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お菓子の箱について

鹿児島睦さんのイメージしたお菓子やジャムのギフトボックスを一緒につくりました。10月13日からMOODMARKというECサイトで発売になります。鹿児島さんからお誘い頂き、これから暫くの間販売が続きます。食器などの販売もあるので、一緒に楽しいお茶の時間のプレゼントもできるなぁとか妄想が広がります。

Romi-Unie Confitureがジャム屋しかなかった18年ほど前のオープン当初、いちばん最初は父が作ったバゲットをイメージした5個入りのジャムboxをクラフトの厚紙で作ってもらいました。うちの父はまだサラリーマンで、印刷会社の包材事業部というところで仕事をしていました。(その印刷会社のスタジオで今回撮影があった偶然は面白かったので、父に報告しました)作ってもらったのは一度きりで、その後はお菓子屋さんのパッケージをつくっているサンライト紙工さんという会社にお願いして、素敵な箱をたくさん作ってもらっています。たいていは、こんな感じでここにこういうロゴを入れて・・・というイメージをお伝えして展開図を描いてもらい、私がお絵描きしています。

焼菓子を入れるためののおうちの箱をつくったのは、今から8年か9年前。おうちも大きくなったり小さくなったり、いろんなサイズができました。デザインも、よくパクられたりもしています。泣
気軽だけれど、ちょっとかわいいプレゼントになるおうちボックスはとても人気があって、Maison romi-unieの焼菓子をこんなふうにギフトにしてもらったらいいのか!と、箱ができてからそのマーケットに気が付いたりもしました。そして手間はとてもかかりましたが、サブレをひとつひとつ個包装にすることで賞味期限を延ばすことができたり、お客様のニーズや予算に合わせて詰め合わせを自在に変えられたりするのも、すごくよかった。そこからは、気軽な手土産から、さまざまなギフトまで、お客様にはいろんなシーンで使って頂けるMaison romi-unieやRomi-Unie Confitureになっていきました。

私はもともとOliveの世界観に憧れ、洗脳され、雑貨大好きな思春期を送ってパリやヨーロッパで素敵なものにたくさん出会い、それこそ素敵なお菓子の箱に対しては、並々ならぬ情熱があったので、自由にお店のお菓子の箱が作れるなんて楽しくて仕方がなくて、ついついいろんな箱をスタッフと一緒に作ってしまって、在庫の山に埋もれていたりします。
パティシエさん達は、パッケージのことを考えるのが好きな人は少数派でしょう。パティスリーのギフトボックスは、ロゴ入りのオリジナルに加えて、いわゆるパッケージ屋さんが作ったものを使ったりすることも多くあります。一般のお菓子好きな人でも、クオカさんやCottaとか利用しますね。シーズン限定だったりすると、製造ロットや在庫に悩まされることもなく適度にいい感じのパッケージになったりもしていいのですが、私的にはやっぱり物足りないのです・・・。パティシエさんでパッケージに困っている方がいらっしゃったら、ぜひ私に相談して頂きたい程楽しい仕事です。

一方デザイン重視の駅や商業施設などのお土産菓子業界は、今はパッケージ戦争のような状況で。見栄えがよいのが最優先されて、中身のお菓子の味でがっかりさせられることも多くて。そんなによいクオリティじゃないお菓子も、かわいいパッケージで飛ぶように人気だったりすると、とてもとても残念な気持ちになります。ある意味、お菓子屋さんは、パッケージ屋さんなのかもしれない・・・それくらい、お菓子屋さんにとって、パッケージってとても大切です。六花亭の十勝のお花の絵柄の缶や、鳩サブレの缶など、かわいいものは再利用して生活の中になじんできます。箱も、ただの包装材料というふうには思わずに、雑貨として丁寧に作ることで、ゴミにならず価値のあるものになると思っています。romi-unie的SDGs思考です。

今年のクリスマスの缶も新しく制作中だったり、ここ10年程でromi-unieのパッケージの仕事も大変増えてきました。父のDNAとはまったく思いませんが、たまたまパッケージ屋さんとしてのromi-unieの役割というのも、どんどんと大きなものになってきました。
鹿児島睦さんにもいろいろな缶を作ってもらいました。鎌倉の移転の記念で紙袋も作ってもらって、すごくかわいくて、ユニークで、とてもうれしくて誇らしかったのを覚えています。

鹿児島さんとは、まだromi-unieがオープンする直前くらいに福岡のBBB Pottersの昔の店舗で出会って、それからMaison romi-unieがオープンする頃に個展が近所であったり、一緒に台湾でイベントをしたり、いろんな繋がりで、鹿児島睦ワールドをromi-unieのお菓子とともに楽しんで頂く機会にたくさん恵まれてきました。なんて幸せなんでしょう!

今回の鹿児島睦さんとの企画は、10月から来年にかけて新しいBOXをたくさん一緒に作っています。「コラボレーション」という表現が世の中にたくさん溢れすぎているけれど、今回の鹿児島睦さんとの作業は、本当に共同作業感があって、高揚感に包まれたまま制作しています。 鹿児島さんがたくさんの人にお菓子と一緒に楽しんでもらえるプレゼントになる箱や包装のアイデアを次々に出してくださるので、こちらはそれをキャッチして現実のものとする作業の連続でした。実際にたくさんのお客様にお届けできるよう、魅力的なギフトの内容になるように、お菓子の製造、包装まで段取りをしているところです。

楽しくて、うれしい気持ち、おいしくて、夢見心地だったり、幸せだったり、お菓子はそんな時間をもたらしてくれるものです。それをかたちにして、皆さんにお届けできることがromi-unieの使命で、ありがたいことだと思って張り切っています。
販売に関しての詳細は、また別にお知らせします。どうぞ楽しみにお待ちください!

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