ヨハン・シュトラウスのパパはヨハン・シュトラウス 日本人妻の驚き10選
はじめに
国際結婚といえばたいそうな感じに聞こえるのだけれど、20年以上も一緒にいれば「ああ、そう言えば、うちのダンナは外人だったわね。」と思うことの方が多くなります。
それでもやはり、日本人男性と結婚するのとは違う点、ヨーロピアンなダンナならではのことが色々あります。
私のダンナは西ヨーロッパの小国「オーストリア」の首都ウィーン生まれ、緑の目をしたオーストリア人。
オーストリア人と言っても、彼のパパはゲルマン系(ドイツ・イギリスなどの北部と西部)とハンガリー系のミックス、ママはゲルマン系とスラブ系(ポーランド・ロシアなどの東部)のミックスなのだそう。
故にダンナはゲルマン系とハンガリー系とスラブ系のミックスのオーストリア人。
島国で血の濃い日本人の私にとっては「なんそれ〜」な世界。
ひょんなことからヨーロピアンなダンナと結婚することになり、こんな話も身近なものとなりました。
現在は日本在住ですがダンナとチェコ生まれの愛犬と一緒に、数年ウィーンで暮らしていました。
このエッセイでは、国際結婚と海外生活の中で驚いた10のことを紹介します。
【1】名前で驚いた
親子で同姓同名
なんと私のダンナの父と兄、そして祖父までが同姓同名です!もしかするとその前も?
これはオーストリアでは普通のことなのだとか。
日本では法律で同一戸籍内に同じ名前をつけてはいけないこととなっているようですが、海外では親と子で名前がまったく同じということが珍しくないようです。
このエッセイのタイトルのように、音楽家の「Johann Strauss ヨハン・シュトラウス」の父親の名前も同じく「Johann Strauss ヨハン・シュトラウス」で、父親を表記する際には「Johann Strauss Vater(ファーター 父)」とされるようです。
これは家庭内で困ることはないのかとダンナに聞いてみましたが、ないとのこと。義母が義父を名前で呼びますが、義兄と一緒にいるときにどちらが呼ばれているのかわからなくなることはないの?と聞いても答えは「ないよ!」とのこと。不思議〜!
もうその御三方亡くなっていますので、うちの仏壇(日本では仏教で供養中)の過去帳には同姓同名の俗名(クリスチャンネームは流石に書けないので)が別命日に記載されています。
自分の名前が発音できない!?
ウィーンに住んで2年目の頃、口腔外科の血液検査でC型肝炎に感染していることが発覚しました。
私は英語もドイツ語もできないので病院には必ずダンナが一緒でしたが、医師の説明はドイツ語なので全く何を言っているのかわからない。ダンナの翻訳も確かなのか(不安になるくらいのレベル)もわからず、何もかもお任せ状態でした。
ウィーン市公立病院での治療が始まり、治療薬のインターフェロンを週に一度皮下注射することになったのですが、自宅で自分で打たなければならないとのこと。自分で注射するなんて!(涙)最初は躊躇しましたが、さほどの痛みもないのですぐに慣れました。
ただ、インターフェロンは病院から処方箋をもらい、1週間分を薬局に取りに行かなければなりません。
初めて私一人で薬局に行った日のこと、薬局のスタッフに名前を聞かれたのですが、自分の苗字の発音ができないためにわかってもらえず苦労しました。
私のオーストリア苗字には『R』が入っていて、これの発音が全然できないのです。若い頃にニューヨークで輪ゴムを買いに行った時も『Rubber band』が通じなくて困りました。『R』の発音の練習は散々やったのですが•••。
結局、薬局では外国人登録証も携帯していなかったので紙に苗字を書くことに・・・
これからずっとここで暮らしていくのに、自分の名前が通じないということは結構ショックでした。
【2】ワンコ天国 その1
オーストリア人は無茶苦茶犬好きが多いというか、「子どもよりも犬をかわいがる」とのジョークがあるほど、どこでもワンコ連れを見かけます。
オーストリアはペットショップでの犬猫の販売は法律で禁止されています。ワンコはブリーダーかティアハイム(動物保護施設)から迎えるのが一般的。
