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古い鉛筆が好きです、その2

とある商店街にある、なじみの小さな文具店。

入口から伸びる狭い通路を、さらに狭い裏側にわざわざ回らないと届かない、古びたガラスケースの扉を開けさせていただく。

おじゃまします、ずっと気になっていたのです、
何が入っているのか見せていただきますね。
と心で話しかけながら、
壊れないようにおそるおそる力を入れる。すると・・・

ごっ。ごごっ。ひょろひょろ、ひ~~
という、頼りない音とともに少しずつ動く扉。
よかった、開いた。

文具の在庫が箱ごと置かれていますが、ほとんどが空っぽでした。
その中に、三菱と書かれたケースがひとつ。
ちょっと入ってるみたい。

何もなくてもがっかりしないように・・ドキドキしながら
開けたそこには、この缶ケースが入っていました。

こ、これは。
オークションやビンテージ通販でしかお目にかかったことがない
50年ほど前の、三菱鉛筆の缶ケース。
正しくは、鉛筆1ダースをこの箱に入れて当時は売っていました。

うわあ・・と思って中をそうっと開けると、空っぽ。

さっそくお店のおばちゃんに見せると
「ああそれ、あたしが中身使ったんよ。だから箱だけ。」
おばちゃんwww
でも、箱だけでもいいから買いたい、とお願いすると
「うん、なんかこの箱面白いから、ただであげるわ」
なんということでしょう!
いつも私の古物好きにつきあってくれる、ほんとに親切な方です。
ありがとう。

さっそく持ち帰り、きれいに磨いてデスクに置きました。
旦那さんの実家でもらった、初代シャーボも入れました。

あれからずっと、大事に使っています。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。





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