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技術の進歩とか、その他諸々について

世の中の技術というのは着実に進歩している。ある意味当たり前のことだけれど、ふとそれを強く意識する瞬間が訪れることがある。

30年前と現在の世の中を比べてみると、様々な変化が起きていることは明らかだ。今は世界中どこでも誰でもスマホを日常的に使っているが、30年前はインターネットもまだ一般家庭には普及していなかった。ダイヤルアップ接続で初めて家にあるパソコンが外の世界と繋がったときの感動は今でも覚えている。それが今では電車に乗ればほとんどの人がスマホをいじっている。携帯電話がインターネットに繋がることによって、手のひらサイズのデバイスから無限の情報にアクセスできる、と考えると、技術の進歩はすごいなと思う。

技術の進歩によって音楽や映画の楽しみ方も大きく変わった。私が学生の頃は、レンタルショップにせっせと通ってCDを借りて、家でそれをダビングして聴くのが普通だった。今でもうちには当時作ったカセットテープやMD、自宅のパソコンで焼いたCDなどがどこかにしまいこんである。映画は同じくレンタルショップでビデオやDVDを借りて、見終わったら返しに行くというのが一般的だった。でも私はもう10年くらい前からレンタルショップには行っていない。インターネットのブロードバンド化と配信プラットホームの充実に伴って、音楽も映画もストリーミングで楽しむのが当たり前になった。いちいちお店まで行って物理的にメディアを借りていた頃と比べると圧倒的に楽で便利になったと思う。自宅のソファに座ったまま、すべてがパソコン上のクリックで済む時代がくるなんて、昔は想像すらできなかった。

私たちの生活が大きく変化するような技術の普及は他にも色々とあると思うけれど、もう少しさりげない、意識しないと気付かない進歩もたくさんある。この間、朝のまだ静かな時間帯に街中を歩いていて交差点で信号待ちをしていたら隣に車が来て止まった。その車は普通のエンジン車だったのだけれど、停止した瞬間にエンジンも止まって無音になった。そして信号が変わってまた動き出す直前にエンジンがかかって車は走り去っていった。車が停止している間はアイドリングも停止するこの技術は確か日本のどこかの企業が開発した部品によって可能になった技術だったと思う。ちょっとしたことなのだけれど、けっこうすごい技術革新だと私は思う。アイドリングを停止することによってエンジン音による騒音も減るし、排気ガス量も減るので大気汚染の改善にもつながる。車の近くで排気ガスが臭くて嫌な思いをすることも減った。こういう小さいことでも積み重なると全体でけっこう大きな影響を持つことになるのではないだろうか、とふと思った。

少し前にアメリカから初来日したミュージシャンが東京の印象を聞かれて、空気が綺麗だ、とインタビューで答えていた。私の中では東京は空気が汚くて深呼吸できない街、というイメージができあがっていたのだけれど、考えてみたら確かに30年ほど前と比べたら改善している気がする。もしかしたら車のアイドリングストップなどのちょっとした技術の進歩が色々と集まって、都市の環境が改善されてきたのかなぁ、と朝の都内を歩きながら思いを巡らせた。



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