オーストリアでは、迷子犬などがいても殺処分はありません。飼い主のいない子は皆ティアハイムに保護され、新しい家族が見つかるのを待っています。
うちのワンコはオーストリアとチェコの国境付近にあったティアハイムから引き取った、チェコ原産の1歳の小型犬でした。シニア女性が飼い主でしたが、病気で手放されたそうです。
私たちはウィーンの市街地から路面電車で20分ほどの「ヌスドルフ」という住宅地と葡萄畑が広がる地域に住んでいましたが、ワンコの散歩にリードをつけている人など全くいませんでした。
近くのウィーンの森や葡萄畑などで、どのワンコも毎日のびのびとノーリードでお散歩を楽しんでいました。リードなしでも飼い主のそばから離れることはありません。大型犬も放し飼いですが命令をしっかり聞くお利口さんばかり。うちの子は近所のドーベルマンやシェパードとも仲良しでした。
※ただ、大型犬が小型犬を噛んだという事故はあります。小型犬の場合は細心の注意が必要なこともあります。
郊外はノーリードでも大丈夫ですが、市街地は法律でリードに繋がなければらず、違反すると罰金を払わなければなりません。
しかしある日、市街地の公園「フォルクスガルテン」で愛犬とノーリードで歩いていたところ(リードをつけると固まって全く歩けない子でした)二人の警官に呼び止められました。
(うわー 罰金だあ 汗)と思っていると、警官たちが
「こんな子犬、噛まれても大したことないから大丈夫。行っていいよ!」って明るく見逃してくれたのです。
なんてワンコにおおらかな国!
※ただし、マルチーズの飼い主さんがちょっとノーリードでおしっこさせていた時に罰金払わされたこともあるので、私はただラッキーだったということにしておきましょう。
また、どこの家にもケージなどありません。家に設置するようなケージを販売している店もありませんでした。
地下鉄、バス、路面電車など交通機関も全てワンコそのまま乗れます。(大型犬は子供料金)
レストランもほとんどの店は同伴OKです。有名な高級レストランでさえもです。(唯一、日本食レストランで寿司カウンターがある店のみNGでした。)どのレストランでもワンコがいるのを見て嫌がる人はいません。
日本もペット先進国と言われるような日が来るといいのになあ。
※ピット・ブル、マスティフ、ロットワイラーなど闘犬系の指定犬種のみワンコライセンスを取得し、どこでもリードをつける義務があります。
【3】クローゼットにピストル
ダンナの両親宅で家族全員集まっての食事会の日のこと、食後に義父と夫と兄弟が両親のベッドルームへ行くことになり、私もついてくるように言われました。
すると義父はベッドルームのクローゼットを開け、何やら箱を取り出しました。箱を開けるとそこには小さめのピストルが!
義父はそれを持って夫たちに見せながら何か話をしています。護身用のピストルですが、ドイツ語ですので何を話していたのかはわかりませんでした。義兄も義弟も自宅に持っていると言います。
アメリカでは護身用の銃を持つことは当たり前のように知っていましたが、オーストリアで見ることになるとは•••。オーストリアでは一般人が護身用に銃を所持することが認められていることは知らなかったので、というかそもそもダンナの実家にピストルがあるという情景など想像したこともなかったので大変驚きました。
オーストリアには銃メーカーもあるのだそう。
オーストリアの18歳以上の男性には、6か月間の徴兵制があります。なので、男性は銃などの武器に触れる機会が必ずあるのですね。ですから抵抗感が低いのかも?
第2次世界大戦では、オーストリアはナチス・ドイツ統治下に置かれ、兵役義務のあるオーストリア人男性はすべて動員され、敗戦後、夫の曽祖父はロシアの収容所に送られ捕虜となり銃殺されたという悲しい歴史がありました。
家族の命を奪った銃という感覚はないのでしょうか。平和に思えるウィーンもアメリカと同じように護身用の武器が必要なのだと驚きました。
【4】諸々驚いたこと
◆水道水はアルプスの湧水!
