うろおぼえ

遠くから男が近づいてくる。わたしは木製の柵に腰を掛けていて男を見るともなく視界にただ入っていた。空は曇っていて草原の草は光を反射しない鈍い色だ。男の影は輪郭がない。わたしの前にいま男がやって来る。
「シニスタフへはこの道で間違いないですか?」
「ええ、いま歩いていた道をそのまま行けば着きます」
「そうですか、いやどうも。駅からずいぶんと歩いて来ましてね。まったく街が見えないもんだから不安になっていたところでして、やっとひとに出会えたものだから
尋ねてみたんです」

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このようなシーンはタルコフスキーの映画にあったか?

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