プトレマイオスの48星座
トレミー(100~178)はプトレマイオスとも呼ばれている。彼が設定した48星座のなかで47星座が現在も使われている。北天21星座・黄道12星座・南天星座15星座と区分。プトレマイオスのコメントをもとにした48星座の性質も記載。
※北天21星座
こぐま座+++土星、いくぶん金星に似た性質をもつ。無関心さとトラブルをまねきやすい。
おおぐま座+++火星の影響力に似ている。静かで忍耐強く、克己心はあるものの、いったん怒らせると手がつけられない。
りゅう座+++土星と火星のような影響力。高い洞察力で相手を見通す力を与えるとされている。また、竜は「内なる敵」の象徴としても扱われている。
ケーペウス座(→ケフェウス座)+++土星と木星に似た影響をもち、大きな権威と冷静な知性を与えるとされる。ときに権力欲に支配され溺れてしまう危険も秘めている。
うしかい座+++水星と土星に似た影響力を持ち、仕事から得られる利益を表しているとされる。オカルト的な力を示すともいわれている。
北のリース座(→のちにかんむり座)+++金星と水星に似た影響力があり、芸術的な感性と才能が与えられている。同時に幻滅を味わう可能性。
ひざまずく者座(→のちにヘラクレス座)+++水星に似た影響力をもつ。はっきりとした目的意識や危険に立ち向かう情熱を司っているとされる。
こと座+++金星と水星の性質を持つ星座。音楽の才能や詩的な能力を与えるとされる。
鳥座(雌鳥座)(→のちにはくちょう座)+++一等星のデネブは水星と金星に近い影響力をもち、芸術と関係があるとしている。
カッシエペイアー座(椅子に座った婦人座)+++土星と金星に似た影響力をもち、過剰な自尊心を象徴するといわれている。強いリーダーシップを表す。
ペルセウス座+++木星と土星に似た影響力を持ち、知的かつ大胆な性質を持つとされている。
手綱を執る者座(→ぎょしゃ座)+++火星と水星に似た影響力を持つとされ、強い自信、教育や社会問題への関心を表す。不利な点を長所に変える力。
蛇を持つ者座(→へびつかい座)+++土星のような影響力と、いくぶんか金星のような影響力を持つ。盲目的に寛大で浪費が多い。
蛇を持つ者のへび座(→へび座)+++もともとはへびつかい座の一部だった。プトレマイオスが独立させた。土星と火星に似た影響力を持つ。知識や知恵を表す一方で欺瞞や悪意を表すこともあるとされている。ものごとの刷新を示す。
矢座+++土星と金星のような影響力。俊敏な知性や著述の才能。
鷲座+++火星や木星と似た意味を持ち、強い情熱や周囲の人々に与える強い影響力をもたらし、相手の心理に対する鋭い洞察力を象徴する。
海豚座+++土星と火星の影響。楽しさや遊び。
馬座(→ペガサス座)+++火星や水星に似た影響力を持つ。野心や名誉を与える一方で気まぐれなどを表す。天馬は駆けのぼる精神性や高みを目指すスピリットを象徴しているように見える。勢いよく上昇気流に乗れる。
アンドロメダ座(鎖で縛られた女座)+++美しさや純潔を象徴。女性的な魂の持つ清らかさをつかさどっている。純粋な気持ちをとりもどせるといわれている。
三角座+++水星に似た影響力。公正さ、信頼、またときには建築などへの関心を示す。三角は調和のとれた形。物事が安定していく状態。
こうま座+++軽率さ、快楽を好み。
※黄道12星座
牡羊座+++勇敢。なにもない荒野を開拓していく先取の気性、大胆な行動力。
牡牛座+++牡牛座は大地の星座であり、穏やかな中にもしっかりとした意思を持ち、現実世界の豊かさを味わおうとする力を象徴している。
双子座+++知性とコミュニケーションをつかさどる。
蟹座+++夜の女王である月が支配する星座。ルネサンスの哲学者は「人間の魂は星空から蟹座を通過して地上に落ちる」と考えた。ホームや安住の場所を示す星座。
獅子座+++ライオンは百獣の王として王権のシンボル。太陽を守護星とし、明るい自己表現、創造性を与える。
