーズレストランでズビズバと栄養補給をし、予行演習についての案を練る。
サウナとカレー、DJは必須であろう。各自準備に取りかかっていく。善ちゃんはグッズとフライヤー作成、TODDYは肉体づくりと宣材用の写真撮影と選定に入ってもらうことになった。TSUJIにも連絡をしながら9月初日、福井はTSUJIハウスにて開催が決定された。

しかしながら夏休み、我々がじっとしていられるはずがなく…（今思えばこういうことが当たり前にできていたことに驚く。悪い予感のかけらもないさ、ってヤツだね。）TODDYはメキシコへラテン文化摂取、KEVINは離島へ、TSUJIはステディを追いかけ上海へ。善ちゃんはコロンビア釣行、私は台湾へ料理アイデアを探しに。（予行演習なんて考えず）各々の自己研鑽を積んだ。夏休み中、我々のグループラインには各国の写真と奇妙奇天烈な冒険譚が並んでいた。これはまた別の機会に皆に話してもらいたい。

8月も下旬に差し迫るものの、話し合いも進まぬまま休みモード全開で予行演習へ突き進んでいく。あれ、準備8割とは、、、（言っておくが、私はちゃんと準備してあったからね。）

9月になった。朝の風は涼しい。
前日になってTODDYは福井に前乗りしていることが判明。前もって愛知勢は私の車で乗り合わせていく予定だったが、さすがのTODDYISMだなと感心をしていた。KEVINは当日朝、安定の遅刻をかまし（それを見越して早めの集合時刻を告げておいたが）'92年組の安定した不安定さにどこか安心をしていた。青春パンクからハウス系、ブラジリアン、ジャズ、シティポップ、サンリオミュージック（ツァイツェンありがと）などごった煮のDJ KEVINセレクトの中、福井へとハイウェイを進む。休憩もはさまず3時間ほどで到着。

到着するや、TODDYは上裸で飛び出し、謎の踊りを練習している。意外にもTSUJIとKEVINが会うのはこの日が初めてだった。メンバーが初めて出揃い、気合も十分となったところでTSUJI GIRLSが到着。これまでに数々のイベントを行ってきた彼にはファンがついており、我々の旗揚げにゲストとして呼んでいたのであった。田舎モンの集まりだもんで、急な若い女の子たちがやってくると何も話せず、私の調理する厨房へ全員が集結してしまい皆かわいいなと思ってしまう。

緊張も解け、BBQとカレー、KEVINのDJと善ちゃんのRAPを楽しみながら今後の展望などについて語らう良い時間であった。
特にウフフなこともなく、田舎モンの奥ゆかしさをさらけ出しただけで終わる。最後っ屁のように、TSUJIの携わる雑誌でかわいい女の子選手権を開催し余計残念な気持ちに。

カレーについては改善点も見え、善ちゃんはフライヤーが仕上がりますますFESへの期待は高まった。TODDYの写真は冴え、KEVINのスキルにも磨きがかかり、TSUJIのテントサウナは、、、この日行われなかった。
彼のホスピタリティは抜群だった。テントサウナやると銘打ってやらないという選択肢もあるんだなという柔軟さになんだか心が緩んだ。

我々の夏はこの後もまだまだ続いた。