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もしも入院中の家族に”鼻の管”が入ったら。

今回は、

医療者でなければなかなかお目にかからない、

”鼻の管”についてです。


この記事を読めば、

胃管カテーテルを入れることがなにを意味して、

どんなリスクに立たされた状態であるのか、


この答えを知ることができます。



・鼻の管ってなに?

・鼻の管ってどうして入れるのか?

・入れなければならない理由

・考えられる今後

について、

一般の方でもわかるよう、

わかりやすく伝えて行きたいと思います!


では行きます!!


・鼻の管ってなに?


ズバリ、

「胃管カテーテル」と言います。


なにかしらの理由で

口から食べ物を食べることができなくなった人に、

口の機能の”代わり”に栄養を直接胃へ届けるチューブのことです。

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または、

胃の中の圧力を抜いて、

嘔吐を予防する際にも使用されます。


若い人でも、事故などのある日突然の不幸で意識不明になると

口からは栄養が取れなくなるため、

入れられることがあるものです。

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実物はこんな感じです

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例えば自分の家族が脳梗塞や脳出血など、

頭の病気になった場合に入れられることが多く、

そうなった場合、


抜去して口から元のように食べ物を食べれるようになることは

臨床でもあまり見たことがありません。


みなさんが何気なくしている”飲み込む”行為を

嚥下(えんげ)と言います。


もしも身近な人が頭の病気になった場合、

この飲み込む行為を担う機能が障害される場合があります。


それを補う代替ツールの候補の1つが

この胃管カテーテル(鼻の管)というわけです。


しかしながら

鼻にこんなものが入っていたら、

正直たまったものじゃないと思います。


薬を投与するのにも使いますが、

胃管せん違和感や不快感が強いです。


だから患者さんの多くがこの管を

ぶち抜きます。笑

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これがもう本当に多い。

こっちとしては栄養を入れたい。


でも

認知症などでその必要性を十分理解出来ない人などは

予期せぬタイミングで引っこ抜いてきます。


そうすると、

よくニュースで話題にもなる、

「安全帯」

を使わなければならなくなり、


その中でもここではミトンが使われます。

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患者さんの苦痛が強いのが大きな特徴なので、

なんとか口から食べれるくらいに回復すればいいですが、


管を入れると、喉への刺激でヨダレも出やすくなり、

元々飲み込む力の弱っている方にヨダレは天敵です。


肺に入って肺炎になるからです。


また

痰も多くなるので、

うまく出せずに、最悪の場合窒息してしまいます。


このように、

治療には常に、効果があれば副作用があります。


その人の状態にあった選択をしていく必要があるので、

「たべれなくなったらもう寿命だよ」

とおっしゃり、


先生に胃管カテーテル抜去をお願いする家族もいます。


「いっそ抜いてあげて、

苦痛が減るのなら、そうしてください。」


いろんな選択肢のある中で、

でも答えはない、それが医療です


本人がどこまでの”治療”を望んでいたか、


病に倒れる前に把握しておくのが、


その後の本人がその人らしく行きていくために

大切なことであり、


その声を代弁してあげるのも、

家族の大切な役割だと思いながらいつも看護しています。


僕たちは倒れてからの患者さんしか知らないので、

そのあたりをどのように伝えるかは、

その人のその後の人生に大きく関わってきます。


ちなみにぼくは、

たべれなくなったらもういいと思ってます。


大好きなもの、口から食べれなきゃ、

味もわからないですからね。


つくづく、

健康がどれだけ尊いかを感じます。


これを読んでいる人が、

一人でも多く胃管カテーテルを知って、

家族のその後まで正しく考えられるようになったらと思います。


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