世界では水道水が飲める国は数少ないですが、なんとウィーンの水道からはアルプスの美味しい天然水が出てくるのです。
ただし硬水なので日本人の肌や頭皮には合わないとネットで知り、シャワーの際は仕方がないのですが、毎日の洗顔は水でせず、薬局で買える拭き取り化粧水を愛用していました。
◆日曜日にお買い物ができない!
ウィーンには「閉店法」というものがあり、労働者を長時間労働から保護する法律で、カフェなどの飲食店を除くスーパーマーケットやドラッグストアなどの店舗は営業が禁止されています。例外として空いている店舗もありましたがほとんどの店は閉まっていまします。
ですから日曜日前日までに食料品など必要なものを買えなかった場合は大変困りました。
◆回転寿司では春巻きが回ってくる
ウィーン市内の数件の回転寿司屋へ行きましたが、サーモン海老、巻き寿司などは回ってきますが、どこも中国人か韓国人の経営なので焼売やキムチなどお寿司以外の方が多く回ってきます。
◆電車がカラフル
地下鉄、路面電車、バスも皆赤や黄色が使われているので、なんか楽しい。
公共交通機関の乗車券は共通切符で、刻印を忘れるとチェックマンが回ってくるので罰金を取られます。
◆嫁はお客さん
日本ではダンナさんの実家へ行った時って、お嫁さんが家事をお手伝いするのって普通ですよね?(昭和的?)
でもダンナの実家では私は完全にお客様扱いでした。何か手伝いたいと申し出ても一切手伝わせてもらうことはありませんでした。
◆中年になっても逆に両親がお小遣いをくれる
年金生活の義両親はいい年をした子供達全員と嫁の誕生日には毎回200ユーロのお祝いをくれ、義母は私に日本語の授業料という名目で毎月お小遣いをくれました。洋服も買ってもらった。
◆ヒトラーはオーストリア人だった!
◆国民健康保険での基本的な診察・治療はすべて無料!
◆日本人というだけで
国立自然史博物館の館長に気に入られ、在オーストリア日本大使とのお食事会に招かれた。
◆ワンコにもパスポートとお薬手帳がある
【5】お財布は別々 高すぎる離婚率
2021年の厚生労働省の発表によれば、日本国内離婚率は36.3%なのに対し、国際結婚の離婚率は51%でした。
また、私のウィーン在住時はオーストリア全国平均の離婚率は48.9%でしたが、ウィーンに限ると65.9%もの高さでした。(現在では減少傾向にあるようですが)
ウィーン在住時には、オーストリア人男性と離婚した日本人女性の知人が数人いました。離婚後もこちらで生まれた子供のため、仕事のためにウィーンで生活していたのです。
彼女たちからはオーストリア人夫の恐ろしい話をいくつか聞きました。(オーストリア人の彼氏がいる方にはショッキングな話かも)
その中で一番酷かったのは『家計は別々』問題。
それも一人だけではありません。
初めてウィーンへ来た新婚の日本人女性。日本とオーストリアの遠距離恋愛だったとか。
初めての国でドイツ語もできないのに(英語は多少)渡墺前から彼に「結婚しても家計は別、生活費は自分で払ってほしいので、必ず仕事を見つけて働くように。」という条件を言い渡されたとか。夫となるオーストリア人は、お城のようなところで結婚式を挙げれるほどのお金があるにも関わらずです。
国連や学友協会のコーラス、看護師、ベテランガイドなどで立派に活躍している日本人女性の友人達もいましたが、何のスキルもなくドイツ語ができない彼女は、スーパーのレジやハウスキーパーなど低賃金の仕事しかできないのではと思いました。
でも私が聞いた中で一番酷かったのは、結婚後、一度も夫からお金をもらったことがなかったという女性。
彼女は仕事をしていましたが、あまり多くの収入ではありませんでした。夫は生活に不自由がないくらいの収入がありましたが、稼いだお金は夫婦それぞれ別で、彼女の生活費は全部自分で出していました。
でも家の備品なども彼女が買うなど不公平もあったそうですが、最もひどいことには子供の養育費は全部彼女もちにされたのだそう。信じられない話ですよね。そりゃ離婚になるのは仕方がありません。
どこの国の人との結婚でも、お金に対する考え方の相違が離婚の大きな原因となります。とくに海外で生活するとなると生活費を全くもらえないのは問題です。
外国人彼氏との結婚を考えている方は、お金の面での彼の考え方もしっかりチェックしておくほうが良いですよ。
え?うち?
