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いまさらながら介護施設の紹介・派遣を考える

このあいだ、老健業務のなかで、派遣会社からの紹介の人と、採用面接しました。
最近はハローワーク経由の応募が減ってるような気がします。うちだけかもしれませんけど汗

人材派遣・紹介会社からの人材を恒常的に受け入れいていたら、介護事業所は潰れます。

紹介人材ゲーム
☆紹介料は年収の25%~30% →採用時にざっくり100万を人材会社に渡す
☆3か月くらい働いてやめちゃっても、100万はパー
☆3か月の間はほとんど戦力にはならない。即戦力の年収は高額。
☆退職する確率:人材会社を通す人の場合は、1年以内に辞める人が3割~4割の間くらい
☆3年続く人っていうのはそう多くはない

ざわ・・ざわ・・。
現場にいると慣れちゃうけど、要因だけならべると、こんな博打にベットするバカは普通いないでしょ。
ただ、こんな危険な賭けでも、現場からの疲弊の声なんかが強いときには判断を過るときもあるかもしれませんね。

福祉業界では派遣制度やめないと、対象者を守れない
バカって言葉が出たので、クソっていう話でいえば、派遣労働者制度は、介護の領域では本来の目的が成立しなかったことが明白なのに、存続させつづけている厚労省は確信犯ですよ。

派遣労働の規制緩和は、柔軟な労働力の調整ができるってことで、経済団体がやれやれっていって成立したんでしょう。「紹介と話をごっちゃにすんなや」って思う方もいるかもしれませんが、やってる会社も労働者の入り口も一緒ですから。

大企業が期間労働者とかを簡単に解雇できるようになってよかったかどうか知らんけども、人手不足が深刻化している介護・福祉業界では、たよっちゃいけないことはわかっていながらも、致し方なくっていう構図で、サラ金からの借金とあまりかわらない状況となりました。深刻な事業所だと、はだしのゲンのムスビがヒロポンをぜーぜー言いながら射っているような感じなのかもしれません。

絶対数として人手不足の業界に、柔軟な労働力の調整もくそもないでしょ。
で、そんなことは厚労省がわかっていないはずがない。

なんで介護業界での派遣労働をやめさせないか、その理由はわかりません。その先は私が考えても陰謀論みたいな話になっちゃいますからね。

ただ、問題意識として、血税が、サービスの質に直接関係のないビジネスに流れていってるのって、控えめにいってクソですよ。そんなところにお金が流れていけば、一番割を食うのは、福祉サービスを利用する、あなたや、あなたの親が惨めな思いをすることになるわけですから。保育園なんかの場合でも、最近は同じ構造があるんじゃないかなって思っています。

人材派遣会社を通す人の理由とハローワークの怠慢
人材派遣会社経由の人に対しては面接の中盤で、「それで、なんで派遣を通すんですか?」って聞きます。

派遣会社を通す労働者側のメリットの一つは、以前に職場で盗難を働いたとかっていうトラブルがらみの人が履歴書なしで就職できるって理由だったり、嫌になったらすぐに辞められるとか、やりたくない仕事はやらなくて済むからっていうもので、このタイプの人は質問にしどろもどろになったり、いきなり饒舌をはじめようとします。採用側としてはどんなに困っていても不採用にしないといけません。そういう人って、真面目な職員を抱きかかえて自爆(トラブル退職)することがありますからね。

他の理由では、派遣会社だと、いろんなところに代わりにエントリーしてくれて話をまとめてくれ、給料の交渉もしてくれるから」っていうもっともらしい理由です。そういう人の場合は、「え?通さないメリットがあるんですか?」みたいな反応がきます。
介護の場合は、働く方の人の状況によっては、派遣会社を通しても、顕著なデメリットはない場合もあります。同一労働同一賃金ですからね。

おい!ハローワーク!仕事しろや!
こういう労働者側のニーズって、ハローワークが応えてあげればいいんじゃないですか?なんで、税金でハローワーク運営しておいて、派遣会社まで肥えさせないとあかんのやって話ですわ。

そんなわけで応募者の基本的な動線がハローワークから、派遣会社に移りつつあるんじゃないかなと思っています。そういう傾向があるなら、人件費は上がり続けるでしょうね。

まとめ
介護者が派遣会社を使う傾向が強まっているとしたら、事業所側もまじめに考えないといけません。ほとんどの場合、個人でエントリーすると、入職者のキャリアや能力を低く見積もった給料となるし、残業についてもけじめがないし、退職も言い出しづらかったりするので、応募者が嫌がる気持ちもわかります。
事業者側は、採用にあたっては、かなり柔軟な交渉をしたほうが良いし、残業が生じる構造を変えないといけないし、退職するときにはサクッとお別れする体質にかえていかないといけませんね。











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