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かわいいおじいちゃんになる。

この記事は、題そのままで、かわいいおじいちゃんになろうっていう、あざとい記事です。

なんでそんなことをしないといけないんだ、石原慎太郎みたいに、煮ても焼いても食えないような爺さんになるぞ!って気焔をはくのもいいと思いますが、もうそういう時代でもないんじゃないですかね。

下のデータ(※)は、特養に入るのに、男性は敬遠されがちっていう内容です。

特養への入所申し込み者の割合は男性33.7% 女性66.3%


特養の入居者の割合は男性21.2% 女性78.8%

要介護者全体の男女比って、ざっくり女7:男3なので、申込者数の割合は、全体割合とだいたい同じですね。
でも、実際入っている人でいうと、女8:男2です。どんぶりでいえば、特養に申し込んでも、3割くらいの男性は、特養に入れていないんじゃないの?っていう疑いが生じますね。

で、これはなんでかっていうと、いろんなロジックやマジックがあるかもしれませんが、現場リポートでは、男性より女性のほうが良いっていう、声はあるやにおもいます。もうちょっと強い表現をすると、男性は嫌がられがちですね。

男性差別だ!とか、同じ保険料払うのやめよう! とかいってもしょうがない気がします。実際、怒鳴ったり、暴力ふるったりするのってだいたい男性ですからね。
個人でできることは、かわいいおじいちゃんになって、周りにちやほやしてもらうよう努力することだけです。
おじいちゃんになってから、かわいこぶろうたって遅いですよ。かわいいおじいちゃんになるためには、今日からトレーニングしないとだめです。

スタート地点:今日現在のわれらの立ち位置は?

いま我ら中年男性がどの地点にいるかというと、地球上で最低な生物というほかありません。

だって、ホモ・サピエンスって、地球史上いちばん生態系の秩序を乱している、迷惑な存在ってことは、よろしいですよね。

で、人間の中でも、日本人男性って、世界の中で相当評価が低いのって、海外旅行にいくと感じるでしょう?外国にいくと、相手にもされませんからね。お金払えば別ですけど笑
一方で、日本人女性は海外旅行いくと、モテるでしょ。国家とか言語の問題じゃないんですよ。

さらに、日本人男性の中でも一番嫌われているのは、40代~70代くらいの世代でしょ。威張ったり、怒鳴ったりして嫌がられてるのってだいたい中年男性ですから。
ほらね、最低生物。

私なんかちょっと体がイカツいので、イオンモールとかで、ただ歩いているだけなのに、女性たちが、バッグを前掛けに持ち替えたりしますからね。存在するだけで脅威を与えてしまってて申し訳ない思いです。(お前より金もっとるわって思わないでもないですけどね笑)

発達心理学的視点によれば、今日における、中年男性の発達上の課題ってのは、そういう十字架を受け入れたうえで、そこから這い上がって、晩年には、多くの人から愛される存在、すなわち、かわいいおじいちゃん認定を受けるにはどうしたらいいかってことなんです。えーっと誰がいってたっけかなあ。アドラーだったっけ?えーっと、そんなこと誰もいってないか。

でも、私は、高齢福祉分野が専門ですからね。これまで「かわいいおじいちゃん」を2000人見てきて、そっちのほうが得だなってことを痛いほど実感し、そのための秘訣を会得するに至りました。
「かわいいおじいちゃん」って、ちゃんと鍵カッコにいれるところ、慎重でしょう?こうしておかないと、「かわいいなんて、馬鹿にしている。」「高齢者をおもちゃ扱いにしている」とか、わけわかんないことを思う人もでてきちゃいますからね。
その秘訣を以下に3つ挙げます。

👴1.寝てるとき以外は微笑んでいろ
日本の中年男性って、素でいると、怒っているように見えるんです。それが威厳があるとかいって、よかった時代もあったんでしょうが、今日的には、損しかありません。
最近は、日本国民総心理学者の時代で、表情から、けっこうなことまで読み取ろうとしてきますからね(表情だけで心理を読むなんてできるわけないというか、誤解しかうまないとおもいますけどね)。

