社会福祉士相談援助実習指導③     実習計画書を作成する

 前回では、簡易版KJ法を用いて、皆さんの関心をグルーピングしたわけです。
 いよいよ実習計画書の作成をしていきましょう。

実習のテーマを決める
 現段階では、3つにグルーピングされた関心ごとと、その中で、最も関心が高い、中核的なグループが整理されたわけです。
 その中核的なグループ名は、実習テーマと考えていいですね。例えば、「対人援助技術におけるコミュニケーション技法を学ぶ」のように。
 あるいは、3つのグループを総合したようなテーマを設定してもいいかもしれません。例えば、「特別養護老人ホームにおける生活相談員の対人援助や、ネットワーキングにおいて活用される対話技術を学ぶ」とかね。

実習の意義を考える
 次に、「私にとっての実習の意義」です。意義とは、「物事の価値や重要性」という意味ですね。相談援助技術や、対象者の理解を勉強してきたという前提で、その上で実習として現場に出ると、どのようなことが学べるか、学びたいかということを書くわけです。 

 卒後に現場に出ることも考えている人は、素直にそういう「私」と、相談援助業務を学ぶモチベーションとを関連付けて書けますね。
 一方、「一般企業に就職するつもりだけど、福祉学部出たからには一応実習だけは受けておきたい」という人もいるかもしれません。それはそれで、実習から学ぶことはあるとは思いますが、それを対外的な文章にするには、ある程度の筆力が必要になるでしょう。実利的な観点からは、こういう場合は「将来、相談援助業務をする自分」をある程度創作的に想定して、記すほうが無難かもしれません。

実習の具体的達成課題と方法を設定する。
 グルーピングされた3つのグループの名前が、それぞれ課題1,2,3になるわけです。グループ名は課題っぽく名前を変えてください。そして、その課題を達成するための方法を書きます。本学の場合、方法も①②③としてそれぞれ3つずつ書くのが定式となっています。

 
課題1:入所前面接におけるクライアントとの信頼関係に基づく入所合意を図る面接技術を学ぶ
 ① それぞれのクライアントの入所前の相談記録を拝読させてもらい、どのような話が交わされているのかを把握する。
 ② 入所前面談に同席する機会があれば、そこでの面接技術や説明内容や方法などに留意しながら、信頼関係が構築される過程を分析する
 ③ 信頼関係の構築を図ることが難しい状況での実践的な工夫や対応等について、実習指導者への質問し、学びを深める


まずは、思いついたことを文章にして、ずらずら書いてみてください。文章的に混乱していたり、意味が通らない内容でも構いません。日本語的な修正は後回しにしましょう。

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