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木星海王星・コンジャンクション

2022年4月12日、うお23度で木星と海王星が重なります。

うおで木星と海王星が重なったのは1856年3月のことでした。この頃、ラファエル前派が流行していました。絵画ではロマンチックな側面が強調され、極端に理想化された女性像が男性芸術家によって生み出されていました。世紀末西欧では「ファムファタール」(運命の女)というモチーフが好まれました。

男性にインスピレーションを授ける女神として崇められる一方、男性を堕落させる悪魔として女性が描かれました。この時代、男性中心の視点で美術がすすめられました。木星も海王星も膨らませる天体。男性のビジョンをふくらませて、美の価値観も大きくなったのでしょう。

うおの支配星は海王星、副支配星は木星。海王星が発見される前は、木星が割りあてられていたことからも、木星は自己犠牲的・宗教的な側面があるといえるでしょう。木星の占星術でつかう記号も十字になっているのですが、それをキリストの十字ととらえる考え方もあります。(クロス「十字」の象徴)ギリシャ神話でのプロメテウスが内臓をついばまれるイメージにも重なるところがあるかもしれません。

木星も海王星も明らかな凶星としてとらえられていません。調和が取れ、ロマンチックな多幸感を感じる空気が世を包むでしょう。けれども、どれほど幸運の配置で穏やかな雰囲気が流れていたとしても、忘れてはいけないのは「目がくらむ」ことです。幸せな夢をどれだけ自覚をもって受け取れるかを試される期間になるかもしれません。

木星は豊かさと冨を意味するので、海王星に触れると娯楽産業、芸術分野を通して冨を得る可能性もあります。音楽、ダンス、芸術、精神的な師から恩恵を受ける暗示。場合によっては収入を得ることができるかもしれません。

木星と海王星のアスペクトを「スピリチュアルティーチャー」と表現する占星家もいます。理想的な師が人生にやってくることを意味しています。そして、世相の空気によって容易にファンタジーモードになってしまうかもしれません。

空想にふけり、詩的でロマンチックな活動を楽しむのに適した時期です。けれども、その夢は自分の責任の範囲内で行えるのかをチェックすることが必要なのです。

残念ながら、渦中にあるとある側面が見えなくなってしまいます。怠惰になったり依存的になったりする側面が強調されます。そのように考えると木星合海王星は恐ろしい「麻薬密売人」のように感じる人もいるかもしれません。

しかし、海王星は毒(常習性のあるもの・堕落したもの)という側面だけではなく、薬という側面もあります。耐えがたい痛みから一時的に解放してくれるものであり、根本的な問題の解決(手術)のために必要な力であるかもしれません。「思いやりと共感のあるやさしい時期」に自分は何をすればいいのかを考えておくとよいかもしれません。

自分が渦の中に入る前にどのようにしようかという大枠を考えておくこと。渦が去っていった後、不都合があっても他者のせいにしないこと。そのような意識で渦に飛び込むことが必要かもしれません。


20世紀に起きた木星合海王星

1907年 三国協商

1919年9月(しし10度)

(1920年 1月・国際連盟・ウイルソン・ベルサイユ講和会議)

1932年 四カ国協定

1945年 国際連合

1958年 ベルリン危機

1971年 米ソ協定、ベトナム停戦

1984年 ゴルバチョフとレーガンと金正恩・ロサンゼルスオリンピック

1997年 京都議定書

2009年 オバマ大統領 日本では民主党政権


世界の空気感(色)ががらっと変わった時期。来月の合でももう戻れないところまで空気が変わっていくのかもしれません。一見緩やかに見える急激な渦にどう対処していけばいいのでしょうか。渦に飛び込む前にできることはあるのでしょうか。

※1984年は冥王星がさそりに入った年でもあり、木星合海王星の空気が強かった時代であったと考えられます。冥王星がホームグラウンドのさそりにイン。