見出し画像

『魅せもの』としてのTRPG

親愛なる我が国民達よ、こんにちは。
私はここ最近、TRPGの配信に参加することが多い。最初はちょっとした手違い(「世界観や設定が重厚な小説はあるか」と書店で尋ねたら、ダブルクロスのルールブックを勧められたという話)から足を踏み入れたTRPGの世界であるが、これがやってみるとかなり面白い。
私がこの記事を書いている段階で取り組んだのは、「ダブルクロス」と「銀剣のステラナイツ」という2種類のシステムだ。
それぞれ計2回、合計で4回TRPGのセッションを体験した計算になる。
いずれも配信というかたちで参加させて頂いたわけだが、その中で私はこのように感じた。

「TRPGのセッション配信は、『魅せもの』に向いているのではないか」

本記事は、Vtuberとして活動する私が一配信者として感じた、「TRPG配信の持つ魅力」という点にフォーカスして語らせて頂くものとなっている。


※なお、本記事は私の所感を書き記しているものであり、特定の個人や価値観を批判する意図は一切ないということを予めご了承頂きたい。(例示の関係上、私が過去に参加した配信を扱っているが、配信者の方には許諾を得ていることもここに明記しておく)


1.『魅せる』配信とは

本題に入る前に、私が述べた『魅せもの』(私の造語だが、先例があったら申し訳ない)という考え方について説明をさせて頂きたい。


Vtuberに限らず、昨今では実に多くの方が、様々な配信活動に取り組まれている。
私はどちらかと言えば配信ではなく動画投稿が主体であるが、他の配信者の方々のライブにおいては一視聴者として拝見させて頂くことが多い。
配信の最大の利点は、何といってもリアルタイムで感動や興奮を視聴者に与えられる点にあると私は思う。
配信者と視聴者がいる中で、リアルタイムでコメントやSNSを投稿して感動を共有することで、その配信の持つ魅力というのは何倍にも膨れ上がる。
そのようにして倍増した配信は、配信者・視聴者共に高い満足度を得ることが出来、さらに配信者にとってはその成功体験ともいえる経験が次の活動へのモチベーションにもつながる。

このように、感動や興奮を与えるコンテンツを、私は『見世物』ならぬ『魅せもの』として表現している。


より具体的に説明するために、私の定義する『魅せもの』の例を挙げていこう。

ゲームの配信を想像してみて頂きたい。
皆がゲーム配信を視聴する際、どんな展開が最も感動したり興奮したりするだろうか?
私の場合を例に挙げると、何度挑んでも倒せないような強敵との手に汗握る死闘、耐久配信における葛藤と終わった時の達成感、難しい目的を達成したときの喜び…
挙げていくときりがないが、概ね皆もこんな感じではないかなと推測する。

このような『魅せもの』においては、『魅せる』側と『魅せられる側』の両方の力が合わさることで、想像以上の感動を引き起こすことができるという点が共通して挙げられるのではないかと私は考えている。

『魅せる側』の力は、視聴者にどうやったら楽しんでもらえるかを考え、告知や画面構成、段取りを調えるといったものだと考える。
勿論他にも様々な要素はあるだろうが、あまり配信をしたことがない私がパッと思いつくのはこのくらいだ。
逆に『魅せられる側』…すなわち視聴者の力は、コメントによる応援やSNSへの投稿で周囲の人々に配信の認知度を上げるはたらきかけができるという点にあるだろうと考える。
これについては、単純にその配信を視聴するというだけでも、「見てもらえている」という事実が配信者側にとって大きな原動力になるということも挙げられる。

これらの双方向性を最大限活かせる場が配信であり、配信が『魅せもの』と成り得る最大の理由であるというのが、私の考えである。


2.TRPG配信から見えた可能性

前置きが長くなったが、ここから本題である「『魅せもの』としてのTRPG」という話に入っていこう。
結論から述べると、私はTRPGに『魅せもの』としての可能性をかなり感じている。

私が思うに、TRPG界隈では、積極的に感動を共有する文化が深く根付いていると感じた。
私が特にそう感じたのは、「銀剣のステラナイツ」というTRPGシステムを初めて経験した時だ。

【#Vステラ】銀剣のステラナイツ「人守るは糸繰の君」【Vtuber】
https://youtu.be/vb84B_i_Ejo

ステラナイツ告知


こちらの配信でつけられているハッシュタグをTwitterで検索してみるとお分かり頂けるだろうが、たくさんの感想や(その配信をしていた段階での)リアルタイム実況を目にすることが出来る。
当時の私にとって、ここまで多くの者を感動させられるというのは、純粋に驚くべきことであった。
「銀剣のステラナイツ」というシステム自体が視聴者も参加できるものであるということも理由としてあるだろうが、これは実に配信映えするなと思った。
それと同時に、1つ前の項目で挙げた「感動の共有」という点も、この配信で初めてと言って良いほど新鮮な気持ちで体験することができた。
(厳密には私が初めて体験したのはダブルクロスだが、より多くのコメントや感想を頂けたという点で、こちらを例に挙げさせて頂く)
この配信で私のことを新たに知って下さる方が増えたこともあり、存外私とTRPGというコンテンツは親和性が高いのではとも思えた。

