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マンドリンオーケストラは、本番も譜面台を持ち込むべしという提言。
マンドリンオーケストラの指揮者をしている相原と申します。
関西では「ブレーメン音楽団」を、関東では「トーン・クラスター マンドリンオーケストラ」を指揮しています。
今回は、今までずっと気になっていた、マンドリンオーケストラの譜面台について、私の考えを共有したいと思います。
ホールの譜面台は、マンドリンオーケストラにとっては背が高すぎる。
コンサートホールには譜面台が用意されており、多くのマンドリンオーケストラは本番当日、ホールの譜面台を借りていると思います。コンサートホールの譜面台は重量感のある立派なものですが、管弦楽向けなので、一定以上高さを低くしたり、台を並行にしたりすることができません。
下は、私が去年指揮しているブレーメン音楽団の動画です。当日リハでは私から、「できる限り楽器を客席に向けて!」「サウンドホールを譜面台で隠さないで!」と奏者にお願いしているのですが、それでも舞台中央のマンドラやギターは、譜面台で楽器が隠れてしまっています。メンバーも多いし、ホールの譜面台は高いし、仕方ないですね。
ギターは、表面版から音が放射されることが明らかになっており[参考文献]、恐らくマンドリンも同じだと考えられます。客席により音を届かせるためには、表面版をいかに譜面台で隠さないかということが重要になります。視覚的にも楽器が客席から見えたほうが、お客さんも嬉しいはず!
撥弦楽器にとって理想的な譜面台の高さは、膝の高さである。
もちろん暗譜して譜面台なしで演奏できれば一番いいのですが、それはちょっと大変。では、私たち撥弦楽器にとって理想的な譜面台の高さはどのくらいでしょうか?撥弦楽器のプロである、クラシックギタリストの例を見てみましょう。
低い!だいぶ低い!下手の大萩さんとLiuさんは、足台で上げた膝より低い。中央の朴葵姫さんは少し高いですが、それでも足台で上げた膝くらいの高さ。一番上手の福田進一さんは、低くても見やすいように台を床と平行にしているようです。
この低さなら、楽器のサウンドホールも表面版も完全に見えています。バックのバイオリン属の譜面台の高さが目線より少し低いくらいなのと大きな違いです。
というわけで、弾きやすさを度外視した場合、撥弦楽器の理想的な譜面台の高さは膝くらい、ということがわかりました。
実際に、普段使っている譜面台を持ち込んでみた。
撥弦楽器の(音響的に)理想的な譜面台の高さは膝、ということがわかりましたが、前述したようにホールで貸し出してくれる譜面台は管弦楽向けなので、そこまで背を低くしたり、見やすく平行にしたりはできません。
仕方がないので、この夏のトーン・クラスターの演奏会では、ホールの譜面台を借りず、自分たちでいつも使っている譜面台を、本番でも持ち込んでみました。
見えている!中央の2ndもマンドラもギターも、サウンドホールがばっちり見えている!
自分たちは演奏しているので音はどうかわかりませんが、見栄えはかなり良くなりました。
ただし、準備は必要。
低い譜面台に慣れる練習は、した方がいい。
ただ、奏者にとって低い譜面台が見づらいというのは事実なので、低い譜面台で弾く練習は必要です。
今回実践したときは、本番の1ヶ月前くらいから練習で「譜面台低くして、サウンドホールが客席に見えるようにして!」とお願いしました。曲が配られてしばらくの練習はメンバーも楽譜見るのに必死なので、ある程度慣れてきた段階で練習した方がいいと思います。
もし、練習会場に鏡があったら、普段の譜面台の高さでどのくらい楽器が隠れてしまっているかも確認してみてください。思っているよりだいぶ隠れています笑。
譜面隠しも、持ち込みが必要。
また、普段の練習で使っている譜面台は、譜面隠しがないと思います。メンバーが楽譜をどのように製本しているかわかりませんが、客席に色とりどりの楽譜裏が見えてしまうのもカッコ悪いので、今回は黒画用紙を持ち込んで譜面隠しとしました。譜面台を持ち込む場合は、譜面隠しの黒画用紙も忘れずに持ち込みましょう。
まとめ:自分の譜面台を持ちこんで、高さを低くして演奏しよう。
以上、ホールで借りられる譜面台はマンドリンオーケストラには背が高すぎるので、本番も普段練習で使っている譜面台を持ち込んで、膝くらいの高さにすると聞こえも見栄えも良くなるのでは?という提言でした。
ちょっと荷物は多くなりますが、社会人団体ならほとんどの人は練習にも譜面台は持ち運んでいるわけだし、本番も持っていけばええやん!と思っています。
これから演奏会がある皆様、ぜひご検討ください!
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