はい、別々です 笑
【6】火事なのに逃げられない!?
ウィーンへ移住してすぐは、市内9区のアパートメントの4階で暮らしていました。
1年ほど経ったある日のこと。ダンナは仕事に出かけていて、愛犬と二人で過ごしていました。
いきなり窓の外から男性の怒号が聞こえ、窓から下を見ると数人の人たちが集まっています。彼らが指差す方を見ると、1階の窓から黒い煙が出ているではありませんか!火事だったのです!
やばい!火が上に上がってきたら大変!
すぐに部屋のドアを開けて逃げようとしましたが、階段はもうすでに熱い黒煙が充満していて、階段も見えません。このアパートには外階段がないのでこの階段で降りるしかありません。
意を決して階段を降りようとしましたが全く何も見えない、そして息ができない煙の中、愛犬を抱いて4階下まで降りるのは不可能でした。
それから部屋に戻りましたが、煙を吸ってしまったので咳がひどく肺にも痛みが。
窓から助けを求めようと除くと、消防車と梯子車は到着していますが消防士が部屋にいろというジェスチャーをします。
(え〜 梯子車で助けてよー)と思うのですが、何も始まりません。
どうしたらいいの?ドイツ語もできないので階下の人たちの叫びも何言ってるのか解らない。同階の人たちは不在。
そこでダンナに電話して火事の状況と私の行動について説明し、消防署に電話してどうすれば良いのかを聞いてもらうことに。
ダンナの日本語の理解力が・・・
しばらくするとダンナから折り返しがあり、消防署に電話したと。すぐに助けに行ってもらうので、待っているようにと。
そして玄関ドアを激しく叩く音が!
すぐにドアを開けると、顔面を呼吸器で覆い、ボンベを背負った屈強な消防士が3〜4人きてくれたのです。
でも何やら様子がおかしい。
どうやら、彼らは私が煙を吸って重症で倒れていると思っていた感じなのです。で、下に救急車が来ているのですぐに降りようと•••
ダンナが私の日本語をよく理解できず、私がとてもやばい状況なのですぐに助け出してほしいと頼んだようです。
そんなこと言ってないのにー!
逃げられないのでこのままどうしたらいいか聞いて欲しかっただけなのにー!
愛犬はダースベーダーみたいにスーハー言ってるでっかい男たちがドヤドヤと土足で入ってきたのでビックリしてベッドの下隅に隠れたまま出てこず、消防士さんたちを10分くらい待たせることに。
やっと愛犬を引き摺り出して部屋の外へ出ると、階段の煙はずいぶん収まっていて普通に歩いて降りられました。
実は1階の火事は他の部屋に延焼することもなくすぐに消し止められようとしていた状況だったので、4階にそのままいなさいということだったのでした。
でもダンナが「嫁が煙吸って大変なことになってる」と言ってしまったものだから、助けてもらいたいがために嘘をついたように消防士に取られてしまったのかも知れないのです。
とんだ赤っ恥をかいてしまいました。
海外で言葉が通じないことのヤバさと外国人夫とのコミュニケーションの難しさが身に染みた体験でした。
【7】人種差別
日本のメディアでは、海外での日本人気や日本大好き外国人観光客などを取り上げているので、日本人は海外でも差別など受けないと思われる方もいるのではないでしょうか。
アメリカにいた頃に聞いた話では、プールで白人ばかりが楽しんでいたところ、1人の日本人がプールへ入った途端、白人は全員プールから上がってしまったのだとか。
オーストリアではパンを買おうとショーケース前に並んでいて、私の順番が来たのにも関わらず店員は私を無視して後から来た別の客2、3人の接客をしだしたのです。その後、誰もいなくなってからやっと私のオーダーを聞いてくれました。