これを経験してから、私の中でTRPGを配信で行うことに対する可能性というものの兆しが見えてきた。


私が抱いていた可能性が間違いではないと確信できたのは、先日行われた「Vエレウシス」配信である。


【#Vエレウシス】ダブルクロス3rd 『エレウシスの秘儀』 前編【Vtuber】【DX3rd】
https://youtu.be/jeBuFdNXgqY

【#Vエレウシス】ダブルクロス3rd 『エレウシスの秘儀』 後編 【Vtuber】【DX3rd】
https://youtu.be/gQRLo1h1pp0

Vエレウシス告知画像

「王道を貫きつつ、ドラマチックに魅せるTRPG配信」というコンセプトで取り組まれた「Vエレウシス」は、TRPGを嗜んでいる方・あまり詳しくはない方問わず、大変好評だった。
こちらの配信が大成功を収めたのは、『魅せる側』の3か月にわたる準備と、『魅せられる側』の積極的な応援や感想の投稿があったからこそであると考えられる。
さらには、今回遊ばせて頂いたシナリオは、ダブルクロス界隈でも著名なシナリオということもあり、それを遊んだことがあるTRPGプレイヤーの方々も視聴して下さったということも成功要因として挙げられる。

この配信は、各プレイヤーや裏方の方々含め、実に多くの方の協力を得てつくられたものである。
単に、長い準備期間や多くの方の協力があったから成功した、というわけではなく、その根底にある「どうやったら楽しんでもらえるか」という想いが各人にあったからこその成功であると私は思っている。

この2つのTRPG配信を経て、「楽しむ配信」から「楽しませる配信」という考え方に至ると、配信者個々人(いずれも主催・参加者含めてVtuberであったため、このように表現する)が持つ魅力をより高めることができると感じた。
また、『魅せもの』の例で挙げたような、感動や興奮を得られる事柄がTRPGには全て含まれるという点も、TRPGの配信が持つスペシャリティであるとも言えるだろう。
リアルタイムで繰り広げられるドラマチックな展開と各プレイヤー及びキャラクターの心躍る掛け合い、そしてそれを見て共に楽しむ視聴者の方々…
これほどまでに、『魅せもの』として強力なコンテンツは中々ないのではないだろうか。

私が経験したTRPG配信は本記事執筆段階ではまだ4回だが、それでもTRPG配信に対して、新たなエンタメコンテンツとしての価値を高められる可能性を大いに感じている。


3.私がTRPGを遊ぶ理由

最後に、私がTRPGを遊ぶ理由について語らせて頂こうと思う。

言ってしまえば、単純にTRPGという遊戯が好きだからという話だな。

それだけではなく、Vtuberという立場からしても、このコンテンツには余りある魅力がある。


配信というやり方に焦点を当てて述べると、一つの大きな感動の波を、配信者・視聴者の一体感によって生み出せるという点は、配信者として実に魅力的な要素である。
それを実現するのは、配信者側がどんなに準備しても、最終的には視聴者側にも委ねるところが大きいこともあり、偶発性が高い要素とも言えるだろう。
それを踏まえた上でも、双方向性というライブ配信の強みを最大限活かせるという点は、今までにない新たなTRPGのかたちとして打ち出すメリットは大きいと私は考える。


また、私個人の視点で述べると、セッションを通じて「次はこうしよう」「ここは良かったから、次に活かそう」という成長意欲が活動の中でどんどん高まってくるのが実に楽しいところだ。

話はやや逸れるが、実は私のYouTubeチャンネル登録者数が1000名を超えた後から、活動における上昇意欲が落ちてしまった時期があった。
私の活動における目標の1つを達成したことによる、いわゆる燃え尽き症候群みたいな感じだ。
エンタメコンテンツを提供する者として、自分が楽しめていない状況では、他の者を楽しませることは難しいと私は思っている。
そんな時にちょうどTRPGとの出会いがあり、私の中で燻っていた成長意欲がまた燃え始めた。
話を戻すが、TRPG配信では、自分のロールプレイや発言に対して、リアルタイムで視聴者の方々の反応が返ってくる。
それらの反応は、自分の今後のTRPG活動における糧となる。
それらを今後にどう活用するかを考える…これが意外と楽しいのだ。
元々知識欲や上昇志向が高い傾向にある私にとって、この環境はまさに水を得た魚である。

そして、私がTRPGを遊ぶ最大の理由は、何より「良かった」「面白かった」という視聴者の声を聴けるのがとても嬉しいということに尽きる。


活動者として、皆の反応が頂けるというのは、この上なく嬉しいことである。
「皆が楽しんでくれる」と分かっただけでも、私はTRPGを遊ぶことにとても前向きでいられるのだ。


最後に

中々な長文となってしまったが、これをご覧頂いた方々に『魅せもの』としてのTRPG…その可能性を少しでも感じて頂けたのであれば幸いだ。
今はプレイヤーとしての参加が多いが、ゆくゆくは私も皆を魅せられるようなTRPG配信をしてみたいなと思う。

本記事の作成にあたり、動画リンクや画像の使用を許可して下さった茶越きよか(https://twitter.com/sagoshi_kiyoka)殿に厚く御礼申し上げると共に、本記事を締めくくらせて頂こうと思う。

拙い文章ではあったが、ここまでご覧頂き、心から感謝申し上げる!
今後の私の活動も、お楽しみにだ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?