スポーツ特待生の退学と保険

今日は、前から書きたいと思いながら、書けなかったことを書いてみたいと思います。

スポーツ特待生と退学と保険についてです。


高校を途中で辞めた生徒さん達に、機会があった時、

「何で辞めたのか、話したくなかったら一言も言わなくていいから、もし、話していいなら、教えて」

と、聞いてきました。

仕事柄、役に立てることがあればと、いろいろ考えるところがあって。

すると、たいてい、どの生徒さんも
「いいですよ」と、すぐ教えてくれました。

その中で、とても多くて、わたしが話を聞いてショックだった退学、転校の理由があります。


それが、「スポーツ特待生からの退学」です。


スポーツ特待生で高校入学したものの、頑張っていたのにケガをして、肩や肘や膝を痛めてしまい、特待生としての活躍ができなくなり、退学を余儀なくされた、というものです。

そこには、お金の問題も絡んでいます。

返金要求の幅は様々ですが、
無料だった学費の発生、
これまでの学費など、かかったはずのお金の返金、
スポーツ用品代の返金などを請求され、
寮から出されたりと、居場所がなくなり、

退学を余儀なくされる、
退学を求められる、
居たくても居場所がなくなった、

それぞれとても苦しい立場からの、これらの選択を迫られていました。

高校生という若いこの歳に、

やりたかったことが生涯できなくなる状況になり、
喜んでくれた身内の期待に応えられず、
負担がなくなって親子共に安心していたお金の支払いの発生、返金まで起こり、
学校は退学をせざるを得ず、

それが、自分のせいで、
それもケガをしたいと思ってした訳ではないのに、そのせいで、自分もみんなも大変な環境にさせてしまった、

ということをかかえるには、あまりにも大きすぎることだと思いました。

普通の学生生活にも戻れず、
かといって彼らには、学生ならではの爽やかさと明るさは保ちつつ、
それは、中の苦悩は外から見てもわからないかもしれないけれど、

話を毎回聞くたび、
その中にかかえる傷の大きさに、こちらもショックを受けます。


大人の方に伝えたいことがあります。

スポーツ特待生の生徒さん用の手厚い保険を考えて欲しいのです。

学校が青田買いのメリットを享受していることに対して、切り捨てられる若い人たちは、あまりにかわいそうです。

そして、親御さんには、スポーツ特待生のデメリットをよく調べていただいて、
学校には対して、ケガをしたらどうなるか、保険は、学費は、居場所は、と、よく確認をしてほしいのです。

そのデメリットの話をよく子どもさんにしてあげてください。

その上で、独自の保険をかけるなど、子どもさんの身体を守ってあげてください。

子どもたちの、
ケガをして、諦めるもの、失うものの大きさに、寄り添ってあげてください。

辛かったね、と声をかけてあげてください。

みんな、自分が悪いんだ、と抱えています。


ある卒業生から聞きました。

スポーツ特待生でケガをし、退学させられ、お金も返金を求められ、
グレにグレ、
もう、このままでは先はないと気づき、
好きだった料理のバイトを始めたら、
料理長に任される程になり、
お店も持てた、という話です。

経営が順調なので、これからも、お店を増やすそうです、

この話は学生さんにしていいと、本人の了解を得たので、よく話します^ ^

この話をすると学生さん達は、明るい顔になります。

なので、この話を聞かせてくれた生徒さんこそ、先生だな、と思います^ ^


塞翁が馬、
悪いと思っていたことが良いことになり、
良いと思っても、何が起こるかはわからない、
けれど、悪いことが起こったからといって、悪いことになるとはかぎらない、という話のように、

このことで、自分の本来の道に進めることもあるでしょう。

でも、15.16.17歳位で大きなものを失ったみんなに、心理的にも身体的にも、物理的にも、手厚いフォローをしておいてほしいと願います。


スポーツ特待生のケガと、保険と、在り方と、その先の居場所のフォローのこと、考えていきましょう。

よろしくお願いします。


いつも、ありがとうございます。



戸張碧月

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