眉毛をちょっとあげて、微笑んで、上機嫌を装って街を歩いてみましょう。世間からの風あたりが、マイルドになってることに気づくこととおもいます。上機嫌を装うと、ほんとに機嫌がよくなりますしね。
あまり、強めに微笑んでいると、気持ち悪いって思われるのも、中年男性が背負っている宿命です。ほほえみ度2%〜10%くらいにしておきましょう。

👴2.稚気優位
気には、怒気とか、和気とか、勇気とか、いろいろありますが、かわいいおじいちゃんになるためには、稚気は優先的に意識しておこうってことです。
社会的な意味で、「大人」っていうことの示すところは、社会システムにのっかってる、社会の歯車になっているっていうことです。
システムに完全にのっかりきっていて、それを疑うことがなかった人って、システム上必要のないことは、なんにもしゃべることがないって人になりがちですよね。巨神兵かよって感じの人いますね。
いっぽうで、好奇心とか、ファンタジーとか、ナンセンスとかっていうのは子供っぽい・大人気ないってことですが、そういうのがあるおじいちゃんのほうがかわいいに決まってますよね。だから、稚気をもっていましょうってことです。

その点からは、下ネタは必修科目として挙げたいところですが、これはなにげに、難易度が高くって、稚気に基づく下ネタと、痴気に基づく下ネタについて無自覚な人が多いんです。どっちも冗談のつもりだっていったって、相手から受ける評価がまったく異なりますからね。
若いうちからの修練が必要ですから。あるいは、あえて、そういうことは言わなくていいのかもしれませんね笑

👴3.自分のことを理解してもらうことをあきらめる

「こらぁ!シャツに汁かかってんじゃねえかよ。」とか「ふざけてんじゃねえぞ、ばかやろう!上のもん呼んでこいや!」とかっていう言葉は、すべて、「お母さん。ぼく、悲しかったんだよ。抱きしめて。」っていう、僕のこと理解して、のバリエーションです。

残念ですが、40代以降の男性が、そういう感情を訴えても、ダメです。みんな、中年男性の気持ちなんかへの関心は0%だし、それは絶対値ですから、どんだけこっちが感情的になっても、0から動くことはありません。嫌われるだけですね。
以前は、わーわー騒げば、配偶者とかが力尽きるまで付き従ってくれたり、周りがあたふたしたりして、わがままを言い放題にしてられる男性もいたんですけどね。
少なくとも現状の介護施設では、こんな感じの男性に、付き従うような施設はね・・・・たくさんあるんじゃないでしょうか笑 

逆に、中年男性は、どんな災厄があっても、他人に自分のことを訴えたところで、基本無駄で、ちょっとでも理解してくれたら、それはラッキーなことだと、ありがたき幸せだと、認識しておきましょう。

そういう見地からは、たとえば洋服とかに汁物をぶっかけられたりしたとき、なんていえばいいのかというと、正解は、「あ、シャツがびしょびしょになりました。」です。客観的な事象だけしゃべってください。

おなじように、注文した品物がこないときなんかの場合は、「ラーメン、ありません」とだけ言うように、訓練してください。
「40分前に頼んでんだよ!こっちは!」とかいえば、ラーメンは早く届くかもしれませんが、もっと大きなもの(👴)を失ってしまいます。

まとめ
以上3点を守っていただければ、年輪を重ねるごとに、かわいいおじいちゃんになっていきます。そんで、かわいいまんま死んで、そのかわいさは永遠になりますからね。

男性が特養に入りにくいってデータを知ってほしかっただけで書き始めたんですけど、筆があらぬ方向に進んでしまいました笑

(※)一般財団法人 日本総合研究所(2020)「特別養護老人ホームの入所申込者の 実態把握に関する調査研究 報告書」



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