また市街地を愛犬と歩いていた時のこと、突然、白人女性が何か言いながら私のお腹をグーで殴ってきてそのまま走り去ったのです!私は痛さよりも唖然としてしまいました。
何故?たくさんの人々が歩いている中で面識もない私を殴ってきたのですから、もしかしてアジアン・ヘイトだったのかもしれません。
ウィーンで長年営業している日本食料品店のオーナーからも、ひどいアジア系差別があると聞いていました。
しかし日本の文化や日本人の精神性を賛美してくれる外国人も多いですよね。日本人が見下されないように、外国へ行った時には本来の日本人の魅力をアピールしたいものです。
「旅の恥はかき捨て」、これは『その国、その土地にはそこにしかない風習や文化がある。だが旅行者はそれを知らないので恥をかくこともある。旅はそういうものなので仕方がない、気に病むことはない』と言うのが本来の意味です。
ある日ウィーンの自宅近くで、日本人の親子4人連れを見ました。すると子供二人が道に唾を吐いていたのです。親はそれを叱りもしません。私は、日本人として恥ずかしくなりました。
見下されない日本人となるようにお行儀よく観光してほしいと思います。
【8】ワンコ天国 その2
オーストリアでは愛犬をどこにでも連れて行きました。留守番させたことはほとんどありません。オーストリアはそれが可能な国なのです。
交通機関でも飲食店でも同伴できる場所の方が多いのがオーストリア。バイト先(食料品関係)にも、オーナーの許可をもらって連れて行くことができましたし、ダンナの勤務先の国立自然史博物館にまで(館長許可の特別待遇でしたが)連れて行きました。
でもウィーン人のワンコに対する扱いに対して本当に驚いたのは歯医者さんでした。
ある日、歯が痛くなりダンナと一緒に歯医者に行くことになったのですが、さすがに愛犬は連れて行けないのだろうと、すぐ近所の歯医者だからとお留守番させました。
そして治療中に、「留守番できないワンコがいるから早く帰らなくちゃいけない。」みたいな話?(ドイツ語だからわからない)をダンナが歯科医にしたようなのですが、そこで歯科医が一言「連れてくればいいじゃない。」とまさかのご発言。
(えー!?マジ??)
そして次回から愛犬をバッグに入れて連れて行くことに。
ちなみに、日本のような顔の出ないクレートとか座っていないと頭が出ないようなバッグではなく、オーストリアのワンコ用ソフトバッグは伏せの体制で顔だけだせるU字の窪みがあるもので、ワンコもがとてもリラックスできるものが主流です。
待合室でもワンコがいるのを見て咎める人がいないどころか、可愛いと話しかけてもらえたりするのです。
治療室にダンナが愛犬を抱っこして入り、私は診察台に横になって2度目の治療が始まりました。
すると今度は歯科医が「ワンちゃん、ママのお腹の上に乗せてもいいよ。」と!
またまた(ええ!?マジ??)
お腹の上に乗せると、愛犬は安心したかのように寝始めました。それから歯医者に行くたびに私のお腹の上で寝ていました。
なんてワンコ天国!
あ、そうそう!ある日、お酒の弱いダンナが友人にキツイお酒飲まされて、帰宅後すぐに泡吹いて倒れちゃったことがあり、知人に頼んで救急車を呼んでもらいました。
しかし病院に行ったらいつまでかかるかわからないし、分離不安症の愛犬だけを家に置いていけません。
日本では救急車にワンコ乗せてくれるなんてありえないことですが、ここはオーストリア!ダメもとで救急隊員にバッグに入れた愛犬を見せて、うるうるした目(笑)で訴えたのです。
すると、救急隊員が「OK!乗せていいよっ」て!!
やっぱオーストリアすご〜い!病院についてからの待合でも、大人しい愛犬にナースは何も言いませんでした。
本当に、オーストリアはワンコ天国!