少女座(→おとめ座)+++日々の繰り返しを示す星座。自分を管理し、人々のために奉仕する性質を象徴している。
(蠍の)爪座(→てんびん座)+++バランス感覚や客観性。他者をよく観察することから調整役を担うことが多い。
蠍座+++深い欲望や人間の変容する力を象徴。忍耐強さを持つ反面、限界を超えると感情が暴走する。
いて座+++英知と深い精神性、遠い理想を追いかけてゆく力。
山羊の角を持つ者座(→やぎ座)+++星座が確立した約2000年前は冬至点(冬至のときの太陽の位置)がやぎ座あたりにあった。強い克己心や社会性、現実世界においてしっかりとものごとを成し遂げていく力。
水(瓶)を担ぐ者座+++透明な知性や常識にとらわれない自由な発想力を象徴。
魚座+++深い愛や自己犠牲を象徴。強いイマジネーションを示す星座。
※南天星座15星座
ケートス座→くじら座+++土星に似た影響力をもち、怠惰さをもたらすと同時に豊かな感情を与えるとされている。大きな海の生物は心理学的に母性のマイナス面を象徴するといわれることから、今の状況に安住してしまう危険を示す。
オリオーン座+++恒星ベテルギウスとベラトリックスは火星と水星に似た影響力をもち、ほかの恒星は木星と土星に似た影響力をもつ。強いエネルギーをもつ星座で、不可能を可能にするようなパワーをもつ。
川座→エリダヌス座+++土星の影響力と同一。(恒星アケルナルは木星の影響力)知識や科学への愛を象徴する星座。生命の川であり、尽きせぬ生命力や変化しつつ継承していくものを示す。
うさぎ座:オリオン座の南にある。+++土星と水星に似た影響力。ウイットのセンス。豊穣や豊かさを示す。
犬座→おおいぬ座+++シリウスは木星と火星、それ以外の星は金星に似た影響力をもち、荒々しいながらも忠実な魂を与えるとされていた。
前犬座→こいぬ座+++一等星であるプロキオンについては「犬にかまれる危険」
※アルゴー座→現在はなくなった。りゅうこつ座、ほ座、とも座、らしんばん座にラカーユが分割+++土星と木星に似た影響力を持ち、貿易や航海による収益、冒険心や探求心を象徴しているという。遭難や難破の危険もある。
ヒュドラー座→みずへび座(うみへび座)+++土星と金星に似た影響力を持ち、感情的な性質と困難を示す。繰り返しになっている状況や慢性化・常習化している問題への対処。
酒器座→コップ座+++金星と若干水星の影響力。やさしさや共感の能力、寛大さ。相手を受け止める力。
からす座+++火星と土星に近い影響力。技巧、巧妙さ、虚偽や自己中心性、扇動。
ケンタウロス座+++金星と水星、および木星と関連。気難しさや強い情熱、戦いへの愛を表す。毒との関連。
野獣座→おおかみ座+++明るい星は土星の影響力。部分的には火星の影響力。貪欲さを示す。
祭壇座:蠍座の南にある。+++水星と金星に似た影響力を持つ星座で深い献身を表している。
南のリース座→南のかんむり座:いて座の南に位置する。+++土星と木星の影響力。予期せぬ災いをもたらすと同時に権威も与える。小さな冠、勲章。
南の魚座+++金星と水星に似た影響力。不滅の名声や偉大な成功、高い精神性。
トレミー(100~178)はエジプトのアレキサンドリアに生まれた。プトレマイオス王朝はクレオパトラの死によって紀元前30年に滅びている。プトレマイオス朝は数学者ユーグリッドやアルキメデスが活躍し、ヘレニズム文明を育んだ。プトレマイオス王朝の後裔であるトレミーは占星術の教科書「テトラビブロス」という4編を著述。トレミーは、紀元前150年より後に書かれた「シュンタクシス」(ギリシャ語)「アルマゲスト」(アラビア語)をもとに占星術の教科書を作った。現在は「テトラビブロス」の写しと称する2編の写本が残されているのみ。有名な12サインのおひつじ・しし・いては火の三角形を形成し、お互いになじみがいいという表現が記されている。