※ただし、これはオーストリアでもイレギュラーな話なのだと思いますので、普通にワンコを人の病院関係に連れて行けるということではありません。
【9】ベートーベンとパパが眠る墓地
北海道と同じくらいの緯度にあるオーストリアに、40度を超えるという異常な暑さの夏がありました。その記録的猛暑の中、義父の葬儀が『ウィーン中央墓地』内の礼拝堂で執り行われました。
ウィーン中央墓地は、樹々の緑が豊かな広大な敷地に、世界最大規模という埋葬数のお墓があります。
ここにはモーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ブラームス、ヨハン・シュトラウス父子ら偉大な音楽家や、80年代に大ヒットした「ロック・ミー・アマデウス」のファルコ、心理学者のアルフレッド・アドラーなどの世界的有名人のお墓が数多くあります。
義父の葬儀は、ウィーン市内の病院で亡くなってから1週間近く経ってのようやくの葬儀でした。順番が来るまでどこかの冷凍室?に安置されていて、家族も会うことができませんでした。
葬儀はカトリック式ですが、日本のように棺の中の故人のお顔も見れません。というか見ません。
ダンナは、子供の頃から死人の顔を直接見たことはないそう。なので、日本で私の家族の葬儀の際に棺の窓から故人の顔が見えるのにビビっていました。ですから、棺の中にお花を入れてあげるということもしないのです。
そして葬儀が終わると棺を荷車のようなものに乗せ、家族がその跡をゾロゾロとついて歩き、当家の墓地まで行くのでした。
皆さんも洋画でそのようなシーンを見たことがあるかもしれませんね。私はイギリスの故ダイアナ妃の葬儀の参列を思い起こしました。勿論あんなに大層なものではないのですが、義父との思い出を回想しながら厳かにゆっくりと歩いて行くのです。
いよいよ当家の墓地に到着すると、墓掘りの男性が待っていました。
オーストリアでは最近は火葬もされるようですが、当家は土葬で3つの墓地があり、それぞれに何体ずつかの棺が埋められています。
上に上にと新しい棺を入れていくんです!
義父の棺が穴の中に入れられると、一人づつ薔薇の花を棺の上に置いていきます。
私の番になりましたが、私は結婚前に真言宗で在家出家しており仏教を学んでいたのですが、仏前には絶対に棘のあるバラの花や、頭がボタっと落ちるような椿の花などは供えてはいけないと教わっていましたので、一瞬悩みました。
でもどうしようもありません。そこで、茎についている棘を全部取り除いてから置きました。
遠く日本から来た言葉も話せない嫁を、とても大切に可愛がってくださったパパ。今は日本在住のためにお墓参りもできず残念ですが、これは国際結婚のデメリットの一つです。
【10】移民だらけの国
2023年初頭には、ウィーン市民の34.2%が外国籍、39.3%が外国生まれ、44.4%が外国出身者であったとの発表がありました。ウィーンへの移民は年々増え続けています。※ウィーン市HPより
ウィーンの旧市街一帯は全て世界遺産で、ハプスブルク家の帝都であった美しい街並みが魅力です。しかし残念ながら国が貧しく教育もまともに受けられなかったような移民の方たちは、その美しい街に平気でゴミを捨て、大声で騒ぎ、観光客から物を盗む人も多いのです。
地下鉄でお金を要求されたことが何度かあります。あげないと怖い顔をしてしつこく要求されることも。あげてもお礼も笑顔も一切ありません。
また移民の人たちが低賃金で働くので、オーストリア人の仕事が減るなどの問題もあるようです。ダンナは日本で一生暮らしたいと言っていますが「今のウィーンは移民だらけでもうウィーンではない。」という理由が大きいのです。
終わりに
驚くことが色々あったオーストリア生活でしたが、素晴らしかったり嬉しかったりで驚いたこともたくさんありました。ここでは紹介できませんでしたが総合的にはオーストリア生活は素敵なのでおすすめです!
国際結婚については「ああ、そう言えば、うちのダンナは外人だったわね。」と書きましたが、たまに朝起きてダンナの顔見ると「わ!うちに外人いる!」と思うこともあります。笑
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